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2013年9月3日(火)

『ドラッグ オン ドラグーン3』キャラクターデザイン秘話インタビュー。藤坂公彦氏が語る『DOD』シリーズらしさとは?【電撃DOD3】

文:タダツグ

■ウタウタイたちのヒミツに、ネタバレギリギリまで迫る!!

――ではここかからは、デザインのディテール的な話を聞いていきます。まずはゼロについて。彼女は右目に花が生えてるわけですけど、これ、花弁に何か金属のようなものが刺さってませんか?

『ドラッグ オン ドラグーン3』

藤坂:はい、刺さってます。実は、体に花が生えちゃったバージョンとかも描いてたんですけどね。とにかく、雌蕊(おしべ)や雄蕊(めしべ)って描き込んでいくとかなり生々しいんですよ。こういうとなんですけど、性的な側面が連想されるというか……。

――なるほど。そう言われると、ちょっとわかるような気もします。

『ドラッグ オン ドラグーン3』
▲ゼロの右目に咲いている花。よーく見ると、何か金属の杭のようなものが刺さってます。痛そう……。

藤坂:実際、顔は劇中でアップになりやすいから、ていねいに作ってもらえばもらうほど、気持ち悪くなっちゃうと思ったんです。グロい部分は無機質にしたいなって考えて、金属の杭のようなものを追加しました。

――そもそも、この目に生える花自体、藤坂さんのイラストから生まれた設定なんですよね? ということは、この金属の杭みたいなものにも、きっと素敵な後付け設定が……。

:ありますね。もちろんありますよ、きっと。

藤坂:きっとって、すごくうさんくさいじゃないですか(笑)。僕的には、ゼロだってたまには、この花をむしり取りたくなったりするだろうなぁと思ってるんですよ。そんな時に指を引っ掛けて、グイッとできるように、杭に穴も開けてあります(笑)。

――いや、この花、そんな簡単に着脱できるものじゃないですよね?

藤坂:実際はそうでしょうけど。まぁ、僕はそこまで考えてラフを描いたわけではないです。どっちかというと、僕のなかでは手りゅう弾のピン的なイメージですね。

――そこは、ヨコオさんとのキャッチボールってことですよね。藤坂さんのラフでイメージを刺激されて、ヨコオさんが設定を考えるわけですから。

:実は、この花にはとても大きな意味があるんですけど、そのアイデアが藤坂さんのラフイラストから生まれたというのがおもしろい部分です。

『ドラッグ オン ドラグーン3』
▲今のところ、ゼロの目に生えている花についての設定はまったく明かされていない。それゆえに怪しいというか、当然、めちゃくちゃ重要な秘密が隠されていると思われる……。

――では、そんなゼロについて、藤坂さんのこだわりポイントはどこですか?

藤坂:えっと、かなり男性的な側面もあるゼロですけど、見た目は女の子らしくというか、かわいい部分は出したいと思っていたんですよ。

――おへそとか見せちゃってて、何気に女子力高い服装ですね。なんとなく、封印の女神を思わせる衣装に見えますが、そこはどうなんでしょう?

藤坂:シリーズ的な流れも踏襲したくて、封印の女神っぽく見えるようにはしています。そのうえで、戦う女性、強い女性ではありつつも、グラマラスでマッチョなイメージではなく、なんかちょっと女性的な部分を残したかったんですよね。

――胸元とか、生足とか、かなり女性的ですよね。

藤坂:実はひらひらした部分が多いところとかね。

――ちなみに、左手は義手とのことですが?

藤坂:実はこれ、最初はただの籠手だったんですけどね。僕は義手のつもりで描いてなかったのに、いつのまにかそうなってました。

――藤坂さんは籠手が大好きってイメージもありますが、さすがにびっくりしたのでは?

藤坂:正直、ラフを見せる時はなんか描くのが面倒くさくて、黒でべたべたべたってシルエットだけ描いておいたら、こんなことに(笑)。

――以前柴さんもおっしゃってましたけど、そのへんが藤坂さんとヨコオさんのお仕事のおもしろい部分ですよね。藤坂さんが投げたデザインに対して、ヨコオさんがしっかりと投げ返してくるというか。

藤坂:僕的には、勝手に設定とかの縛りを作って、それがゲームの足かせになったりすると困るし嫌なんです。だから、問題があったらちゃんと指摘してねって伝えてはいるんですけど、「大丈夫なの?」ってたずねても「大丈夫!」って言ってくれるんですよね。

――それはおもしろいですね。それでますます藤坂さんが、想像力を働かせられるようになるわけですから、やっぱり素敵な関係ですよ!

→誰もが気になるワンとマナの関係にも踏み込んでみた!(4ページ目へ)

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Character Design : Kimihiko Fujisaka.

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