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2013年9月20日(金)

新型PS VitaやPS Vita TVの開発メンバーに、そのコンセプトや機器に込めた想いなどを直撃!【TGS2013】

文:電撃オンライン

 千葉・幕張メッセにて開催中の“東京ゲームショウ2013”。SCEブースでは、国内外が注目するPS4のほか、PS Vitaの新型となるPCH-2000シリーズや新コンセプトのハード、PS Vita TVなどが多数展示されている。

 そしてゲームショウ会場で、新型PS VitaやPS Vita TVの開発を手がけた主要メンバーにインタビューを行うことができたので、その模様をお届けする。

東京ゲームショウ2013
▲ソニー・コンピュータエンタテインメント SVP兼第2事業部 事業部長の松本吉生氏(左)、同第2事業部ソフト開発部部長 島田宗毅氏(中)、同戦略・商品企画部部長兼ハードウェア企画課 課長 渋谷清人氏(右)

――新型PS Vita(PCH-2000シリーズ)のコンセプトについて教えてください。

東京ゲームショウ2013

松本:2000シリーズはPS Vitaの第1世代発売から約2年が経ち、さらにPS Vitaユーザーを広げていきたいということから作られた商品です。商品自体が持ちやすくなって、薄く軽くなりましたし、ハード本体に1GBのメモリーカードも入れさせていただきました。それにカラーバリエーションも豊富ですよね。このシリーズでPS Vitaユーザーの層を広げていって、いろんな方に使っていただければなと考えています。

――今回、軽量化や薄型化をできた要因というのは?

松本:基本的には重さや薄さというのは、たくさんの要素を1つ1つ詰めていったことでできたことなんです。例えば、今回は有機ELから液晶にして補強部品を変更したりといったことなどですね。

――有機ELから液晶にディスプレイが変更された点について教えてください。

松本:有機ELと液晶はどちらも素晴らしいデバイスだと思います。それに最近の液晶の性能はとてもよくなっていると思います。有機ELは自発光になるので、すべて点灯した場合は大きな消費電力になってしまうんですね。液晶というのは幅広く使われている商品で、堅牢性も高いものだと思います。また、ユーザーの年齢層が拡がると、PS Vitaを落としてしまったりとか、そういうことも多くなってくると思います。そういった時にも液晶なら安心感があるとか、そういう面が液晶の強い点ですね。

――これまでは専用の端子でしたが、2000シリーズではMicroUSB端子になりました。こちらを採用された経緯は?

松本:MicroUSB端子は一般的になってきた端子ですし、旅行や出張などではお持ちのケーブル1本で、スマートフォンやPS Vitaを充電できる、そういう利便性からですね。

――PS VitaはPS4とのリモートプレイ機能でも注目を浴びていますが、PS3のリモートプレイとPS4のリモートプレイで、大きく異なるところはあるのでしょうか?

東京ゲームショウ2013

島田:これはPS4の話にありますが、タイトル側がリモートプレイを意識しなくとも、システム側でリモートプレイをできるようにしたという点が1つです。それと、Gaikaiの技術をPS4のリモートプレイでは採用しているので、PS3と較べてかなりクオリティの高いものになっています。

 本日の基調講演で公開されたPVでは、外出先からリモートプレイでPS4のゲームをプレイする、という映像が流れましたが、これに関しては通信の環境に依存してしまう部分ではありますが、インターネット回線でも使えるようにはしています。

――PS3のリモートプレイでは、一部ラグがありましたが、PS4に関しては通信環境がよければ、ラグは発生しないのでしょうか?

島田:通信環境だけでなく、ゲームによるところもあると思います。ただ、今回のTGS2013のPlayStationブースではPS Vitaを使った、PS4のリモートプレイを体験できるスペースも用意しています。そこではほとんどラグは発生しませんし、ぜひ会場に足を運ばれた方はそこでプレイしていただいて、実際に体験していただければなと思います。

――本日の基調講演で紹介されたPlayStation Appというのは、PS Vitaは含まず、スマートフォンやタブレットで動作するアプリということでしょうか?

島田:はい。PS Vita上では、“PS4リンク”という機能に収められている形です。

――ちなみにPS4リンクは、日本ではいつ頃配信予定なのでしょう。国内でPS4が発売される2014年の2月22日以降でしょうか?

