2013年7月3日(水)
キャラアニ主催によるゲームミュージックのライブイベント“JAPAN Game Music Festival 2013(以下、JGMF 2013)”が、6月29・30日にかけて東京都・Zepp Tokyoにて開催された。その模様をお届けする。
“JGMF 2013”は、メーカーやジャンルを問わず、多数のゲームミュージックバンドやコンポーザーが出演するライブイベント。音楽から日本に活気をもたらすことや、生演奏ならではの音楽体験を伝えることを目的として開催される。
なお、ステージ写真は17日ごろの公開となっていて、それにあわせて記事をアップデートする予定だ。アップデートの際は電撃オンライン公式Twitterにて告知を行うので、興味のある人はフォローしてほしい。
MCを務めたのは、アメリカザリガニの平井善之さん(両日)と、椿姫彩菜さん(1日目のみ)、エレキコミックの今立進さん(2日目のみ)といったゲームに造詣深いことで知られる面々だ。演奏だけでなく、各幕間にはMCと出演者による短いトークコーナーも設けられていた。
●“JGMF 2013”1日目 出演者
ZUNTATA(タイトー)
Falcom jdk BAND(日本ファルコム)
川村ゆみ×Lotus Juice(アトラス/インデックス)
TEKARU(ノイジークローク)
Mitsuto Suzuki×Sugimoto Tomoyuki(スクウェア・エニックス)
Crush40(セガ)
The Musicolors(伊藤賢治バンド)
開演の直前、ステージ上のスクリーンに映しだされたのは、“JGMF 2013”のロゴがあしらわれたゲームのタイトル画面のような映像。ステージには意味ありげにViewlix筐体が鎮座していたのだが、そこに本日のMCの平井さんが着席。“コンパネのスタートボタンを押すとライブが始まる”という演出によって、開演が告げられた。なお、Viewlixはこの演出のためだけに用意された模様。その後は、すぐさま舞台袖に引っ込められた。
最初に登場したのはZUNTATAの小塩広和さん。DJスタイルで、『グルーヴコースター』より『Protocol Signal Generation』を披露した。続けて土屋昇平さんや石川勝久さんなど、ZUNTATAメンバーが次々と登壇。バンドスタイルとなり、『サイキックフォース2012』より『Tears & flow』、『ニンジャウォーリアーズ』より『Daddy Mulk』などの名曲や『グルーヴコースター』の最新楽曲が演奏された。
石川さんは登場の際、“前夜祭”として開催されたイベントにおいて光吉猛修さんが提唱していた「汁ってますかー!?」というフレーズを観客に投げていたのだが、それが各出演者の琴線に触れた模様。イベント全体にわたって“汁ってる”というワードが多用され、2日間におよぶ“JGMF 2013”の重要なキーワードとなっていた。
バンド形式で演奏するZUNTATAに加え、さらにボーカルの中恵光城さんが登場。『私のハッピーマナーブック』のポップなテーマソング『Happy Smillling♪』や、一転して朗々としたボーカルで演じる『Good-bye my earth』を披露した。最後を飾ったのは、おなじみ『電車で電車でGO!GO!GO!』。最初の出演者ながら、非常に大きく観客を沸かせていた。
ステージ終了後の幕間では、ボーカルを交えての演奏が2年ぶりであることや、タイトーの上層部から「女気がなくてムサい」と言われて中恵さんを交えたことなどが語られた。また、このステージのレポートは、ZUNTATAの公式サイト“Z-Field”でも掲載されているので、あわせてチェックしてほしい。
【出演メンバー】(敬称略)
小塩広和(Key)
土屋昇平(Ba)
石川勝久(Key、Vo)
中恵光城(Vo)
とらぞう(Dr)
高橋誠仁[TTBOY](Gt)
【セットリスト】(楽曲名/出典タイトル)
『Protocol Signal Generation』/『グルーヴコースター』
『Just no friend』/『グルーヴコースター』
『Tears & flow』/『サイキックフォース2012』
『Daddy Mulk』/『ニンジャウォーリアーズ』
『Play merrily』/『グルーヴコースター』
『Happy smilling♪』/『私のハッピーマナーブック』
『Good-bye my earth』/『ダライアスバースト』
『電車で電車でGO!GO!GO!』/『電車でGO!』
他、曲間のトーク中に『スペースインベーダー』BGMも演奏
Falcom jdk BANDのパートでは、まず楽器メンバーのみでのインストゥルメンタルで『イース』シリーズを代表する1曲である『TO MAKE THE END OF BATTLE』を演奏。次にボーカルの小寺可南子さんとイカロス渡辺さんが登場し、『MIGHTY OBSTACLE』や『Cry for me, cry for you』といったボーカル曲を歌い上げた。今回は持ち時間が短いこともあってか、疾走感のあるアップテンポなナンバーがセレクトされていたようだ。
