『ライトニングリターンズ FFXIII』は予想の遥か上をいく完成度！ ゲームデザインディレクター阿部雄仁氏インタビュー

文：Rusty

■大きく進化したバトルの真髄!!

――バトルについては、見た目は大きく変わらない感じですが、これまでとはまったく違うものになったという印象ですね。

　感覚的にはそういう印象になるのではないかと思います。『FFXIII』のバトルがベースではあるので、攻略の時の考え方は基本的には同じなんですけど、それをボタンを押したら攻撃、攻撃がきたらガードと、よりわかりやすくした感じですね。

――今までの『FF』シリーズにはなかったリアルタイム感ですね。

　そうですね。でも実際に戦っていくと、わりと普通のRPGの感覚で遊べると思います。ただ、リアルタイムで動かせると、人によっては“相手のこのモーションの時に攻撃をよけて……”といったことまでやりたくなったりします。そういうこともできるのを前提に調整しているので、うまい人はすごく華麗にプレイできるのではないでしょうか（笑）。お陰でバトルの幅はかなり広がりましたね。

――ノックアウトはブレイクに代わるシステムですか？

　基本となる部分はブレイクの延長なんですけど、一発でダウンさせることができる仕組みも兼ね備えるようにした、という感じですね。

――相手のHPゲージ部分に波打つノックアウトウェーブを、この形にした理由はなんだったのですか？

　何かしら攻撃すれば、あの波は発生するようになっています。弱点を攻撃すると波形が大きく波打つので、それで弱点がわかるのと、ノックアウトまでを色や波の動きの変化で知らせること、あとは攻撃がヒットして効果が出ましたというのを確認できます。この形にしたのは、ノックアウトまでの過程を、数字やゲージではなく波の速さや大きさなどの雰囲気で伝えようとしたかったからです。なにぶん画面内に表示される要素が多かったので、これ以上、細かく確認する要素を増やさないための試行錯誤の結果です。

――部位破壊の要素もあるようですが、これも当初から予定していたものだったのですか？

　ノックアウトの要素を決めた時に、敵によっては壊れる要素を何かしら入れましょうと相談を始めたんです。前作でも形態変化する敵はいましたが、ブレイクした時に形態変化する敵のほうがおもしろかったので、そういうのが増やせるといいなと。

――ちなみに尻尾を斬るのは後ろからの攻撃で？

　はい、尻尾を斬るのすごい難しいですね（笑）。バトルでは基本的に向き合いになるので、ダウン中くらいにしか後ろへ回れなかったりします。あとは、先ほどのGPでできることの1つに、自分の変わりに攻撃を引き付けてくれるダミーを発生させるという魔法があるので、これを使うという手もあります。

――部位破壊できる敵の種類は、どのくらいですか？

　ドラゴンなどの大きめの敵を含めて、全体の4分の1くらいですね。シリーズの既存モンスターにも多少は仕込んでいます。

――部位破壊したときのメリットというのは？

　大概がドロップアイテムの変化ですが、敵が弱くなるので倒しやすくなったりします。ベヒーモスなら剣が折れて、攻撃力がダウンするとかですね。

――GPの効果としては、他にどのようなものがありますか？

　まず、本作ではケアルが普通のアビリティにはなくて、GPの効果の1つになっています。回復したければGPを使って、という形になります。その中には自分が倒された時のためのレイズとかもあったりします。なので今回は、回復したければGPを使うか、限られたアイテム枠の中にポーションを入れておくかとなります。時間を止めるためにGPを使いたいなら、回復は節約するとか、その辺もいろいろと考える必要があります。

――ということは、ケアルはそんなに使えない？

　一応、バトル終了時にGPが増えるので、ある程度は戦って回復して、という流れはできるようにしています。強い敵だと得られるGPも多いので、ずっと戦っていて、そろそろHPが減ってきたなという時に強敵を倒しにいってケアルガを使う、といったことも慣れてくればできると思います。いわゆるバトルコマンドは打ち放題なんだけど、回復には制限がかかっている感じですね。

――ダミーではなくて、仲間として一緒に戦うキャラは登場しないのでしょうか？

　場合によっては2人になるとか、ポイントでは一緒に戦うキャラというのはいます。その場合はオートで行動してくれます。なぜ最後まで連れていけないのか、というくらい有能だったりしますが、なぜ有能なのかについては、もちろん理由があります。

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• 『ライトニング リターンズ ファイナルファンタジーXIII』公式サイト