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2013年8月20日(火)

『ライトニング リターンズ FFXIII』開発スタッフインタビュー第3回。『サガ』シリーズ開発経験者も唸った自由度の高さとは?

文:Rusty

■これまでの『FFXIII』シリーズにはなかった自由度の高さ

――各大陸のユニットリーダーというのは、どういった作業を行っていたのでしょうか?

進藤:私の場合ですと、レベルデザインや街の住民の配置などを行っていました。他にはバトルがどこで行われるか、などですね。『ライトニング リターンズ ファイナルファンタジーXIII』では、ルクセリオ、ユスナーン、デッド・デューン、ウィルダネスという4大陸があり、最初にディレクターの鳥山求のほうから、ルクセリオだったら宗教都市で、ゴシックベースの街という要素を押さえていれば、あとは好きに作っていいという話がありました。ある程度制作が進んで形になってから鳥山と詰めて、またゲームデザインディレクターの阿部雄仁とワールドドリブンという要素をどういう形に詰めていくかという作業を行っていきました。

石原:ユニットリーダー4人の中には、バトル担当の者とレベルデザイン担当の者とがいるのですが、進藤と自分はレベルデザイン側になりますね。マップにキャラを置いて行動を設定したりとか。

『ライトニング リターンズ FF13』 『ライトニング リターンズ FF13』

――鳥山さんと阿部さんのお2人から細かな指示があったと思いますが、鳥山さんからは大陸のイメージ的な指示で、阿部さんからはゲームの内容的な指示という感じだったのでしょうか?

石原:鳥山からは大陸のコンセプトというか、1本こういう柱を提示するから、それにそって広げてほしいという感じの指示でした。阿部からは大陸の内容というよりも、ゲームの遊び方の部分で指示がありましたね。

進藤:去年の5月くらいに、自分や石原を含めた4人のユニットリーダーが集まって、阿部からはワールドドリブンの大まかな要素、鳥山からは大陸ごとのイメージが伝えられました。そして、これについて1カ月間ほど、企画担当に限らず、いろいろな職種のスタッフを集めてアイデアを出し合って、コンセプトを詰めていきました。そこからさらに、ユニットごとで、それぞれの街でどんなことをしたいかを話し合い、まとまった内容についてのコンペを4つの大陸ごとに行いました。

――ちなみにどのタイトルも、毎回こういった制作スタイルなのですか?

石原:ユニット単位で作業を分けるということはありますが、企画初期の段階からユニットごとに分かれてアイデアを出し合うというのは、自分の経験では今回が初めてでしたね。

進藤:すごく初期の段階で、阿部からワールドドリブンについてや、『ライトニング リターンズ FFXIII』ではこういう風に遊んでもらいたいという基本となる部分がしっかりと提示されていたので、アイデアは非常に出しやすかったですね。

――『ライトニング リターンズ FFXIII』では舞台となる4つの大陸がきっちり分かれていて、それにあわせて制作側もユニットに分かれ、ユニットごとに独立して作ったわけですね。

石原:はい。基本的には、それぞれの担当ごとに独立して自分の大陸を作るようになっていました。ただ、連携がしっかりしていないと、ネタがかぶってしまうことがあります。そこはユニットリーダー間で話し合って、ユスナーンだったら夜の部分に力を入れるので、こちらの大陸では昼をメインに考えましょうというような切り分けに気を使って進めました。

進藤:毎朝、鳥山とユニットリーダーが集まって状況報告をして、指示を受けながら修正していった時期もありましたね。

――大陸ごとにテーマが異なるということですが、それはどうやって決まったのですか?

進藤:一番最初に鳥山からそれぞれのコンセプトが伝えられました。例えばルクセリオだったらサスペンスやミステリーにしたい。ユスナーンだったらスパイ的な潜入ものに。ウィルダネスだと大自然、デッド・デューンは迷宮探索といった感じですね。

『ライトニング リターンズ FF13』 『ライトニング リターンズ FF13』

石原:各大陸の導入と結末は決まっていたのですが、その間の過程や展開などは決まっていなかったので、どう肉付けしていくかというところは、ユニットごとの判断になりました。その辺の詳細が決まったのが、大陸ごとのコンペの段階です。

進藤:そして自分たちが固めた展開にシナリオを付けていくという流れでしたね。

――異なるコンセプトの大陸が4つあって、プレイヤーはどこから遊んでもいい作りになっているんですよね?

進藤:序盤にチュートリアル的な展開はあるのですが、それ以降は自由に各大陸を移動できます。このあたりの自由度は、これまでの『ファイナルファンタジーXIII』シリーズにはなかった部分ですね。

――そうなると、レベルデザインといった点では非常に調整が大変そうですね。

進藤:難しかったです。自分は『サガ』シリーズなどにも参加していて、そういった部分のノウハウを多少なりとも持ってはいましたが、『ライトニング リターンズ FFXIII』には24時間という時間の制限があり、13日後には世界がなくなってしまうというタイムリミット的な要素もあります。その中で4大陸を自由に移動できるので、どのように遊べば楽しいか、それをどのように見せていくかで非常に苦労しました。

『ライトニング リターンズ FF13』 『ライトニング リターンズ FF13』

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