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2013年8月23日(金)

【まり探】『逆転裁判5』開発者ロングインタビュー後編! 開発初期の甘酸っぱい3Dナルホドくんとは!?

文:まり蔵

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■DLCはマスターアップしても作業が終わない恐怖のコンテンツ……

――『Quiz逆転推理』を収録することになった経緯は? クイズはどなたが考えたのでしょうか?

山﨑:江城プロデューサーが「逆転裁判らしい新しいダウンロードコンテンツを考えてくれ」と言い始めたのが始まりです(笑)。プランナーたちでアイデア出しをしたのですが、アドベンチャーゲームのDLCなんて、ぱっと思い付くのは“ダウンロードシナリオ”ぐらいしかなく、企画がまとまるまでが大変でした。

 最初は、もっとクイズのみを楽しんでもらう内容だったのですが、やはり『逆転』らしい付加価値がほしいというところでシナリオもつくことになりました。クイズは外部の協力会社さんに制作いただいたものを、チームのプランナーがリライトしています。

『逆転裁判5』 『逆転裁判5』

――特別編『逆転の帰還』のシャチは、『逆転検事』でボツになった“あのイルカ”がモチーフなのでしょうか?

山﨑:「あのボツネタを使おう!」と考え始めたわけではないのですが、“水族館”で起こる事件を考えはじめた時に、“イルカに聞き込みをする御剣”のことを思い出してはいました。そういう意味では、あの絵と今回シャチが被告になったことは、無意識の中でつながっているかもしれません。

『逆転裁判5』 『逆転裁判5』

――今回DLCが非常に充実していますが、制作過程で本編とは違った苦労などはありましたか?

江城:今回DLCに関しては、『逆転裁判』らしくかつ新しい遊びを提供しようと『QUIZ逆転推理』を制作しました。が、制作していくうちにいろいろなアイデアを盛り込んでいくうちに、単品でも十分遊べるかなり凝ったコンテンツになり、本編制作と並行しての作業でかなり現場は大変だったようです。特別編『逆転の帰還』については、本編のマスターROMが完成した時も、開発が終わった気がしないと山﨑が嘆いていました(笑)。

山﨑:「打ち上げもしたのにまだ終わってないじゃん!」という(笑)。本編がマスターアップしているのに作業がまだ続いているのは、大変としかいいようがなかったですね。

――ずばり、本作の注目ポイントは?

山﨑:全編通して語られる“復活”の物語です。ナルホドの復活、法廷崩壊からの復活など、複数の“復活劇”が語られます。そのドラマに注目していただきたいです。

江城:探偵パート、法廷パートともに3Dで制作されており、また3DSの立体視をMAXの状態でも3D酔いし難いように開発が最後まで調整してくれましたので、ぜひ立体視をOMにしてプレイしていただきたいです。アニメーションも立体視に対応していますので、迫力の映像になっていると思います。

――開発中の印象深かったエピソードが教えてください。

江城:ここでは話せないレベルの大変なエピソードが沢山あるのですが、やはり一番印象深いのは、先ほどもお話しました“逆転裁判10周年イベント”で制作決定を発表した時の、地響きが起こるようなユーザーの皆さんからの歓喜の声ですね。今回の『逆転裁判5』を開発していく大きな原動力になりました。

山﨑:バレンタインデーとホワイトデーにチームメンバーの女性・男性が、それぞれプレゼントをチームメンバーに配りました。アートディレクターの布施を始めとした絵描きの方が描いたイラスト入りのとても豪華なカードがついていました。

布施:ゲーム中の絵が初めて発表された2012年のTGSですね。今回の3Dモデルのステージやキャラクターなどが受け入れられるか、本当に冷や汗ものでした。実はこっそり体験されているユーザーさんの反応も現地に見に行っていたのですが、皆さんが楽しそうに遊んでいた姿がとても印象に残っています。

『逆転裁判5』

――本作を開発する中で「よし、イケル!」と思った瞬間はどこでしたか?

