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2013年8月20日(火)

『ドラッグ オン ドラグーン3』小説をレビュー。読めば読むほど意味深な問題作を考察(ややネタバレあり) 【電撃DOD3】

文:タダツグ

『ドラッグ オン ドラグーン3』

 スクウェア・エニックスが10月31日に発売する、期待のPS3用ダークファンタジーARPG『ドラッグ オン ドラグーン3』。発売が待ちきれなくて、うずうずしているファンの方も多いことでしょう(かくいう私、TDBもその1人)。

 現在、そんな『DOD3』の公式サイトでは、物語のカギを握るキーパーソンである“ウタウタイ”たち1人1人にスポットを当てる、サイドストーリーが掲載されています。

 物語を手掛けるのは、『ドラッグ オン ドラグーン』シリーズのノベライズやコミック原作を手掛ける小説家・映島巡さん。8月19日時点では、ゼロ、ファイブ、フォウ、スリイの4人の物語を読むことが可能です。

 せっかくの機会ですので、今回は僕がこの4編を読んで感じたもろもろや、登場人物について抱いたイメージや予想についてを、ネタバレになり過ぎない程度に書き起こしてみました。学生の時以来ですね、読書感想文って(笑)。

『ドラッグ オン ドラグーン3』
▲ゲームの前日譚ともいうべきこれらのサイドストーリーには、ウタウタイたちに付き従う使徒たちの描写もあり。読みごたえがあります。

■ゼロ──終わりの雨と始まりの花

『ドラッグ オン ドラグーン3』

 “薄紅”と呼ばれる女性が世界を呪う物語。劇中には、この薄紅がゼロであることを明言するシチュエーションはありませんが、ヨコオタロウ氏のTwitterなどで、この物語がゼロの過去を描いた物語であることは明かされています。壮絶……なんて言葉では言い表せないゼロの過去が描かれていて、読み終わった後は、正直なんとも言えない苦い味が口の中に広がりました。でも、これこそが『DOD』であり、映島節でもある気もしつつ……。

 薄紅が患った病や、最後の花に関する描写などは、実は『DOD3』の物語の核心に触れる部分なのでは……などと邪推してます。現状公開されているタイトルの中では唯一、キャラ名とタイトルが“──”で繋がれているのも気になるところ。非常に綿密な伏線を張る映島さんのことですから、きっと意味があるに違いない(憶測)。

『ドラッグ オン ドラグーン3』
▲まったく関係ないお話ですけど、映島さんの処女作である『ZERO』の主人公の名前も“ゼロ”でしたよね。奇妙な縁というか、これも何かの伏線……なわけないですよね(笑)。


■ファイブ My Favorite Things

『ドラッグ オン ドラグーン3』

 ウタウタイ姉妹の六女・ファイブの日常を描くエピソード。彼女に関する情報が公開された段階で、かなりふしだらで強欲な性格だとは紹介されていましたが、まさかこれほどまでとは……。ディトとの会話シーンなどは、なかなかに読みごたえがありました。

 個人的に、六女でありながら、姉妹の中で一番豊満なボディをしている(ように見える)ファイブだけに、性格もお姉さま系なのかな……なんて思い込んでいた僕が浅はかでした。物語を読むと、そんな表面的に抱いた印象はガラリと変わりましたからね。肉体と精神の熟すスピードが違うというのは、なんとも罪深いものです。ゲーム本編の頃にはどうなっているものやら。

『ドラッグ オン ドラグーン3』
▲ファイブのボイスを担当する声優さんはまだ明かされていませんが、どなたが演じられるのかがめちゃくちゃ気になります。僕はあえて、上から目線なお姉さま系の声が似合いそうだと言ってみます(願望)。


→フォウとスリイの小説にも数々の注目点が!(2ページ目へ)

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