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2013年8月27日(火)

「『新生FFXIV』は『FF』という名前のテーマパークを目指す」――発売記念発表会で吉田直樹プロデューサー&ディレクターが熱く語る

文:megane

 スクウェア・エニックスは、本日より正式サービスを開始したPS3/PC用オンラインRPG『ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア(以下、新生FFXIV)』について、発売記念発表会を行った。

『ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア』

 発売記念発表会は、東京・渋谷の渋谷ヒカリエホールにて開催され、同社の代表取締役社長である松田洋祐氏や本作のプロデューサー&ディレクターを務める吉田直樹さんが登壇した他、SCEJAから代表取締役社長を務める河野 弘氏、日本マイクロソフトから金古 毅氏、インテルから宗像義恵氏がそれぞれ登壇した。

『ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア』

 なお、本日電撃オンラインにて、吉田直樹さんへのインタビュー記事を掲載している。こちらもあわせてご覧いただきたい。

■ベータテストでは全世界で100万人がプレイ

 最初に登壇したのは、同社の代表取締役社長を務める松田洋祐氏。松田氏は8月19日まで行われていた本作のベータテストにおいて、全世界で100万人以上が登録・参加していたと語り、中には300時間以上ものプレイを行ったプレイヤーもいたと述べた。

『ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア』
▲スクウェア・エニックス ホールディングス 代表取締役社長の松田洋祐氏。

 また、現在も運営中の『ファイナルファンタジーXI』が10年以上続いており、同社にとって欠かせない作品になっていることから、『新生FFXIV』も同じように大きく育ってくれることを確信していると語った。

 続いて登壇したのは、SCEJAの代表取締役社長を務める河野 弘氏。河野氏は、本作についての再始動の話を聞いた時、チームを応援しようと社内で話あったというエピソードを披露。また、PlayStation Networkでのダウンロード予約件数が過去最高にのぼったということも明らかにした。

『ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア』
▲ソニー・コンピュータエンタテインメント 取締役、ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンアジア プレジデント 河野 弘氏。

 なお、本作はPlayStation 3だけではなく、PlayStation 4でも2014年に発売が予定されているが、PS4ならではの遊び方として、PS Vitaを利用したリモートプレイの例などを挙げた。

 続いて、日本マイクロソフトからコンシューマー&パートナーグループにて統括本部長を務める金古 毅氏が登壇。日本マイクロソフトとスクウェア・エニックスは、WindowsやWindows Phone、Xbox 360などで強力なパートナーシップを結んでいるが、中でも4月に行われた“ニコニコ超会議”での出展では、大きな手ごたえを感じることができたという。

『ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア』
▲日本マイクロソフト コンシューマー&パートナーグループ OEM 統括本部 業務執行役員 統括本部長 金古 毅氏。

 金古氏は、今後『新生FFXIV』に関するキャンペーンも予定しているとコメントし、最新のOSと最新のハードウェア技術でこの『新生FFXIV』という世界観を堪能してほしいと締めた。

 パートナー企業として最後の登場したのはインテルの取締役副社長である宗像義恵氏。宗像氏は『新生FFXIV』において、第4世代のインテルコアプロセッサーに最適化させることで、Ultrabookでの動作も可能にしていると語った。

『ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア』
▲インテル 取締役副社長の宗像義恵氏。

 このコアの最適化については、インテルの本社でのラボにて行われており、本社をあげての開発だったとアピールした。

■アーリーアクセスではすでに全世界で40万人がプレイ

 最後に登場したのは、本作のプロデューサー&ディレクターを務める吉田直樹さん。吉田さんは、本作の予約などで正式サービス前にプレイができるアーリーアクセスにて、全世界で40万人がプレイしていることを明らかにした。

『ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア』
▲本作のプロデューサー&ディレクターを務める吉田直樹さん。

 本作は『FF』シリーズの正当な最新作であり、常に進化していくタイトルとして野心的に発展していくと語った。この進化は、PS4版の発売やDirectX11への対応、4Kテレビへの対応など多岐にわたる。

 プレイヤーとともに『FF』という名前のテーマパークを目指して、長く運営していくと語った。最後の吉田さんは「発売となる今日がゴールではなく、1つの通過点である」と述べ、「5年、10年、それ以上長く世界中で愛されるゲームを目指して、これからも初心を忘れずに邁進していきます」と締めた。

■『新生FFXIV』の序盤は1人でも遊べる

『ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア』

 続いて、来場した報道関係者による質疑応答が行われた。「『新生FFXIV』などのMMORPGが持つ魅力について」という質問に対しては、「1つの世界を共有しながら遊べるのが魅力」とコメント。ただ、吉田さんとしては本作を「オフラインで遊ぶいつもの『FF』のようにプレイしてほしい」とした。このコンセプトが示すように、本作の序盤は特に誰かとコミュニケーションをとらなくても1人で遊べるようになっているとのこと。

■2回目のローンチという世界でも稀な例だが、手ごたえはある

 続いて会場から寄せられた「これまでの施策についての結果と評価」という問いに関しては、見えやすい要素としてプレイヤー数を挙げた。クローズドベータテストとしてテスト後にプレイデータが消去されるフェース3までも、50万人以上が30時間を超えるプレイを行っていたと説明。

 また、オープンベータテストとなったフェーズ4でも、想定よりも多くのユーザーがプレイし、サーバーの増強を繰り返すという状況になっていたという。『新生FFXIV』は2回目のローンチという世界でもあまりない状況にあるが、好調な滑り出しとなっており、手ごたえは感じていると吉田さんはコメントした。

■作り替えて『FF15』にしてもユーザーの信用は取り戻せない

 最後に寄せられた質問から「なぜ『FFXIV』のままで『FFXV(15)』にしなかったのか」というものについて、吉田さんは旧『FFXIV』については「ブランドに傷がついたタイトルとして認識している」とコメント。『FF』は26年続いたシリーズとして同社の大きな柱の1つであり、旧『FFXIV』はこのシリーズを愛しているユーザーに大きなショックを与えたタイトルであるとした。

 その上で、『FFXIV』をそのままにして『FFXV』としてまた作っても、ユーザーからの信用は失ったままになってしまい、長期的にはいい結果をもたらさない。「絶対にギブアップしない」という意思表示のもと、情報をできる限り開示しながら開発を続けることで、少しずつ信用を取り戻せているのではないかと語った。

『ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア』

→発表会の会場の様子を写真でお届け(2ページ目へ)

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ILLUSTRATION: (C)2013 YOSHITAKA AMANO

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