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2013年7月16日(火)

『ライトニングリターンズ FFXIII』は予想の遥か上をいく完成度! ゲームデザインディレクター阿部雄仁氏インタビュー

文:Rusty

 スクウェア・エニックスが11月21日に発売予定のPS3/Xbox 360用RPG『ライトニングリターンズ ファイナルファンタジーXIII』。本作の開発スタッフへのインタビューをお届けする。

『ライトニングリターンズ ファイナルファンタジーXIII』

 本作は、『ファイナルファンタジーXIII』の主人公・ライトニングをプレイアブルキャラクターとして復活させた、ライトニングシリーズの最終章となる作品。よりアクティブでフリーなスタイル実現すべく、バトルシステムや世界観などのあらゆる要素を刷新している。ライトニングを“魅せる”というポイントにおいて、徹底的にこだわって制作中だ。

 お話をお聞きしたのは、『ライトニングリターンズ ファイナルファンタジーXIII』のゲームデザインディレクターを務める阿部雄仁氏。この記事では、『電撃PlayStation Vol.546』にて連載が始まった、『ライトニングリターンズ FFXIII』を作り上げたスタッフたちにスポットを当てたインタビュー企画第1弾の全文を掲載する。

『ライトニングリターンズ ファイナルファンタジーXIII』 『ライトニングリターンズ ファイナルファンタジーXIII』 『ライトニングリターンズ ファイナルファンタジーXIII』

■新たな作り方が実現した、想像を上回る完成度

『ライトニングリターンズ ファイナルファンタジーXIII』
▲『ライトニングリターンズ FFXIII』ゲームデザインディレクター阿部雄仁氏。ゲームシステムの根幹部分を取り仕切っている本作のキーマンだ。

――阿部さんの今作での役割は、ゲームシステムのデザインとのことですが、具体的にはどのような作業をされているのですか?

 今回はバトルからフィールドの時間の仕組みといった基礎デザインをして、出来上がってきたものを調整しています。イメージとしては“上流で作業を流して下流で受け止める”といった感じでしょうか。出来上がるまでは各スタッフからの質問に応答することがメインだったのですが、今は出来上がってくるものを受け止めている最中なので、実作業に追われています。

――本作の舞台となる“ノウス=パルトゥス”は4つの大陸で構成されていますが、それぞれの大陸ごとに個別のチームが違った遊び方やテーマを考えられたと伺っています。そういった各チームへの指示なども行っていたのですか?

 最初に基本的な「ここは守ってください」という話をして、あとは任せています。仕上がってきた時に、今回のルールでわかりにくいところはチェックして修正していくんですが、それ以外はお任せという感じですね。一番最初は、僕が提示したルールがきつく効いていたのか、意外と似通ったものが上がってきたんです。そこで一度話し合って誤解を解いて、それ以降はチームごとに自由なものが出来上がっていきました。

――阿部さんが最初に決めたルールとは、どのようなものだったのですか?

 時間のルールであったりとか、そこに対するライブ感覚みたいなものですね。例えば最初に“時間によって扉が開閉して、行ける場所に制限ができる”という例を出したのですが、実際は扉の開閉が重要というわけではなく、“時間によって変わるものがある”というところが重要だったんです。でも、例のイメージが強かったのか、出来上がったものは、あちこちで扉が閉じるようになっていて……。なんでこんなに進めないんだろうというくらい、歩き回るのが大変なゲームになっていたんです(笑)。もちろん、この辺はすでに調整していて、時間で行けなくなるような場所は減っています。

――時間によって行き先が限定されてしまう、パズルゲームみたいな感じだったのですか?

 そういうところがあってもいいのですが、全部がそれではダメなんだよな、みたいな(笑)。ただ、やっぱりスタッフとしても、一番最初に僕から出たルール以外のイメージが、すごく抽象的なものだったので、おそらく具体的な例のイメージに飛びつかざるをえなかったんだと思います。これはスタッフの責任というより、僕の意志疎通の仕方が問題だったと思います。

――今までとは違うかかわり方だったようですが、それによる苦労などはありましたか?

 システムの仕組み自体は最初にイメージがあったのですが、それは尖りすぎているというか、ユーザーさんから見たら、つらくてプレイをやめてしまうだろうなというところがありました。そこからソフトにしていく部分と、メリハリを効かせる部分を調整していったんですが、その過程でちょっと僕の手から離れた感があって、上がってきたアイデアの段階でよいのか悪いのかがわからなった時期があったんです。でも、見せたい部分はここだというのは、それぞれのスタッフが提示してくれているし、最初に決めたルールからは外れてはいなかったので、とりあえずは任せてやってみたんです。

 そうして2012年の年末から今年の3月の間に全体をつなげてみたところ、最初の想定と違っていたけど、何かいいものができたんです。自分が予想していたものと違う方向だけど、その上を行ったという感触がありました。あとは、それらを磨く作業をしている感じですね。

時間の流れるシステムとフィールドへのこだわりとは!?→(2ページ目へ)

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