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2013年7月3日(水)

ゲームミュージックの夏フェス“JGMF 2013”の模様をレポート! 50名以上のアーティストが登場した熱気と汁の2日間

文:皐月誠

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●“JAPAN Game Music Festival”2日目 出演者
 SEGA Sound Unit [H.](セガ)
 LivestRow Basiscape Band(ベイシスケイプ)
 川村ゆみ×Lotus Juice(アトラス/インデックス)
 Nanaa Mihgo’s(スクウェア・エニックス)
 Crush 40(セガ)
 The Death March(スクウェア・エニックス)
 The Musicolors(伊藤賢治バンド)

■SEGA Sound Unit [H.]

“JAPAN Game Music Festival 2013”

 2日目のトップを飾るのは、さまざまなイベントでおなじみの[H.]。光吉猛修さんは初日の流れを引き継ぎ、登場するなり観客に向けて「汁ってるかー!?」とシャウトしていた。

 光吉さんは、10周年を迎えた『甲虫王者ムシキング』から『Fly High』、『ファンタシースターポータブル2 インフィニティ』から[H.]としては初演奏となる『Ignite Infinity Feat.Takenobu Mitsuyoshi』、そしてCrush40の瀬上さんを特別に加えた演奏で『ビクトリーゴール ’96』の『未来へと続く空』を熱唱。レアなワンシーンに会場も大きく盛り上がった。

【出演メンバー】(敬称略)
 Hiro(Key)
 光吉猛修(Vo/Ba)
 庄司英徳(Gt)
 福山光晴(Tp/Key)
 工藤詠世(Dr)
【セットリスト】(楽曲名/出展タイトル)
 『Final Take Off』/『アフターバーナー』
 『Fly High』/『甲虫王者ムシキング』
 『Receive You』/『龍が如く』
 『Ingnite Inginity Feat.Takenobu Mitsuyoshi』/『ファンタシースターポータブル2 インフィニティ』
 『未来へと続く空』/『ビクトリーゴール’96』
 『After Burner Remix 2005』/『アフターバーナークライマックス』


■LivestRow Basiscape Band

“JAPAN Game Music Festival 2013”

 結成から1年目を迎えたLivestRowは、『怒首領蜂大復活 ブラックレーベル』からデジタル音を打ち出した『Xanadu』や、ゴシック音楽をモチーフとした『カラドリウス』楽曲のメドレーからスタート。さらに元ベイシスケイプ所属のFalcom jdk BANDメンバー・上倉紀行さんを招いて『朧村正』の『雪月風花』を演奏し、JGMFならではのコラボレーションを見せてくれた。

 トークの中では、『幻塔戦記グリフォン』や『ドラゴンズシャドウ』といったソーシャルタイトルへの楽曲提供や、ベイシスケイプ代表・崎元仁さんが楽曲を手掛ける『ドラゴンズクラウン』、工藤吉三さんの手掛けた『ギタドラ』収録楽曲『戦場のタクトシュトック』などが紹介された。幅広いタイトルの音楽をベイシスケイプが手掛けていく中で、今後のLivestRowがどのようなステージを見せてくれるのか、期待しよう。

【出演メンバー】(敬称略)
 工藤吉三(Gt)
 金田充弘(Syn/Sampler)
 千葉梓(Key)
 テイセナ(Vn)
 蓮池真治(ba)
 宮本知聡(Dr)
【セットリスト】(楽曲名/出展タイトル)
 『Xnadu』/『怒首領蜂大復活 ブラックレーベル』
 『カラドリウス』メドレー/『カラドリウス』
 電波人間ボスバトルメドレー/『電波人間のRPG』、『電波人間のRPG2』
 『オプーナ』メドレー/『オプーナ』
 『雪月風花』/『朧村正』
 『深山幽谷』/『朧村正』
 『Assault of Brave Flame』/『グランナイツヒストリー』


■川村ゆみ×Lotus Juice

“Japan MUSIC Game Festival”

