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2013年9月6日(金)

『龍が如く』の横山昌義プロデューサーがキャラクター総選挙について語る! 意外なランクだったキャラクターとは!?

文:電撃オンライン

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■ランクインしたキャラクターについて熱弁

――それでは、10位までにランクインした書くキャラクターの思い出と、それぞれのベストシーンを聞かせてください。

■1位 真島吾朗(203,667票)

 思い出がいっぱいありすぎて、何から語ればいいのか……。今年は『龍が如く1&2 HD EDITION』が出たので、初期の映像を新たに見直す機会があったのですが、真島はやっぱり悪いヤツですね(笑)。こういう作品にはお約束的に必ず出てくるクレイジーキャラという立ち位置だったのですが、『龍2』以降に描いた人間味も人気を集めた理由ではないでしょうか。

 『龍が如く』は任侠映画からの影響を多分に受けていて、オマージュのような場面がいっぱいあります。任侠映画に“型”があるとすれば、真島は“型”の表現者なんですよ。しかし、『龍1』を作ったときは、まさかこんなに息の長いキャラになるとは思っていませんでした。そもそも『龍2』を作る予定はなかったので、1作目を作り終わった時には死んでいると思っていましたからね。

●ベストシーン

“『龍が如く』シリーズキャラクター総選挙” “『龍が如く』シリーズキャラクター総選挙”
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 『龍1』冒頭の傘を振り回すシーンですね。実は、この場面は真島のキャラをより強く表現するために、制作終盤に追加したんです。『龍が如く』とはこういう世界なんだというのを表現するためには欠かせない男ですが、『龍2』以降は人間、真島吾朗が作品内を自由に動き出したイメージです。

■2位 桐生一馬(188,921票)

 すごい人ですよね、この人は。バイタリティが高い人というか……。ただ、全作品を通して見て思うことは、この人は信念が強いわけではないんです。優柔不断だし、人に流されるし、自分勝手なところもありますよね。それでも桐生一馬らしさは消えないところがすごいです。彼を一言で表すなら“最高の俳優”といったイメージでしょうか。実際に桐生一馬をそのまま実写で演じきれる人っていないと思いますよ。強いし、体格もいいし、なによりカッコイイ。CGという世界で生み出された2000年代最高の名優の1人だと思います。

●ベストシーン

“『龍が如く』シリーズキャラクター総選挙” “『龍が如く』シリーズキャラクター総選挙”
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 『龍1』で闘技場に向かって歩いて行く姿を、背中から映したシーンです。新宿の地下に入って、戦ったら情報を教えてやると言われても、普通の人間だったら、なかなか戦おうとは思えないですよ(笑)。でも、桐生はリングへの花道をカッコつけて歩いていきます。いい意味でバカな奴だなと心から思うんですよね。バカな男ってカッコいいじゃないですか。男ならではのバカさと、強さと、カッコよさが1つになったすばらしいキャラクターです。

■3位 冴島大河(182,555票)

 彼を生み出したのは、18人殺しのラーメン屋のシーンを作りたかったというのがキッカケでした。上位にくるとは思ってましたが、キャラが若干被ってる桐生に肉薄するとまでは思ってませんでした。彼は桐生と似た人生を歩んでいるのが特徴で、強さでも双璧を成しています。また、『龍が如く』シリーズでは、極道をメインの主人公にしないというルールを決めているので、引退させたり、破門にしたりしていますよね。そんな中で、すでに極道を引退した桐生一馬と、極道社会をストーリーに絡めるキーマンとしても重要な立ち位置を任せています。

●ベストシーン

“『龍が如く』シリーズキャラクター総選挙” “『龍が如く』シリーズキャラクター総選挙”
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 やはりラーメン屋での6丁拳銃です。じつはこの場面で18人を狙うというのも、6丁の銃が必要な人数から逆算して決めたんですよ。冴島が銃をくわえて登場し、次々と打ち捨てていくというこのシーンは、かなりこだわって作りましたので、ぜひもう一度見直していただきたいです。

■4位 秋山駿(139,584票)

 秋山は独特の“凄味”を持ったキャラクターですが、『龍4』で登場するまでには登場しなかったタイプの人間です。ひょうひょうとしていながら、実は強くて信念も隠し持っているというタイプなので、キャラを固めるまでの音声収録も苦労した思い出があります。秋山の声を演じる山寺宏一さんは、トップクラスのすばらしい声優さんですが、低い声から高い声まで、いくつもキーをお持ちですよね。その中から、秋山専用のキーを探り当てるまでに、かなり時間がかかりました。

●ベストシーン

“『龍が如く』シリーズキャラクター総選挙” “『龍が如く』シリーズキャラクター総選挙”
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 『龍4』で初登場したときに、電話で花ちゃんと会話してから階段を降りていくシーンです。これまでのシリーズでは一度もこのようなテンションの場面を作ったことがなかったので、制作チームの挑戦でもありました。

■5位 堂島大吾(114,290票)

 大吾は5位に入れて本当によかったです。彼の苦労が報われたといいますか……。僕らにとっても、ファンの皆さんにとっても同じだと思うんですけど、シリーズを通して育ててきたキャラという実感があります。一言で言うと、カワイがられていますね。シリーズを作るたびに、開発陣からは「大吾またかわいそうだな~」という声があがるんですよ。彼なりにガンバっているんですけど、どこかでやらかしてしまうというか、そんな人間性が愛されていますね。彼の背負った宿命なので、いつか乗り越えてくれると思っています(笑)。

