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2013年8月10日(土)

今だからこそ『NOeL NOT DiGITAL』が熱い! リアルタイム恋愛SLGの先駆けをレビュー【思い出ゲーム特集】

文:おかゆごはん

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■女の子との会話のためならトイレすら我慢せよ! これがリアルタイム進行だ!!

 ゲーム進行のメインは、テレビ電話での女の子との会話です。話している途中に流れてくる“会話ボール”をストックし、会話の切れ目などにそれを投げかけていく。すると、それに反応した女の子がその会話ボールの内容について話し始め、さらに会話ボールが……という流れで進行します。この会話ボールの投げかけで、親密度がアップしていくんです。

『NOeL NOT DiGITAL』 『NOeL NOT DiGITAL』 『NOeL NOT DiGITAL』
▲会話する→日付を進める→会話する、というのが基本的な流れ。近未来的なシステム画面がカッコイイ!

 本作はリアルタイムで進行するので(日時のスキップは可能)、もちろん女の子たちとの会話もリアルタイム、そしてノンストップ! 会話を続けたければ、あらゆる欲求をガマンして会話ボールをキャッチ&リリース! トイレに行ったり、他のことに目を奪われたりして会話ボールを見逃したら、相手にテレビ電話を切られちゃいます。実際にこの記事を書くにあたり15年ぶりに本作をプレイしましたが、2本ほど仕事の電話をスルーしました。恵壬ちゃんのほうが大事!

 またその会話に至るには、まずこちらから電話をかけなければいけません。時々女の子から電話がかかってくることもありますが、こちらが行動しないと音沙汰なしということも。女の子に電話をかけるなんてゲームでは容易にできるけれど、リアルでは無理だよね……。だって緊張しすぎて息が荒くなってしまい、「変態が電話をかけてきた」と相手の女の子に思われたことがあったし……(トラウマ)。

■アニメーション総セル画枚数は約6,000枚。音声データは合計で10時間超!

 本作はテレビ電話での会話がメインということがあって、キャラクターがとてもよく動くし、よくしゃべります。会話の内容に関しては、“タイミングや的を外した会話ボールを投げた時”以外は同じことをしゃべらないのではないかと思います。ちなみに、的外れな会話ボールを投げると「ふ~ん、そうなんだぁ」のように冷ややかな反応をされます。この反応がリアルです。普段でも、よく言われています。

『NOeL NOT DiGITAL』 『NOeL NOT DiGITAL』 『NOeL NOT DiGITAL』
▲電話ならまだしも、相手に見えている状態でこんなになっちゃうところがまだまだ子どもですなぁ!(超好き)

 会話に被りがないということは、一言も聞き逃せないということなんです。“会話ボールが流れていってしまう”とかそういうことではなくて、もしかしたらとても重要なことを言っているかもしれないじゃないですか! 女の子がすごく真剣な話をしているのに、こちらが「ん? うーん?」みたいな反応したらどう思いますか? 女の子がかわいそうでしょうが!

 たまに届くビジュアルメールでは、90年代後半特有の雰囲気を持つアニメーションが再生されます。発売当時の1996年といえば『エルフを狩るモノたち』や『セイバーマリオネットJ』、『エスカフローネ』ですよ! あの独特の顔の描き方や色使いが好きな人はハマれるはずです。そして、若い世代の子たちにとっては目新しく映るんじゃないかなぁ。

『NOeL NOT DiGITAL』 『NOeL NOT DiGITAL』
『NOeL NOT DiGITAL』 『NOeL NOT DiGITAL』 『NOeL NOT DiGITAL』
▲運動会や競技会で知る彼女たちの新たな一面。特に恵壬の真剣な表情にはグッとくるんだよな~!

 オープニングも、今見ても遜色のない高いクオリティのアニメーションで作られていて、特に由香が食い込んだ水着を直すところがオススメです! この瞬間にすべての生命力と魂とプライドを詰め込んだかのような、日焼け跡の描写、そして水着のシワ感。このシワ感がですね、水着なのに下着っぽく見えるというマジックを演出していて、若かりし頃は悶々、そして今もやはり悶々とするのですよ!

『NOeL NOT DiGITAL』 『NOeL NOT DiGITAL』
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『NOeL NOT DiGITAL』
▲この尻がね、本当に悶々とさせるんですよ! 中学生でしたからね、そりゃもうアレです、アレ。

■“DIGITAL”な“NOT DiGITAL”

 本作のようにリアルタイムでゲームが進行し、日常とシンクロするという作品は今でこそ当たり前になりましたが(最近だと『ラブプラス』や『シェルノサージュ』など)、当時としてはまだ珍しく、思春期の自分にとっては現実と混同してしまうほどの代物でした。ただ惜しむらくは、PSに時計機能が付いていないところ! まぁ、現実の時間とゲーム内の時間を毎回設定しなおせば、恵壬ちゃんは私と一緒の時を過ごすことになるのでいいのですが!

 キャラクターやこの独特なシステムに、もし“グッと”きたらプレイしてみてください。主人公はしゃべりません。なぜなら主人公はあなただから。そんなあなたとずっとしゃべるうちに、女の子がこちらを好きになり、あなたも女の子が好きになるはず。ちなみに会話ボールを投げる時に、実際にそれっぽく自分もしゃべるとおもしろいです。独り言じゃないよ……これは!

 システム的にいえば、会話ボールに親密度パラメータが振ってあり、それを一定数ためた状態でクリスマスを迎えるとクリアとなります。でもそんなに“ゲームらしく”やらずに、聞きたいことや女の子が聞かれたいだろうなと思うことを投げていくのがいいと思います。なんたってタイトルにあるように“NOT DiGITAL”ですからね!

『NOeL NOT DiGITAL』 『NOeL NOT DiGITAL』
▲たまにしか見せないレアな反応を見ると、またちょっと好きになってしまうから注意!

【思い出よみがえりゲーム特集『NOeL NOT DiGITAL』アンケート】

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データ

▼『NOeL NOT DiGITAL』(ゲームアーカイブス)
■メーカー:ハムスター
■対応機種:PS3/PSP(ダウンロード専用)
■ジャンル:SLG
■配信日:2009年12月24日
■価格:600円(税込)
▼『NOeL NOT DiGITAL』
■メーカー:パイオニアLDC
■対応機種:PS
■ジャンル:SLG
■発売日:1996年7月26日
■価格:6,800円(税込)
 
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