2013年7月8日(月)
こんにちは。皆さんに『マジック:ザ・ギャザリング(以下、MTG)』のルールや魅力をお伝えするべく電撃MTGで講師を務めていますイズミです。
いよいよ7月19日に『MTG』の最新セット『基本セット2014(以下、M14)』が発売されます。新しいカードはもちろん、古きよき強力カードの再録などもあり、『MTG』にまた1つ、新しい風が吹くことになりそうで、とっても楽しみですね。え~と、最初に言っておくと今回はちょっと長いです。目次を用意したので、気になるところから読んでみてくださいね~。
また『M14』の登場と同時に『MTG』のルールにいくつかの変更が加えられます。ここでは『M14』導入にともなうルール変更について解説するとともに『M14』のポイントや、注目の新カードをレビューしていきたいと思います。それでは、さっそく始めましょう!
『MTG』にはさまざまな“伝説の”カードがあります。トーナメントでよく見かけるのは《聖トラフトの霊》や《戦導者オレリア》などのクリーチャーでしょうか。また、クリーチャー以外にも《束縛の刃、エルブラス》のようなアーティファクトも伝説のカードです。
これまで、伝説のカードは、戦場にただ1つしか存在することができず、同じ名前を持つ伝説のカードが新たに戦場に現れた場合、それらは“レジェンド・ルール”によって、両方とも墓地に置かれていました。レジェンド・ルールで伝説のカードがそれぞれ墓地に置かれることは俗に“対消滅”などと呼ばれていました。
しかし『M14』からの新しいレジェンド・ルールでは1人のプレイヤーが同名の伝説のカードをコントロールしている時のみ、それらのうちどちらかを選んで墓地に置くようになります。
この変更によってあなたと対戦相手は同じ名前を持つ伝説のカードをコントロールすることができるようになります。例えば、あなたが《戦導者オレリア》をコントロールしている時に、対戦相手が《戦導者オレリア》を出しても、新しいレジェンド・ルールがそれらを墓地に置くことはありません。また、あなたが《平和な心》をエンチャントされた《戦導者オレリア》をコントロールしている時に、もう1枚《戦導者オレリア》をプレイして《平和な心》が付けられている方を墓地に置くことができるようになります。
また、今回“プレインズウォーカーの同一性ルール”にも同様の変更が加えられます。これまで同じプレインズウォーカー・タイプを持つカードはあなたと対戦相手、どちらかしかコントロールすることができませんでした。あなたが《記憶の熟達者、ジェイス》をコントロールしている時に、相手が《思考を築く者、ジェイス》をプレイしてきたら、それらは同一性ルールによって墓地に置かれていました。今回の変更であなたと相手は、それぞれ同じタイプを持つプレインズウォーカーを味方につけて戦うことができるようになります。
新しい《戦導者オレリア》を出して《平和な心》がついた《戦導者オレリア》を墓地に置けるのと同じように、プレインズウォーカーについても、たとえば忠誠度が1の《ヴェールのリリアナ》をコントロールしている時に、もう1枚《ヴェールのリリアナ》を出し、古い方を墓地に置くといったプレイも可能になります。
このルール変更で、伝説のクリーチャーやプレインズウォーカーを複数デッキに投入しても使えないなんて状況は減りそうね。今後のデッキ構築にも影響がありそうです。
これまで、構築戦のトーナメントでは“メインデッキは60枚以上、サイドボードは0枚か15枚”とルールによって定められていました。今回、ここにも変更が加わります。まずサイドボードの枚数が15枚までになります。サイドボードは0枚でも、10枚でも、15枚でも構いません(15枚使った方がいいのはもちろんですが)。また、ゲーム間のサイドボードとの入れ替えも入れ替え後にメインデッキが60枚以上、サイドボードが15枚以下ならば、枚数を自由に入れ替えられるようになりました。
今後は、例えば“メインデッキ60枚、サイドボード15枚のデッキ”を、サイドボード後に“メインデッキ65枚、サイドボード10枚”という具合に変更することができます。この変更は、デッキ構築自体にそこまで大きな影響をおよぼすものではないと思いますが、大会などで時々あるサイドボードの入れ替え枚数ミスによるペナルティをなくすことができます。トーナメントに参加するプレイヤーにとっては、うっかりミスによる負けをなくせるので、うれしい変更なのではないでしょうか。
これ以外にも、いくつかの細かい変更があります。ここで紹介したものも含めて、すべてのルール変更については公式サイトのコラムで詳しく説明されているのでチェックしてみてください。
続いて、カードレビューに移る前に『M14』で取り上げられている大きなメカニズムについて軽く説明しておきたいと思います。
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記事内イラスト:うさ城まに
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