●ベストシーン

“『龍が如く』シリーズキャラクター総選挙” “『龍が如く』シリーズキャラクター総選挙”
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 これというシーンではないのですが、幹部会などで「ウグッ」という顔を見せるじゃないですか。あの顔が大好きなんですよね。シリーズのどの作品でも「ウグッ」という顔を見せることになるのが、彼の悲しい宿命です。

■6位 馬場茂樹(112,904票)

 彼は大東駿介さんが演じたキャラクターです。『龍5』を作っていて感じましたが、開発陣が俳優さんを作品内に落としこむのがうまくなっていると思うんですよね。声優としての出演だけでなく、フェイスモデル有で俳優さんを起用したのは『龍が如く 見参!』が最初でしたが、その時はこのCGがよく似ているねという印象でした。しかし、シリーズを経て何作品も作っていくうちに、俳優さんが演じたキャラクターだということは関係なく、1人のキャラクターとして成立させられるようになったというのが、総選挙の結果にも表れたのだと思います。

●ベストシーン

“『龍が如く』シリーズキャラクター総選挙” “『龍が如く』シリーズキャラクター総選挙”
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 大東さんは演技が非常にうまかったので、いろいろなシーンが思い浮かびますね。なかでも一番印象深かったのは、公園のブランコに座って遥と会話するシーンです。大東さんが音声収録をする時点で遥の音声は収録していなかったのですが、まるで相手がそこにいるかのような演技で、しかも馬場の複雑な心境が表現できていたので、かなりの手応えを感じました。

■7位 谷村正義(111,304)

 成宮寛貴さんが演じたキャラクターですね。少し悪い刑事というキャラが魅力的だったのかもしれませんが、このキャラで一番印象に残っているのはバトルスタイルです。『龍4』は主人公を複数用意したはじめての作品でしたが、桐生以外も戦わせられるということが開発陣にいい刺激を与えていたのを思い出します。谷村の場合は“相手の攻撃を受け流す”という個性的なバトルスタイルも今回の人気につながったのだと思います。

●ベストシーン

“『龍が如く』シリーズキャラクター総選挙” “『龍が如く』シリーズキャラクター総選挙”
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 第三部冒頭、遠藤憲一さんが演じる杉内が、署内で谷村を説教するシーンです。キャラクターの表現方法は大きく分けて2種類あると思っていて、まず1つは自分のことをキャラクターにしゃべらせる秋山のようなパターンです。逆に谷村の場合は、相手の行動に対するリアクションで表現したパターンでしたが、それがうまくいきました。この場面では、谷村にはほとんどしゃべらせていないのに、上司や権力に従わず、模範的な性格でもなく、刑事をやめる気もないという彼の人間像がうまく表現できたと思います。

■8位 渡瀬勝(105,898票)

 渡瀬は本当に意外なランクインですよね。近江連合に郷田龍司の後釜を作るというコンセプトで生まれましたが、こんなに受け入れられるとは思っていませんでした。裏表ない真っ直ぐな性格で、シンプルに“強い男”というストレートなキャラクターにしたのは、郷田龍司の後継者にふさわしい強烈なカリスマ性を持たせたかったからです。シンプルなキャラクターはやっぱり皆さん好きなんだなと再確認することができました。

●ベストシーン

“『龍が如く』シリーズキャラクター総選挙” “『龍が如く』シリーズキャラクター総選挙”
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 キャバクラで桐生と初顔合わせをする場面です。桐生が龍司と会った場面のオマージュですが、渡瀬の場合は龍司とは違い、桐生に会うために来たという違いがあります。裏がありそうでやはりない。それでいて感情はストレートに相手に伝わる。龍司とはまた違う男気的なものが表現できた良いシーンだと思っています。

■9位 郷田龍司(104,345票)

 『龍1』には桐生と堂々とぶつかり合うような、分かりやすいライバルが居なかったので、『龍2』で“龍虎相打つ”という物語を作るために生まれました。龍司は「派手な花火をドカンと一発~」なんてカッコつけて言っていますが、結構汚いことを平気でするキャラなんですけどね(笑)。それでも熱烈なファンの方からは再度出してくれと言われるので、根強い人気がありますよ。ただ、彼の場合は“死に様”がカッコいいというところがあるので、本編でもう一度復活させることは、現状考えていません(笑)。

●ベストシーン

“『龍が如く』シリーズキャラクター総選挙” “『龍が如く』シリーズキャラクター総選挙”
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 渡瀬のベストシーンのもとになった、桐生とキャバクラで会うシーンで、『龍2』の世界を象徴するような場面です。会話だけで緊張感を高めるという手法にチャレンジした思い出があります。

■10位 峯義孝(100,042票)

 峯は名越稔洋成分が詰まったキャラクターで、女性からの人気がスゴイんです。彼は幼少期からのコンプレックスをモチベーションに変えて成長し、桐生一馬へのアンチテーゼとなる真逆の人物ですが、彼の魅力は僕には分かりません(笑)。一見すると怖そうですが、弱い部分を隠し持っているというところが女性に受けるのかもしれませんね。

●ベストシーン

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 アサガオを壊すためにやってきて、遥に平手打ちをするシーンです。峯以外のキャラにはできない行動ですよ。遥はしっかりしたお姉さんというイメージもありますが、かなり甘やかされて育っていますよね。容姿的にも恵まれているのに、過去の思い出から暗く沈んでいるというか……。そんな遥を一喝できるのは彼ぐらいしかいないかと思います。

(C)SEGA

データ

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■発売日:2013年8月29日
■特別定価:690円(税込)
 
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▼『龍が如く 維新!』
■メーカー:セガ
■対応機種:未定
■ジャンル:A・ADV
■発売日:未定
■希望小売価格:未定

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