江城:1話・2話が完成し、クオリティチェックを行った際、ビジュアル面や新システム、そしてシナリオのおもしろさに手ごたえを感じたので、その時でしょうか。それでも発売後のユーザーの皆さんからの反応を聞くたびにドキドキしていますが(苦笑)。

――『逆転』シリーズの今後の展開を、言える範囲で教えてください。

山﨑:続編の構想は、まだ何もありません! いつもできる限りのネタを目の前のタイトルに入れてしまうので、今はカンゼンに頭の中が空っぽです。「このネタは続編に残しておこう」というような器用なことが、なかなかできないんですよね……。個人的には、舞台『逆転裁判~逆転のスポットライト~』のように、ゲーム以外での展開が他にもあるとうれしいなと思います。

江城:今はまだ、『逆転裁判5』がユーザーの皆さんに受け入れられるかどうかということで頭がいっぱいなので、続編などは考えていません。ただ、発売後にユーザーの皆さんから続編の要望を沢山いただいたら、考えないといけないなと思っています。また、いつかまたオーケストラコンサートも開催してみたいなぁとも思っていますので、これからも『逆転』シリーズの応援を、よろしくお願いいたします!!

――それでは最後に、電撃オンライン読者へメッセージをお願いします。

布施:キャラクターメインになってしまうのですが、出てくるシナリオの中で、特にブレイクまわりは、今までよりも、さらに上をいくことを目指していたので、ひとつひとつのモーションを含めて、ぜひ楽しんでもらえたらと思います。

山﨑:『逆転裁判5』では、いろいろなキャラのそれぞれの物語を描けたと思っています。DLCもあり、それに限らずゲーム以外のいろいろなところでも『逆転』シリーズが広がっていくと思うので、他の広がりも一緒に楽しんでいただければうれしいです。あと、『逆転裁判5』で初めて『逆転』シリーズを遊ばれた方がいらっしゃったら、『裁判裁判』『逆転裁判2』『逆転裁判3』『逆転裁判4』『逆転検事』『逆転検事2』とたくさんありますので、シリーズ作品も楽しんでいただけたらありがたいです。

江城:すでにクリアした人もいらっしゃると思うのですが、調べるメッセージはシリーズ伝統の小ネタが満載です。AVGは一度クリアしてしまうとすぐに次のタイトルにいかれてしまう方もいらっしゃると思うのですが、DLCやギャラリーモードを用意しているので、長く楽しんでいただきたいですね。

 あと『5』からでも入りやすいようになっていて、「『逆転裁判』を知っているけど、遊んだことがない」という方に、むしろ遊んでいただきたいです。特にチュートリアルは、シリーズの中でも最強に懇切丁寧なチュートリアルとなっています。マニュアルを見なくても遊べるので、初見の方にどんどん触っていただきたいです。プレイしてみてよかったところや気になったところをアンケートなどで言っていただければ、次の何かを作る際の励みや指針になりますので、どしどし送っていただければと。送っていただいたものは、必ず開発に届きますので!

『逆転裁判5』

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データ

▼『逆転裁判5』(ダウンロード版)
■メーカー:カプコン
■対応機種:3DS
■ジャンル:AVG
■配信日:2013年7月25日
■価格:5,990円(税込)
▼『逆転裁判5 LIMITED EDITION』(イーカプコン限定版)
■メーカー:カプコン
■対応機種:3DS
■ジャンル:AVG
■発売日:2013年7月25日
■希望小売価格:9,990円(税込)
▼『逆転裁判5 FIGURE EDITION』(イーカプコン限定版)
■メーカー:カプコン
■対応機種:3DS
■ジャンル:AVG
■発売日:2013年7月25日
■希望小売価格:8,990円(税込)
▼『逆転裁判5 EXTENDED EDITION』(イーカプコン限定版)
■メーカー:カプコン
■対応機種:3DS
■ジャンル:AVG
■発売日:2013年7月25日
■希望小売価格:7,590円(税込)

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