2013年8月22日(木)
──ここからは、7人のヒロインについてお聞きしたいと思います。最初は、前作のマヒルから一転して、正統派なヒロイン・フウコですね。彼女は当初のコンセプトだと“ツンデレ枠”だったようですが、印象的なビジュアルの髪型(ツインテール)は、最初から考えられていたのでしょうか?
大塚:当初から、ツインテールの女の子を1人は入れたいと考えていました。今回は全員がメインヒロインなのですが、最初に登場して最も露出が多くなるキャラがフウコなので、シルエット的に華があるほうが映えるかなということで、ツインテールの髪型を持ってきたんです。
──ツインテールだと、ポーズをつけたイラストにも動きがあっていいですね。
大塚:二丁拳銃で戦うということで、ポーズは某SF映画の“ガン=カタ”を意識しています。もう1つのモチーフとして、懐かしのコミック『がきデカ』に出てくるこまわり君の「死刑!」というポーズも……。
齊藤:そのネタは、この記事を読んでいる若いファンにはわからないです(笑)。
──髪の色は、最初からピンク系だったんですね。
大塚:色は変わってないですね。それから、女の子の戦闘服には全員同じモチーフがあります。ゲーム中に星の子が“GASSIN”を使うと、ロボットのような姿の“GASSIN体”に変身するのですが、その女の子版ですね。最初からそれを意識して描いていたので、フウコに関してはビキニからスカートっぽくなったくらいで、初期案からあまり変わっていません。
齊藤:話し合ったのは、“パンツを見せるか見せないか”という部分くらいです。露出しすぎると逆にそそらないと思うので、どこまで見せるのかには、こだわりました。ですから、フウコに関しては基本的に変更なしでした。それに、こちらから特に言わなくても、大塚さん自身がどんどん「このほうがいいよね」と直してくれた部分も大きいです。
──次は、妹系ヒロインのエリィですね。彼女は目の中に星があるのが特徴的ですが、初期案ではまだ描かれていませんね。
大塚:最初は、目の中に星はありませんでした。ですが、物語上で重要な設定が決まったときに、それに合わせた伏線として目の中に星を入れています。ちゃんと意味があって、星を描いているんですよ。
──彼女のコスチュームは戦闘服というよりも、どこか魔法少女っぽいような……。
大塚:それも、とある設定ができた後に追加した要素ですね。最初は魔法少女ではなくて、どちらかというとミリタリー少女でした。
齊藤:全員の武器を銃にするという部分は決まっていたので、持っている武器が銃となると、どうしてもそっち方向に行きがちですね。
──モチーフとしての星は残っていますが、初期案の帽子がなくなっているんですね。ちょっと「もったいない」と思ってしまいました。
大塚:帽子は、初期段階の制服の一部だったんですよ。学年ごとに制服のデザインを変えていたので、その名残です。リボンは「“きゃりーぱみゅぱみゅ”っぽい感じがいい」という齊藤さんの要望で残しました。それと、最初は彼女もツインテールだったのですが、フウコと被ってしまうのでショートカットに変えています。
齊藤:髪の色が奇抜な緑色ですが、これはこちらからオーダーした色ですね。
大塚:母親の髪の色が子どもに反映されるゲームなので、当初から髪の色を明確にしてほしいと言われました。ですから、全体的に奇抜なわかりやすい色になっています。
──前作ではヒロインが12人もいたので、かなり近い髪色の女の子もいましたね。
大塚:今回は全員、違う色になっています。ただ、白と黒をトーリで消費してしまったので、白髪と黒髪の女子が作れなかったんですよ。そのせいで、デザインする時にちょっと困りました(笑)。
──次の女の子はナリカですね。委員長で、巨乳で、立ち絵でも胸が揺れているという、人気が出そうな感じのヒロインですが……。
齊藤:ナリカは、一番時間が掛かったキャラですね。
大塚:顔のデザインはすぐにできたのですが、戦闘服がなかなか決まらなくて。
──確かに、初期案のおっとり系ヒロインだと、今のナリカとは全然印象が違いますね。
大塚:この案の後に、今のナリカに近いデザインが完成して、戦闘服も天使っぽいモチーフということで、羽をつけたデザインにしてみました。ところが、羽は画面に映った時にうるさくなっちゃうんです。モーション班からも、3Dモデルを作った時に動かしづらいのでやめてほしいと言われたので、銃のほうに羽のモチーフを持ってきています。銃はショットガンっぽい感じなのですが、ガシャガシャ動かすと羽の部分も連動して動くという設定があるんですよ。
齊藤:ナリカの戦闘服は、試行錯誤の連続でした。最終的にこちらから出した案は、シルエットを重視して、ローブや法衣のような形にしてほしいというものでした。
大塚:彼女は回復系の僧侶のような役割で、回復の弾を味方に撃って治療するんです。ですから、僧侶のイメージや要素を戦闘服に入れています。
齊藤:初期イメージの天使だと、シルエット的にか細いので、もう少し下に膨れ上がっていく形で、安定感を出してほしいという注文も出したかな? ナリカは明確な方向性がなかなか決まらず、途中で大塚さんのデザインを生かしながら、いろいろ細かく変えてほしいとお願いしていたので、一番時間が掛かったキャラです。
大塚:まあ、単純に巨乳キャラが得意ではないという、個人的な理由が一番大きいのですが……(笑)。
齊藤:僕は巨乳が好きなので、そこのすり合わせが大変だったという(笑)。例えば、本当はエリィも幼児体型だったんですよ。でも、他のヒロインとギャップを持たせたかったので、「ロリな見た目だけど巨乳にしてほしい」とオーダーを入れました。「ちょっと胸をふくらませてくれませんか」と頼んだら、大塚さんは本当にちょっとしかふくらませてくれなくて(笑)。
大塚:ちょっとずつ、ちょっとずつで、「もうこれ以上の増量は勘弁してください」みたいな(笑)。
齊藤:「いやいや、もっとガッと上げてくださいよ」とか言い合ったんですけど、大塚さんが「これ以上は勘弁してください」と言うなら、仕方ないかなあ、と(笑)。
──なんですか、その酷い交渉内容は(笑)。
大塚:幼児体型で胸を大きくし過ぎてしまうと、バランスの悪い見た目になっちゃうんですよ……。だから、これが限界です!
齊藤:大塚さんの幼児体型好きには勝てなかった……。
大塚:あの、誤解されないようにお伝えしたいのですが、こういうところにこだわるのは、二次元限定ですから!
→クロエのデザインコンセプトは“夜のアイドル”!?(3ページ目へ)
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