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2013年8月10日(土)

『MIND≒0』は本当に“未完”なのか!? ソフト発売から1週間後、開発元にネタバレありの緊急インタビューを敢行!

文:まさん

 アクワイアより、8月1日に発売されたPS Vita用ソフト『MIND≒0(マインド/ゼロ)』。現実世界である“物質界”と、裏の世界である“狂精神界”という2つの舞台で、特殊な能力を持つ“MIND使い”と、彼らを取り巻くさまざまな組織の思惑が交錯するストーリーを描いたRPGです。

『MIND≒0(マインド/ゼロ)』

 発売から約1週間が経過した現在、謎の多い世界観設定や、複数の組織を絡めた複雑な人間関係もあり、ネット上ではゲームをプレイしたユーザーから賛否の意見が飛び交っています。というところで、本作の開発元であるゼロディブに緊急インタビューを敢行! “ミスターゼロディブ”こと、代表取締役社長の原神敬幸さんにお話を聞いてみました。

■この世界の出来事のどこまでを1つの物語の“完結”としてとらえるか

『MIND≒0(マインド/ゼロ)』
▲ゼロディブ代表取締役社長・原神敬幸さん。

──まず始めに、『MIND≒0』の購入を現在検討されている方が一番気になっているところだと思いますので、ストレートにお聞きします。ネット上のレビューなどで、“未完である”との意見が一人歩きしてしまっている感がありますが、実際のところどうなんでしょう?

 “未完”というのもとらえ方の1つだと思いますが、物語を“どうとらえるか”しだいで変わってくると思います。『MIND≒0』は、私たちが生きる現代に限りなく近い世界でありながらも、あくまで空想の世界を舞台としています。

 今この瞬間、どこかで起きている事件・怪異現象は、なぜ起こったのか? ニュースで報道されている以外の、何か別の理由があるのではないか? 理屈で説明できない原因、例えば、“MIND”という別世界からの来訪者の仕業だったとしたら?

 そんな世界の裏側の一端に遭遇した主人公“小鳥遊慧”と仲間たち。そして、作中で起こるさまざまな事件の要因であった“西園寺燈月”とその同志たち。自身の計画遂行のために雫を攫った燈月。その手の内から雫を取り戻し、計画を阻止した慧。対“燈月”を描いた『MIND≒0』はここで完結を迎えています。

『MIND≒0(マインド/ゼロ)』

 ただし、今回登場した慧や燈月たち以外にもMIND使いは存在しており、そういった意味ではまだまだ“MIND”を取り巻く事件は“未だ完結していない”……つまり“未完”だととらえることもできると思います。

──なるほど。慧たちのあずかり知らない場所で起きている、世界のもっと裏側の部分まで知りたいと思った人にとっては、“まだ終わっていない”となるわけですね。

 そうですね。なので、『MIND≒0』をプレイしていただいた方の心の中には、ゲーム中のいくつかの謎が残ったままかと思います。それらの謎について、この場をお借りして解説していきたいと思います。

──よろしくお願いたします。では、設定や謎の部分の話に入る前に、まずは本作の開発の経緯から教えてください。

 自分自身も憧れている別世界と、そこにある特殊な能力。それらを表現し、皆さんとも共有ができたらいいなぁ……と。でも、単純に言ってしまうと、格好いいものが作りたくて(笑)。

 これまで、『ととモノ。』(『剣と魔法と学園モノ。』)シリーズのような、どちらかと言うと明るく、可愛らしいビジュアルのものを制作させていただくことが多かったのですが、それらとは趣向を変えた格好いいものを作ってみたい、という単純なところから、妄想を膨らませていってという感じです。

『MIND≒0(マインド/ゼロ)』

──キャラクターや世界観の設定は、最初からシナリオのくしまちみなとさんが考えられているのでしょうか。それとも、ゼロディブさんが先行して作られたのでしょうか?

 格好いいものと一口に言っても、いろいろな格好よさがあるので、その中でも「現代ものでダーク・ミステリアス要素を含んだものを作りたい」と、くしまち先生にご相談させていただきました。

──これまでの作風とはまったく異なる、現代もののダンジョンRPGということで、苦労されたところなどはありましたか?

 初めての現代ものという点で、悩んだ部分はたくさんありました。現代、ということで、まず「今風って、なんだろう?」というところから始まりました。流行というのは、厄介なことに制作期間中も常に変わっていくので、その流れにスタッフが乗る事、その上で意識統一をするという事が非常に大変でした。

 さらに、シリーズを重ねてある程度スタッフ皆が大前提(ベースとなる世界観やシステム)を理解しているならまだしも、新作ともなれば、その大前提を考え、決めていくところから始まるのです。そうなると、意識統一はなおさら難しく、お互いの考えを伝えたくても、抽象的な例えになってしまい、なかなか上手く相手に伝わらない……ということ事も多くありました。そんな時は、根気よく話し合ったり、話すだけでは足りないならと実際に図を描いたりもしました。

 あとは、これは余談になりますが、『ととモノ。』に比べ、基本的に真面目モードでストーリーが進行しますので、制作中も慧たちのシリアス具合につられてしまいまして。「慧の得意料理は肉じゃが」、「紗菜は照れると前髪を触る癖があったら可愛いんじゃないか」、「獅子の変な通販グッズの名前、どうする?」、「獅子の変なヒーロー名、どうする?」……などのコミカル要素も大真面目に考えて話し合っていました。

 ところどころに挟まれる、コミカルな小話の時に、なんだかほっとした……という意見が出始めたのは、実際にボイスが入るようになり、実際の掛け合いが見られるようになってからだったように思います。

──MINDを出し入れすることがカギとなるバトルシステムがユーザーに好評ですが、このシステムはストーリーや設定ができてから誕生したものなのでしょうか? それとも、システム先行で物語を考えられたのでしょうか。

 MINDと呼ばれる、自分の対(つい)となる相棒的存在と協力して戦う、という大きなコンセプトは企画当初からありました。MINDという特別な存在を手に入れたキャラクターが、MINDを得たことによって、どんな“特別”を手に入れたのか。世界観設定から来るMINDの定義と、システム設計から来るMINDの戦略性を掛け合わせていった結果、このバトルシステムができあがりました。

『MIND≒0(マインド/ゼロ)』 『MIND≒0(マインド/ゼロ)』

→ここから先はネタバレ要注意! 世界の裏に踏み込む覚悟はOK?(2ページ目)

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データ

▼『MIND≒0(マインド/ゼロ)』(ダウンロード版)
■メーカー:アクワイア
■対応機種:PS Vita
■ジャンル:RPG
■発売日:2013年8月1日
■希望小売価格:5,300円(税込)
▼『MIND≒0(マインド/ゼロ) ザ・コンプリートガイド』
■発行:アスキー・メディアワークス
■発売日:2013年8月8日
■定価:1,995(税込)
 
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