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2013年8月20日(火)

『ライトニング リターンズ FFXIII』開発スタッフインタビュー第3回。『サガ』シリーズ開発経験者も唸った自由度の高さとは?

文:Rusty

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■大陸ごとの特色により4つのゲームを楽しめる感覚

――ルクセリオは、街のいたるところに時計がありますね。

進藤:この街の住民は、残された時間が少ないということに、なんとなくですが気づいています。でも、いつ終わりが来るのかはわからない。せめて残りの時間を意識しようということで、いたるところに時計が置かれています。もちろん、画面右上にシステム的に常に表示される時間とも、ちゃんとリンクして動いています。

上野:時計の数を数えてみるのもおもしろいかもしれませんね。また、ルクセリオは宗教都市ですので、いたるところに聖像があったり、街頭で教えを説いている人がいたりするのも特徴です。お布施をお願いされることもありますが、そこはもちろんプレイヤーしだいです。

『ライトニング リターンズ FF13』 『ライトニング リターンズ FF13』

進藤:ルクセリオは他の大陸と比べて、比較的ベーシックな作りになっています。ルクセリオをベースに、森を多くしていこうとか、この要素を削っていくと他の大陸の特色が出るよねとか、判断の基準にもなっています。また宗教都市ではありますが、ビジネス街などもあって、スーツを着ている人も行き交っています。その他に、街中にはよくカバンが積んであったりします。

『ライトニング リターンズ FF13』

――街で見られるショップやオブジェも気になりますね。

進藤:食堂などのショップでは、購入するとその場で体力を回復することができます。

上野:ネコやNPCなど、さまざまなリアクションを取っているので、見ているだけでも楽しいですよ。本作は時間の要素がありますので、時間帯によって歩いている場所の雰囲気なども変わります。

――頭に吹き出しが表示されるキャラは、話しかけることができるんですね?

進藤:全大陸共通なのですが、話かけることでクエストが発生することもあります。彼らの悩みをライトニングが解決してあげることで、彼らを救済できるというわけです。そうしてクエストを解くことが、ライトニング自身の強化にもつながっていきます。

――建物の描き込みもスゴイですね。いくつか大きな建築物も見えますね。

進藤:ルクセリオのシンボル的な建物の1つが大聖堂です。昼は参拝客や宗教関係者の姿も多く見られますが、夜になると入口は閉ざされて、入れなくなります。

――遠くに見えていた建物がドンドン大きくなっていき、そこにちゃんと入れるようになるというのは、改めて見るとすごいですね。

上野:大聖堂や監視塔などは巨大なので、遠くからでも常に見えています。『ライトニング リターンズ FFXIII』では、行けそうなところにはすべて行ける作りにするというのが、阿部から提示された命題の1つでもあったので、作業的には大変でした。これまでの作り方と違い、見える場所に実際に行けるように、ルートなどを計算して開発したので、作る面積はどんどん増えていきました。

『ライトニング リターンズ FF13』 『ライトニング リターンズ FF13』
▲最初は遠くに見えていた大聖堂。近づくにつれて次第に大きくなり、最終的にはそのまま建造物の中に入ることができる。

――ちなみに入口が閉まってしまい、外に出られなくなるといったことはあるのでしょうか?

進藤:そこは、抜け道があるとか、代わりになる別の施設を利用できるといったデザインにしています。マップには、入口が何時に開閉するいった情報も表示されますので、そこを確認して計画的にプレイしてもらえればと思います。入口の開閉の時間もそうですが、夜にしか聞けない情報を話す人もいます。時間帯によっては、他の大陸で別のことをすると効率よく遊べます。

上野:街の地理も、最初に訪れた時は何がどこにあるのか探り探りの状況だと思いますが、慣れてくると悩みを抱える人物がどこにいるかなども把握できるようになってくると思います。また、クエストなどは解き方が複数用意されているものもあるので、次のプレイでは違った展開を楽しんでいただけたらと。

――続いてユスナーンですが、こちらはどういった街なのでしょうか?

