2013年9月18日(水)
皆さん、こんにちは。『マジック:ザ・ギャザリング(以下、MTG)』のルールや魅力をお伝えするために、電撃MTGで講師を務めているイズミです。
9月27日に『MTG』に最新セット『テーロス』が加わります。ギリシャ神話をモチーフにしたセットということで、数多の事象をつかさどる“神”やその神の振るう武器、神の信奉者といったカードに加えて、地獄の番犬、など数多くの魅力的なカードが登場するわ。そんな『テーロス』を、前編と後編の2回に分けて紹介していくわ。
そんな『テーロス』の世界観をわかりやすく教えてくれるPVがここにあるの。この世界がどういった状況で、どういう勢力があるのか、そして、誰に注目するべきか……。そういったことがわかるので、まずは見てちょうだい。
このPVで、どんな世界観なのかわかってもらえたんじゃないかしら。さて今回は、この『テーロス』徹底特集ということで、『テーロス』で登場する新たな能力や、各色の注目カードをご紹介していきたいと思います。「新しいデッキを作って!」と言わんばかりの個性あふれるカードたちをぜひ見てくださいね!
では、まず『テーロス』で登場する新たな能力を見ていきましょうか。『テーロス』では“英雄的”“怪物的”“授与”“信心”という4つの新しい能力が登場するの。1つずつ、順番にチェックしていきましょう。
“英雄的”は、あなたがそれを持つあなたのクリーチャーを対象とした呪文を唱えるたびに誘発する能力よ。
この《威名の英雄》なら、呪文で対象に取るたびに+1/+1カウンターが乗っていきます。もともと“二段攻撃”を持っているクリーチャーだから、+1/+1カウンター1つにつき相手に与えるダメージは2ずつ増えていくから、とっても強化しがいがあるわね。他にも対象に取るたびライフを奪ったり、カードを引いたり、ダメージを与えたりとさまざまな“英雄的”能力を持ったクリーチャーが登場しているわ。
構築戦ではもちろんだけど、限定戦でもこの“英雄的”がしっかり活用できるように、各色にクリーチャーを対象に取るインスタントやオーラがたくさん収録されているので、シールドやドラフトでも“英雄的”なクリーチャーたちは十分に活躍してくれるんじゃないかしら。
▲2体までのクリーチャーを対象に取る呪文が多いのも『テーロス』の特徴ね。おそらく“英雄的”を誘発させやすくするためなんじゃないかと思うわ。クリーチャーを複数対象に取る呪文は、片方のクリーチャーを除去するなどしても、残った方にしっかり効果を発揮するので対戦中は注意してね。 |
“怪物化”は指定されたマナ・コストを払うことでクリーチャーを“怪物的”状態にし、強化できる能力よ。
《残酷なハイソニア》は“怪物化3”を持ったクリーチャーで(6)(黒)(黒)を支払うことで“怪物的”になり、+1/+1カウンターを3つ乗せることができます。さらに“怪物的”になった時、他のゴルゴンでないすべてのクリーチャーを破壊します。このように“怪物化”を持つクリーチャーには、ただ単に+1/+1カウンターを得るだけでなく“怪物的”になった時になんらかの能力を得る、あるいは誘発するものが多いわ。
“怪物化”にかかるマナ・コストはどれも結構重く、またコストを払うのに対応して除去されてしまうと“怪物化”失敗ということになるので“怪物化”のためのマナを支払うタイミングはよく考えるようにしたいわね。
構築での活躍は、どれだけマナを支払う余裕のある遅い環境になるか次第だけど、比較的展開がゆっくりなドラフトやシールドではフィニッシャーとして活躍が期待できるんじゃないかしら。
▲“怪物化”を持つクリーチャーの皆さん。“怪物化”なんかしなくても元々怪物なんじゃないの?と思うのは私だけかしら……。 |
“授与”はそれを持つクリーチャーを指定されたコストを支払って、オーラとしてプレイできる能力です。“授与”という名前の通り、力を授けるわけですね。
“授与”を持つカードをあなたは“クリーチャーとしてプレイする”、あるいは“オーラとしてプレイする”ことができます。後者を選んだ場合、オーラ呪文として唱えられ、エンチャントとしてクリーチャーについた状態で戦場に出ることになるわ。通常、オーラはエンチャントしたカードが戦場を離れると墓地に置かれますが“授与”カードは、クリーチャーになって戦場に残るの。これが“授与”の特徴的な動きよ。
さらに“授与”でプレイしてクリーチャーにエンチャントする前に、対象となっているクリーチャーが戦場を離れた場合でも“授与”を持ったカードは墓地には行かず、クリーチャーとして戦場に出ます。つまりこれまでにあったオーラのカードアドバンテージの失いやすさを、ちょっと重めのコストを払うことで克服したのがこの“授与”能力と言えるわね。
▲“授与”を持つカードなどの“エンチャントであり、同時に他のカードタイプでもあるカード”は、枠に星のようなものがちりばめられて、一目でわかるようになっています。イラストにもこの星空のようなものが見られるわ。 |
“信心”はあなたのコントロールしているパーマネントが持つ各色のマナ・シンボルによって表される値で、『テーロス』に収録されているカードが持つ能力の効果量や、ON/OFFに関わってくるの。
例えばこの《恭しき狩人》は、戦場に出た時、あなたの“緑への信心=あなたのコントロールするパーマネントが持つ緑のマナ・シンボル”の数に等しい+1/+1カウンターを得ます。《恭しき狩人》自身が緑のマナ・シンボルを1つ持つので、最低でも1個は+1/+1カウンターが乗るけれど、ここであなたが他に《菅草の蠍》と《ナイレアの存在》をコントロールしていたら、《菅草の蠍》が1つ、《ナイレアの存在》が1つ緑のマナ・シンボルを持っているので《恭しき狩人》は、3つの+1/+1カウンターを得ることになるわ。
後々紹介しますが『テーロス』に収録されている5柱の“神”は、どれもこの“信心”を5つ以上必要とします。3色、4色といったデッキではマルチカラーのカードを使わない限り、なかなか特定の色への“信心”を集めることが出来ないので“信心”を参照するカードが強いと、これからの構築環境は単色から2色程度のデッキが流行するかもしれませんね。
▲『ラヴニカへの回帰』ブロックで登場した“混成マナ・シンボル”のカードたちは、複数の色への“信心”を同時に高めてくれます。《ボロスの反攻者》などはさらにその価値を増したんじゃないかしら。 |
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記事内イラスト:うさ城まに
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