 演目は初日と同一ながら、トークの矛先は変わって目黒将司さんへ。川村さんは、目黒さんも“JGMF 2013”へ出演するよう誘ったのだが、「僕はいっぱい締切を抱えているから、すごく忙しくて出る時間がない」と断られたという。しかし、“JGMF 2013”1日目の目黒さんはオフで、2日目にはサバイバルゲームへ遊びに行っているので、スケジュール的には出演可能だったことが暴露された。

 もちろんプライベートの時間は大事なので、引き目を感じるべきということもないのだが、目黒さんはこういった場面で第三者からいじられるのが怖いためTwitterのようなSNSを利用していないらしい。川村さんからは、親交深い潘恵子さんや若井おさむさんなどとのエピソードも語られ、会場を大いに笑わせていた。各出演者はいずれも素晴らしい演奏を見せてくれたが、トークにおいては川村さんが間違いなく断トツだ。

【出演メンバー】(敬称略)
 川村ゆみ
 Lotus Juice
 サチエ(ダンサー)
 ナオ(ダンサー)
【セットリスト】(楽曲名/出展タイトル)
 『Burn My Dread ‐Last Battle‐』/『ペルソナ3』
 『Mass Destruction』/『ペルソナ3』
 『P3fes』/『ペルソナ3』


■Nanaa Mihgo’s

“Japan MUSIC Game Festival”

 Nanaa Mihgo’sは、数ある『ファイナルファンタジーXI』の楽曲からムーディで落ち着くようなナンバーを演奏。今回のライブでは各バンドの持ち時間が短く、必然的にテンポの早いハードな曲がセレクトされる傾向が強かったので、ライブ全体の中のちょうどいい休憩時間となっていた。

 Nanaa Mihgo’sは、毎月11日にWeb番組をUstreamにて配信している(詳しくは公式サイトを参照のこと)。Nanaa Mihgo’sのステージを見たことがないという人も、こちらで独特のゆるい雰囲気を味わってほしい。また、Nanaa Mihgo’sとしての1stアルバム『FINAL FANTASY XI Arrange Album/NANAA MIHGO’s(仮)』の発売が9月11日に予定されている。ヴァイオリン、ピアノ、ベースによって奏でられる音楽世界に浸りたい人は、こちらも要チェックだ。

【出演メンバー】(敬称略)
 水田直志(Effects/Ba)
 伊賀拓郎(Pf)
 岡部まち(Vn)
【セットリスト】(楽曲名/出展タイトル)
 『カザム』/『ファイナルファンタジーXI』
 『ザ パイオニアーズ』/『ファイナルファンタジーXI』
 『ジュノ スターライトセレブレーション』/『ファイナルファンタジーXI』
 『バッスル オブ ザ キャピタル』/『ファイナルファンタジーXI』


■Crush 40

“Japan MUSIC Game Festival”

 初日とは一部楽曲や演奏順序が若干異なる形で演奏した、2日目のCrush40。初日同様の盛り上がりはもちろんながら、記録映像への映り込みの推奨を受けて、多くのファンがキャラクターのぬいぐるみなど『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』シリーズのアイテムを持ち寄っていたのが印象的だった。

【出演メンバー】(敬称略)
 ジョニー・ジョエリ(Vo)
 瀬上純(Gt)
 Shoyo(Ba)
 Act.(Dr)
【セットリスト】(楽曲名/出展タイトル)
 『Open Your Heart』/『ソニックアドベンチャー』
 『Sonic Heroes』/『ソニック・ヒーローズ』
 『His World』/『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』
 『Free』/『ソニック フリーライダーズ』
 『Sonic Boom』/『ソニック・ザ・ヘッジホッグCD』
 『Knight Of The Wind』/『ソニックと暗黒の騎士』
 『I Am... All Of Me』/『シャドウ・ザ・ヘッジホッグ』
 『Never Turn Back』/『シャドウ・ザ・ヘッジホッグ』
 『What I’m Made Of...』/『ソニックヒーローズ』
 『Live & Learn』/『ソニックアドベンチャー2』