石原:ユスナーンもルクセリオ同様、街を中心とした大陸になります。ルクセリオが宗教都市という固いイメージなのに対して、ユスナーンは享楽の都です。多くの人々が楽しんで暮らしています。面積的にはルクセリオよりひとまわり小さい感じでしょうか。

飯尾:実際の街で例えるなら、モロッコなどの中東の都市といった雰囲気でしょうか。イメージコンセプトはテーマパークです。またこの街は、世界の工場といった機能を担っています。食べ物など作って、モノレールで輸送しているといった一面も持っているんです。

『ライトニング リターンズ FF13』

――ユスナーンでは、何を目的に行動することになるのでしょうか?

石原:ユスナーンではライトニングがスパイとなり、宮殿に潜入する物語が展開します。街の随所に詰所があって、ライトニングの侵入を警戒している親衛隊が襲ってきます。わりと時間制限が厳しい中で、さまざまな行動を要求されるので、ある意味では一番シビアなプレイとなる大陸かもしれません。

――建物のテラスからジャンプで飛び降りて、別の建物の屋根に飛び移るなど、移動の自由度はかなり高そうですね。

石原:結構いろいろなところに行けますよ。闘技場があったり、花火が絶えず打ち上がったりしているのも、この街の特徴ですね。闘技場は比較的早い段階から利用できます。勝敗によって観客の反応が変わるのもチェックしてみてください。

『ライトニング リターンズ ファイナルファンタジーXIII』 『ライトニング リターンズ ファイナルファンタジーXIII』
▲太守の宴のテラスから宮殿を眺めるライトニング。その宮殿も、実際に近づくと見上げるほどの大きさ。
『ライトニング リターンズ ファイナルファンタジーXIII』

――花火が打ち上がったり、お祭りのようなにぎやかな風景だったりと、観光をしているような気分になりますね(笑)。見れば見るほど、これまでの『ファイナルファンタジーXIII』の2作品とは作りが違う印象を受けます。

飯尾:コンセプト自体が違いますからね。今回は背景の作り方も変えています。各エリアの建物や小物などのオブジェクトを作る班と、それを並べる班の2つがあるんです。

上野:オブジェクトは同じものもありますが、その大陸の文化に合わせたデザインになっています。生活にかかわる身の回りのものなどは、だいたい全大陸共通のものが流通していますね。

『ライトニング リターンズ FF13』 『ライトニング リターンズ FF13』

――昼と夜でまったく違う表情を見せるのも印象的ですね。

飯尾:実際に太陽が動いていて、夜はそれが月に変わります。影を見てもらえば、その動きなどで実感してもらえるのではないでしょうか。

――それでは最後に、それぞれの見どころやアピールポイントを教えてください。

上野:『FFXIII』や『FFXIII-2』に比べて探索できる場所が増えています。最初はミッションなどで、あまり気を配れない部分もあるかと思いますので、ゲームに慣れたころに改めて見直していただきたいですね。細かな部分まで作り込んでいますし、新しい発見もあるかもしれません。隅々まで楽しんでいただけたらなと思います。

飯尾:ユスナーンで言うと、夜の表情と昼の表情、享楽の都という顔と、世界を支えている生産設備という裏の顔、それらの差を楽しんでいただきたいですね。

進藤:ルクセリオはもちろんですが、大陸ごとにいろいろな特色があります。それらすべてがノウス=パルトゥスの世界を構成しているので、そこを楽しんでほしいですね。

石原:ユスナーンはとにかく派手に、そして小さくまとまらないようにという点を意識して作っています。イベントもド派手に仕上がっているので期待してください。4大陸それぞれに特色があり、4つの独特なゲームがあると言ってもいいくらいの色を出しているので、そういった部分を楽しんでいただけたらと思います。

『ライトニング リターンズ ファイナルファンタジーXIII』 『ライトニング リターンズ ファイナルファンタジーXIII』
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