『シーフ』の主人公“ギャレット”が失った空白の1年間!? 物語の背景をディレクターが語る【gamescom 2013】

文：チョロ松

　泥棒を生業とする主人公“ギャレット”の活躍を描く『シーフ』は、建物に忍び込んで隠密行動をとり、複雑な仕掛けを1つ1つ解いていくという、盗賊としてのスリルを存分に味わうことができるタイトルだ。PS4/PS3/Xbox One/Xbox 360/PCの5つのプラットフォームで、2014年に発売が予定されている。

　ドイツで開催されている“gamescom 2013”でも、スクウェア・エニックスのブースにて展示が行われており、大いに注目を集めている。現地の会場では、そのストーリー構築を担当するSteven Gallagher氏に、本作における序盤の展開を直接語っていただく機会を得ることができた。初公開となる情報がちりばめられているので、ぜひチェックしていただきたい。

■ギャレットが見出した次なるマスターシーフは若き女性！

　ゲームの開始時点から数年前、ギャレットは1つの大きな計画に挑みました。それは、エリンという名の若き女性にまつわることでした。「エリンには秘められた才能がある」と見込んだギャレットは、彼女を次なるマスターシーフへと育て上げるため、自分の持つ泥棒としての技を教え込もうとしたのです。

▲主人公のギャレット。		▲優れた才能を秘めたエリン。

　しかしギャレットとエリンの間には、1つの決定的な違いがありました。それは、ギャレットが盗みのために人を殺すことがなかったのに対し、エリンにとって殺人はたやすいことであったという点です。

　その考え方の違いから生まれた亀裂は徐々に大きくなり、やがてエリンはギャレットのもとを去ってしまいます。その後、2人は一緒に仕事をすることはありませんでした。

■再び行動をともにする師匠と弟子

　しばらくの期間を経た後、2人の関係が壊れたことを気にかけていたギャレットの古い友人であるバッソは、再び彼らが力を合わせ、ともに行動できるように働きかけました。その甲斐があって、ギャレットとエリンは1つの大きな仕事を一緒に手がけることになります。この新たな仕事というのは、ノースクレスト男爵という貴族の館から、貴重な財宝を盗み出すというものでした。

▲古い友人としてギャレットを助けるバッソ。

　エリンはすばらしいクロウ（爪のようなツール）を持っており、容易に壁を登ることができました。そして、このクロウを使い、盗みの最中に罪のない衛兵をあっさりと殺してしまいます。ギャレットはこれを苦にして、大きなトラウマとして自分の中に抱え込んでしまいました。

　激怒したギャレットは、殺人の道具となったエリンのクロウをひそかに奪い、隠してしまいます。ギャレットはエリンのクロウを取り上げることで、彼女が軽い気持ちで人を殺すことはできなくなると考えたのです。そして、共同で仕事をするうえでの問題を、取り除くことができたと。

　2人が財宝を盗みに忍び込んだ貴族の館。その中心部では、ある儀式が行われていました。これを見たギャレットは、何か危ういトラブルに巻き込まれるのではないかと危惧し、仕事の中止を決意します。しかし、それをエリンに伝えようとした時に、館全体が震えだして建物が崩れ落ち始めます。

　この瞬間、ギャレットは、クロウを失ったエリンが自力で脱出できないことに気がつきました。しかし、ギャレットは建物の崩壊に巻き込まれ、足場を失って落下してしまいます。そして、すべてが暗闇の中に消えていったのです。

→すべてが変わり果てた1年後の世界！（2ページ目へ）

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