■The Death March

“Japan MUSIC Game Festival”

 根強い人気を持つ『すばらしきこのせかい』に登場する架空のバンドを再現した、The Death March。“ゲーム楽曲を演奏するバンド”と言うよりも、“ゲームに登場するバンド”のスタイルなので、その楽曲のバンドらしさは“JGMF 2013”出演者の中でも随一だ。

 『すばらしきこのせかい』は、トリビュートアルバムCD『すばらしきこのせかい Crossover~Tribute』が発売された他、ソーシャルゲーム『すばらしきこのせかい ‐LIVE Remix‐』のサービスが開始されている。今後のThe Death Marchの展開も、あわせて期待できるだろう。

【出演メンバー】
 石元丈晴(Gt)
 SAWA(Vo)
 Ritsu(Vo)
 Stephanie(Vo)
 YUI(Gt)
 T$UYO$HI(Ba)
 Zax(Dr)
 KOIKE JOANNA(Vo)
【セットリスト】(楽曲名/出展タイトル)
 『Déjà vu』
 『Revelation‐花‐』
 『サムデイ』
 『Owarihajimari‐x-tended ver.‐』
 『Twister‐Original Ver.‐』
 『March On』


■The Musicolors

“Japan MUSIC Game Festival”

 “JGMF 2013”の大トリを務めたのは、初日のラストと同じくThe Musicolors。2日目はセットリストの半分を変え、『GITADORA』から『Shake and Shout!!』や、『ロマンシング サ・ガ3』から『術戦車バトル』が披露された。

 最後の楽曲は、バンドメンバーにバイオリニストの依田彩さんを加えてのハードロックアレンジ版『七英雄バトル』。伊藤さんは演奏にあたり、アレンジアルバムCD『Re:Birth/ロマンシング サ・ガ バトルアルバム』でのジャズアレンジ版『七英雄バトル』が賛否両論だったことや、2月に開催したライブ“One Night Re:Birth”でハードロック版を披露したところ「くやしいことに大ウケ」だったことなどをコメント。『七英雄バトル』の作曲はピアノソロから始めたとのことで、伊藤さんとしてはジャズ調のアレンジにこだわりがあるそうで、少し寂しげに「人気あるんだな……原曲が」と語る一面も見られた。

【出演メンバー】(敬称略)
 伊藤賢治(Key)
 末松一人(Gt)
 吉池千秋(Ba)
 滝山清貴(Dr)
 依田彩(Vn)
【セットリスト】(楽曲名/出展タイトル)
 『Shake and SHout!!』/『GITADORA』
 『Walking Through The Towers』/『パズル&ドラゴンズ』
 『Dragon’s Den』/『パズル&ドラゴンズ』
 『術戦車バトル』/『ロマンシング サ・ガ3』
 『Believing My Justice』/『ロマンシング サガ ミンストレルソング』
 『七英雄バトル』/『ロマンシング サ・ガ2』


 迫力と荘厳さのあいまったハードロック版『七英雄バトル』によって、“JGMF 2013”は大盛況のうちに終了した。なお、JGMF 2013の公式Twitterでは、7月20日に“後夜祭”を開催する(参照1参照2)という告知が行われている他、来年の開催も前向きに検討されている様子も見られる。第1回の開催から非常に盛り上がったJGMFだが、来年以降もより盛大に開催できるよう、ゲームミュージックファンは応援してほしい。

■その他

“JAPAN Game Music Festival” “JAPAN Game Music Festival”
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▲会場に設けられた物販コーナー。『スペース遣隋使』の最終在庫や『Falcom Music Chronicle』セットなど、人気商品は早々と売り切れに。また、各アーティストによる手売りやサイン会なども行われていた。
“JAPAN Game Music Festival”
▲会場には今冬稼動予定の『グルーヴコースター』も設置されていた。スタッフの中には、プレイに熱中しすぎて集合時間に遅れる人もいたとか……。

(C)chara-ani
※一部表記の誤りを修正いたしました(2013/07/04)

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