2013年7月25日(木)
――ここからは具体的なゲームプレイについてお聞きしますが、本作ではアルチョムが右手に持ったクリップボードのメモで、ミッションの目的をプレイヤー自身が確認するというのがユニークですね。
前作もそうなのですが、『メトロ』シリーズではゲーム的なUI(ユーザー・インターフェース)を徹底的に排することで、作品世界への没入感を高めるというのが、重要なテーマの1つになっているんです。なにしろ暗闇でボードを確認するには、左手でライターを点けて照らさなければいけないというこだわりぶりですから(笑)。そういった面倒な操作をあえてプレイヤーの皆さんに実行してもらうことで、主人公へのなりきり感を高めるという演出になっているんです。
――暗闇を照らすライトを使い続けるとバッテリーが切れてしまい、暗くなるたびに手動の充電器を回して充電しなければいけないのも、そのためですね?
その通りです。暗いトンネルの中を心許ない明かりで進んでいって、ライトが暗くなってきた時にちょうどミュータントの大群と遭遇してしまったら一大事! バッテリーは充電しなくちゃいけないし、銃弾を撃ち尽くしたらリロードしなければいけないしでパニックになるというのが、ある意味、このゲームの醍醐味だと思います。
また、工夫次第でアイテムをいろいろな用途に使うことができます。今作で初登場した“スパイダー・バグ”というミュータントがいるのですが、これは銃弾が効かない代わりに、ライトで照らすことで致命傷を与えることができます。
同様にライターも、小さな明かりとしての役割だけでなく、たいまつに火を点けたり、トンネル内に張ったクモの巣を焼いたりと、さまざまな用途で使うことができます。それだけでなく、ライターの炎や煙は空気の流れによって揺れ動くので、それを観察することでトンネルの出口の方角を知ることもできるのです。これなんかは、普通にプレイしているだけでは、なかなか気づかない使用法ですね(笑)。
――たしかにそうですね(笑)。ゲーム的ではないUIによる没入感という意味では、防護マスクを着けて地上を探索するという重苦しい緊張感というのは、このゲームでしか味わえない独特なものですよね?
地上での探索は、本作のサバイバル感が凝縮されている部分ですね。呼吸でマスクが曇ったり、戦闘で血が飛び散ったりすると、いちいち左手で拭かないと前が見にくくなるといったあたりも、“こだわりのひと手間”です。地上を探索する際には、あえて寄り道をして予備のフィルターを探していかないと、活動できる時間としてはけっこうギリギリなんですよ。かといって探索に時間を掛け過ぎると、それはそれでフィルターの残量が足りなくなるというジレンマがありますね。
プレイが進むと、アルチョムが1人で地上の沼地を通り抜けて、目的地に向かうというステージが出てくるんですが、そこは特にサバイバル体験が濃密ですね。道に迷って時間が掛かると、日が暮れて周囲が真っ暗になっていくので、不安や恐怖が倍増していきますよ。
→NPCのセリフもお聞き逃しなく!
臨場感を高めるためのローカライズの工夫とは?(3ページ目へ)
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