2013年7月12日（金）
なぜ『ケツイ』をPS3で出すのか？ 全一スコアラー鷺岡さんによる特典BD秘話も飛び出した『ケツイ ～絆地獄たち～ EXTRA』インタビュー
MAGES.のゲーム＆音楽ブランド・5pb.より7月25日に発売されるPS3用ソフト『ケツイ ～絆地獄たち～ EXTRA』。本作に制作に携わった盛政樹プロデューサーと鷺岡 潮ディレクターへのインタビューをお届けする。
『ケツイ 絆地獄たち』は、2003年にアーケード用としてケイブよりリリースされたSTG。2010年には『ケツイ ～絆地獄たち～ EXTRA』としてXbox 360版が5pb.より発売されている。
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『ケツイ』という、ケイブ製STGの中でも硬派かつ高難度のSTGをなぜPS3で発売することになったのか？ 今STGをリリースしようとする盛プロデューサーの意図は？ そこにはSTG業界を活性化させたいと考えるプロデューサーの思いがあった。
■“PS3で”というよりも、幅広くSTGタイトルを出していきたかった
――それではまず、『ケツイ』をPS3で出すことになった経緯について教えてください。
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| ▲本作のプロデューサーを務めるMAGES. 盛 政樹さん。 |
盛政樹さん（以下、盛）：私はこれまで、Xbox 360のゲームをメインに作ってきましたが、国内市場的にXbox 360だけでタイトルを出すことが若干厳しくなってきました。
STGはXbox 360のほうが多く発売されていますので、STG好きの方はなるべくXbox 360だけに集まって欲しいと思うでしょう。しかし、ハード的に情勢が厳しくなってくると、STGを盛り上げたいと思っていても、ユーザーの絶対数からなかなかジャンルを広めていくのが難しい、下手するとマイナスイメージすら与えかねないというのがジレンマとしてありました。
ですので、もっと広い層にシューティングをアピールするために、PS3にもSTGタイトルを出していきたいと思ったわけです。今までPS3で純粋なSTGはなかなか出ていなかったので、これからPS3……だけに限らず、SCEさんのハードというくくりで定着させていきたいなぁと思っています。
STGが気になっているけれど、Xbox 360を持っていないという方に少しずつ浸透させていきたいんですよ。ハードがどうこう、売り上げがどうこうよりも、まずSTGをもっと広めるというのが一番大きな狙いです。
――今回、なぜ『ケツイ』を選んでPS3で出そうと思ったのでしょうか？
盛：弊社から出せるSTGというと、『ケツイ』の他にはオリジナルタイトルの『バレットソウル』などがあります。『バレットソウル』は、見た目は2Dなんですがグラフィックは3Dで作っていまして、移植の際にわずかではありますが研究期間が必要なことがわかりました。とりあえずステップアップとしては『ケツイ』のほうがやりやすかったというわけです。
――Xbox 360版の『ケツイ』が発売されてから、もう3年くらいが経っていますが、今の時期に出そうと思ったのはなぜでしょうか？
盛：逆になぜ3年もの間にPS3で出さなかったのか、という点について、理由としてはいくつかあります。『ケツイ』が発売された当時、本作をやるためだけにXbox 360を買ったという方が結構いらっしゃったんですね。なので「PS3で『ケツイ』が出るなら、Xbox 360は買わなかったのに」と思う方もいたかもしれない。ですので、すぐに移植をしてしまうのは問題があるとは思っていました。
では、PS3とXbox 360で同時発売じゃなかったのはなぜか、というと、そのころはマルチプラットフォームでの発売というのは、まだ主流ではありませんでしたし、何よりも僕らの開発ラインでは同時に作ることができませんでした。僕の開発ラインは最近のゲーム開発現場と比べるとかなり小規模で作っているもので……。
そういうわけで、Xbox 360版を購入してくださったユーザーさんに配慮して期間を空けているうちに、今度は開発ラインが『バレットソウル』に取り掛かってしまったので動くに動けなかったんです。あとは、ケイブの浅田さん（浅田誠プロデューサー）との親交がありますので、『ケツイ』なら話を持っていくのが早かったという点もあります（笑）。
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