ファルコムは、PS3用ソフト『英雄伝説 空の軌跡 the 3rd:改 HD EDITION』や、キャラアニの発行による25周年記念本『ファルコム ミュージック クロニクル』の発売、さらに9月の『英雄伝説 閃の軌跡』発売と、現在とても盛り上がっている。今後のFalcom jdk BANDの活躍にも期待しよう。
【出演メンバー】(敬称略)
イカルス渡辺(Vo)
小寺可南子(Vo)
寺前甲(Gt)
井上央一(Gt)
榎本敦さん(Ba)
岡島俊治さん(Dr)
上倉紀行さん(Key)
水谷美月さん(Vn)
【セットリスト】(楽曲/出典タイトル)
『TO MAKE THE END OF BATTLE』/『イースI&II クロニクルズ』
『MIGHTY OBSTACLE』/『イースVI ナピシュテムの匣』
『Cry for me, cry for you』/『空の軌跡 the 3rd』
『Inevitable Struggle』/『零の軌跡』
『OVER DRIVE』/『イースI&II クロニクルズ』
『銀の意志 金の翼』/『空の軌跡SC』
川村ゆみさんとLotus Juiceさんが披露するのは、もちろん『ペルソナ3』を彩った楽曲たち。ラストバトル『Burn My Dread ‐Last Battle‐』や、バトル曲『Mass Destruction』、代表曲をミックスした『P3Fes』が披露された。
曲数は少なかったものの、このパートではトークが非常に盛り上がり、インデックスの経営危機をネタにしたり、2人ともプレイしているという『真・女神転生IV』についてネタバレギリギリの話をしたりと、非常に自由なトークが展開されていた。なお、詳しい内容についてはデリケートな部分を多く含むので、残念ながらここでは紹介できない。
また川村さんからは、インデックスが発売を予定している商品、および開催を予定しているイベントは、発表されている限りのものについて予定通りに発売・開催されるとアナウンスされた。
その他、チケットが完売している“PERSONA MUSIC FES2013~in日本武道館”について、川村さんは客席の拡張をインデックスへ要求することを宣言。これは実行が決定した模様で、翌日のステージにおいて一部機材の撤去による客席の拡張が告知された。後日、正式な発表が行われると思われるので、アトラスの公式サイトやTwitterなどをチェックしてほしい。
【出演メンバー】(敬称略)
川村ゆみ
Lotus Juice
サチエ(ダンサー)
ナオ(ダンサー)
【セットリスト】(楽曲名/出展タイトル)
『Burn My Dread ‐Last Battle‐』/『ペルソナ3』
『Mass Destruction』/『ペルソナ3』
『P3fes』/『ペルソナ3』
おなじみの体操をはじめ、独特なパフォーマンスが特徴的なTEKARU。今回は登場時にミスコンのようなアナウンスでのメンバー紹介を行い、会場に笑いを呼んでいた。余談だが、川村ゆみさんが幕間のトークをしている際、その後方に演奏準備中の坂本英城さんがそっと立ち、会場に奇妙な笑いを起こすという一場面もあった。
坂本さんいわく、TEKARUはプログレッシブロックのスタイルが強いが、今回は媚びを売るためにキャッチーな曲をセレクトしたとのこと。そのため、清田愛未さんが歌う『怪獣が出る金曜日』の主題歌『ぼくはこども』、尾島梨絵さんが歌う『タイムトラベラーズ』伏見雛のテーマ曲『The Door Into Summer』、『討鬼伝』サウンドディレクターの中條謙自さんがギターで参加したの『鬼討ツモノ』と、曲ごとにゲストを入れ替わるという賑やかなスタイルで演奏が行われた。
幕間では、ノイジークロークが音楽を担当した『龍が如く見参!』にアメリカザリガニが出演していたことがざっくりと触れられた他、坂本さんによって「もうちょっと体操を増やしたい」という今後の展望が語られていた。今後もTEKARUは独自路線を貫き続けるようだ。
【出演メンバー】(敬称略)
坂本英城(Vo/Org/Key)
加藤浩義(Syn)
いとうけいすけ(Ba)
浅田靖(Gt)
川越康弘(Dr)
清田愛未(Vo)
尾島梨絵(Vo)
中條謙自(Gt)
【セットリスト】(楽曲名/出展タイトル)
『ファイナル・ギャザリング』/『勇者のくせになまいきだ:3D』
『茄子』/『428 ~封鎖された渋谷で~』
『ボクは子供』/『怪獣が出る金曜日』
『The Door Into Summmer(Hana’s Theme)』/『タイムトラベラーズ』
『鬼討ツモノ』/『討鬼伝』