島田:それに関しては、現時点ではコメントはできかねますが、お楽しみにしていただきたいです。

――次にPS Vita TVについてうかがいたいのですが、このハードを開発することになった経緯を教えて下さい。

島田:PS Vitaが発売されたのは2011年12月ですが、その年の夏くらいですね。PS Vitaのハードウェアとソフトウェアを使って、携帯型コンソール以外のものを作れないのかという話があったんです。その時いくつかのアイディアは出ましたが、こういうTVに繋ぐ形のデバイス機器はどうなんだろうと。それで昨年の11月くらいに、実際の商品として作ってみましょうと動き始めました。

――PS Vita TVは本体が1万円を切る価格ですが、この価格については当初から意識されていたのでしょうか。

島田:値段については意識していたと思います。ただ、実際に商品として完成させるには、開発のみなさんにかなり頑張っていただきました。価格もそうですし、サイズもですね。実際にプロダクトとして出来上がっていく段階では、現在のPS Vita TVよりも二回りほど大きいものだったんです。

 でも、商品化とうえでコンセプトを突き詰めていくと、もっと小さくしなければいけないだろうと。そこでさらに開発の方にがんばっていただきました。その結果、現在の値段とサイズが決まり、この商品の製品としての立ち位置を明確にできて、いい形になったのかなと思います。

――「(TVにつながる)史上最小PlayStation」というキャチコピーもそうですが、PS Vita TVは本当に小さいサイズのハードですよね。

島田:これからはPS4も出てきますし、箱型のハードウェアをTVの前にいくつも置くのは、よくないと思ったからなんです。それと、どこにおいているのかわからないくらいの大きさにしたいと考えていて、できる限り小さくしてほしいとお願いしました。また、カラーリングもそういう部分を意識していますね。PS Vita TVのホワイトは、壁の色などを意識していて、非常に溶け込みやすいデザインになっています。

渋谷:プレイステーションを体現するものを、自然と感じてほしいということから、この形や色にしているんです。

――PS Vita TVは、どのようなユーザーをターゲットにした商品なのでしょうか?

東京ゲームショウ2013

渋谷:PS Vita TVは、プレイステーションを過去に遊んでいた方、まだ触れたことがないという方をメインのターゲットにすえた商品です。といっても、すでにPS Vitaでゲームをプレイされている方はターゲットじゃないのかと言われても、そういうわけではないんです。今は家の中にTVやモニタは多数ありますよね。それぞれのモニタでプレステーションを体感したいという方は、ぜひともPS Vita TVを楽しんでいただければなと。それでPS Vita TVのリモートプレイを使えば、PS4のゲームを離れたモニタでもプレイできるようになるわけですし、PS Vitaのゲームも大きなモニタで遊んでいただけるかと思います。

――現在はPSP、PS Vita合わせて、1つのアカウントでは機器認証は2台までしかできませんが、2000シリーズやPS Vita TVの発売で、この認証台数についてはどのように考えていますか?

島田:そこは検討しなければいけない点ですね。ただ、そこに関しては各パブリッシャー様のご意向もあるので、我々だけでは決めることはできません。ただ、総合的な面からもっと考えて行きたいと思っています。

――PS Vita TVはDUALSHOCK3のほか、いずれはDUALSHOCK4にも対応するとのことですが、タッチパッドはPS Vita TVでも使えるようになるのでしょうか?

渋谷:それはまだ検討中ではありますが、ぜひやれるようにしたいと考えています。

――それでは、最後にPS Vitaの2000シリーズやPS Vita TVをユーザーにどのように楽しんでほしいでしょうか。

松本:2000シリーズは軽くなって、とにかく使いやすくなっているハードで、開発陣一同が自身を持ってオススメできるハードです。ぜひTGSの会場や店頭でご覧になっていただればと。そしてPS Vita TVは、これほど反響をいただけるとは思っていませんでしたが、さまざまな要素を付け加えてさらにおもしろいエンターテインメントを提供できるのではと考えています。ぜひこちらもその目で見て楽しんでいただければ嬉しいですね。

島田:年末にかけて『ゴッドイーター2』などのタイトルが発売されて、PS Vitaはどんどん盛り上がると思います。まだPS Vitaをお持ちでない方は、2000シリーズやPS Vita TVでプレイしほしいと思います。

渋谷:2000シリーズは、触ってみていただいて初めてわかる魅力があると思います。ぜひTGSに来ていただいて、実機に触って体験してほしいと思います。PS Vita TVに関しては、プレイステーションの接点をどんどんとこれで広げていきたいと考えています。ファーストパーティ、サードパーティがともにすばらしいタイトルをどんどん出してきているところですので、年末だけでなくずっと遊んでいただければなと思います。

東京ゲームショウ2013

■東京ゲームショウ2013 開催概要
【開催期間】
 ビジネスデイ……2013年9月19日~20日 各日10:00~17:00
 一般公開日……2013年9月21日~22日 各日10:00~17:00
【会場】幕張メッセ
【入場料】一般(中学生以上)1,200円(税込)/前売1,000円(税込)
※小学生以下は無料

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