『ファイナルファンタジーXIII-2』に引き続き、続編の『ライトニング リターンズ ファイナルファンタジーXIII』でも音楽を手掛ける鈴木光人さん。今回のステージでは、『ライトニング リターンズ ファイナルファンタジーXIII』から最新楽曲が披露された上に、初公開のゲーム映像がVJのスギモトトモユキさんによってミックスされていた。
演奏の終わり際には、渋谷のクラブ・WWWにて10月24日に『ライトニング リターンズ ファイナルファンタジーXIII』のミュージックイベントが開催されることも告知された。これは翌月のソフト発売に向けたものとなり、鈴木さんいわく「もっとかます」内容になるとのことだ。詳細については後日発表されるので、興味がある人は『FFXIII』公式Twitterをフォローしよう。
【出演メンバー】(敬称略)
鈴木光人
スギモトトモユキ
【セットリスト】(楽曲名/出展タイトル)
『New Bodhum』/『ファイナルファンタジーXIII-2』
『不可視の深淵』/『ファイナルファンタジーXIII-2』
『ヒストリアクロス』/『ファイナルファンタジーXIII-2』
『デッドデューン』/『ライトニング リターンズ ファイナルファンタジーXIII』
『ユスナーン』/『ライトニング リターンズ ファイナルファンタジーXIII』
『閃光バトル1』/『ライトニング リターンズ ファイナルファンタジーXIII』
1日目のCrush 40は、自身らがカバーした『We Will Rock You』を入場曲として登場。『His World』や『Open Your Heart』など、『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』シリーズを彩った楽曲の数々が、ソニックさながらの疾走感で一気に演じられた。また、バンドの記録映像を撮影するとのことで、映り込みたいファンは客席前方まで集まるようにアナウンスも行われていた。
ステージの最後を飾ったのは、高い人気を誇る『ソニックアドベンチャー2』のラストバトルBGM『Live & Learn』。会場が一体となって「Live & Learn!」のフレーズを叫び、最大の盛り上がりを見せていた。
【出演メンバー】(敬称略)
ジョニー・ジョエリ(Vo)
瀬上純(Gt)
Shoyo(Ba)
Act.(Dr)
【セットリスト】(楽曲名/出展タイトル)
『His World』/『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』
『Sonic Heroes』/『ソニック・ヒーローズ』
『Free』/『ソニック フリーライダーズ』
『One Of Those Days』/オリジナル
『Sonic Boom』/『ソニック・ザ・ヘッジホッグCD』
『Knight Of The Wind』/『ソニックと暗黒の騎士』
『I Am... All Of Me』/『シャドウ・ザ・ヘッジホッグ』
『Open Your Heart』/『ソニックアドベンチャー』
『What I’m Made Of...』/『ソニックヒーローズ』
『Live & Learn』/『ソニックアドベンチャー2』
1日目の最後を飾ったのは、伊藤賢治さん率いるThe Musicolors。『デビルサバイバー2』から『運命への挑戦』、『パズル&ドラゴンズ』から2曲、そして『サガ』シリーズから3曲が演奏された。
伊藤さんは、今回の石柱が並べられたようなステージセットが『ロマンシング サ・ガ』のサルーイン戦における背景と似ているとコメント。今回、同氏は『決戦!サルーイン』を用意していなかったのだが、逆に次回開催時への熱意が沸き上がっているようだった。
【出演メンバー】(敬称略)
伊藤賢治(Key)
末松一人(Gt)
吉池千秋(Ba)
滝山清貴(Dr)
【セットリスト】(楽曲名/出展タイトル)
『運命への挑戦』/『デビルサバイバー2』
『Walking Though The Towers』/『パズル&ドラゴンズ』
『Dragon’s Den』/『パズル&ドラゴンズ』
『玄城バトル』/『ロマンシング サ・ガ3』
『Believing My Justice』/『ロマンシング サガ ミンストレルソング』
『ラストバトル』/『ロマンシング サ・ガ3』
『ロマンシング サ・ガ3』の『ラストバトル』を最後に、“Japan GAME Music Festival”の初日は終了。エンディングでは、MCが椿姫彩菜さんから今立進さんへバトンタッチされると発表されて半ば本気の惜しむ声が上がるといった場面もありつつ、5時間にも及んだライブの幕が降ろされた。
→2日目も会場は大熱狂! 30日の模様はこちら(2ページ目へ)
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※一部表記の誤りを修正いたしました(2013/07/04)