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2013年10月2日(水)

【ほぼ毎日特集 ♯50】『ダライアスバースト』で味わった“つらさ”とは? ゲーム作曲家インタビュー「教えて!土屋昇平先生」後編(ミゲル)

文:ミゲル

■音楽における二次創作の問題点と、土屋さんがユーザーに求めるもの

――タイトーさんはサウンド面を特に大切にされている印象がありますが、働いていてそういったものを感じることはありますか?

「教えて!土屋昇平先生」

土屋:そうですね。サウンドのことに対して、わりと裁量権を持たせてもらっていると思います。サウンドトラックを出したいと思った時に、それが通るかどうかは別としても、出したいと発言できることは大きいです。

 実際に、タイトーは理解がある人が多いですよ。以前、僕が発起人になってサウンドの許可申請の制度を作りました。風通しはすごくいいし、音のことを考えてくれています。

※タイトーが権利を持つ楽曲について、使用許諾を申請できる制度が存在。許可が下りれば、ライブやコンサートおよびDJイベントで、タイトー楽曲を公式で演奏などに使用できるようになる。

――今までにどれくらい申し込みが来ましたか?

土屋:パッと見て敷居が高く見えるのか、ちょいちょいですかね。

――今、“同人マーク”の件もありますが、権利の問題に動きがある時だと思います。音楽となるとまた違うので、“同人マーク”と同じようにはいきませんが、気になるところです。

土屋:僕的には、二次創作とはもっといい関係でいたいんです。はっきり言ってしまうと、音楽において二次創作というのは当たり前のことなんですよ。カバー曲や、ジャズもスタンダート曲といっていろいろな人が演奏しているものがある。

 ただ、僕が少し「嫌だな」と感じるのが、“リスペクトが消えている”ところなんです。このままだと大元(オリジナル)を作る人がいなくなってしまうんじゃないかと思っています。きちんと大元の人が、「(二次創作を)作っていいよ。この曲でどんどん楽しんでよ」と公言できるようにしたかった。ただ、次のチャンス――それはお金であるかもしれないけれども、「次の大元を作るチャンスを少しだけちょうだい」と言える場を設けたかったんです。

――リスペクトが消えていると感じてしまうところはどこでしょう?

土屋:皆、オリジナルを知らない状態で二次創作を楽しんでいる感じがします。元ネタを掘らない人が増えてきているんです。二次創作をしている人が、リスナーに言わないといけないと思うんですが、「これには元ネタがあって、それがカッコイイんだよ」と伝えず、二次創作だけを見ている状況になっている気がします。

――以前、Twitterで作曲家の相原隆行さんもおっしゃっていましたが、他の会社には申請窓口がないので、“白”と“黒”が混ざってしまっている現状だとは思うんです。

土屋:そこは難しいところですよね……。ただ僕は、それ以上にグレーな「本当はいけないんだけど、目を瞑っているんです」っていう状況をいいと思っていないんです。著作権は親告罪なので、被侵害者が何も言わない限り、何も起こらないんです。でも、それらを訴えて潰してしまってもおもしろくないんですよ。

 そんな犯罪を犯しながら楽しむって、「それってどうなの?」と思って。だったら真っ白にしましょうというだけのことなんですよ。

――例えば、「ZUNTATAの楽曲を使って、リミックス曲を作りたいんです!」などの申請がきたらどうなるんでしょう?

土屋:もちろん、すべてOKというわけではありませんし、お金をいただくこともあります。無償でということもありますし、それはケースバイケースですね。少なくとも、ちゃんと検討しますし、お返事もします。

――いつか私も、土屋さんの楽曲を使ってリミックスを……いや、音楽センスがないので作れませんが(笑)。

土屋:ぜひぜひ! うれしいです(笑)。制作者個人としては、いろんな人たちに聴いてほしいし、楽しんでほしいです。ただ、権利などの問題が出た時に、それが消されてしまうんですよ。そういうのはもったいないなと思って、それだけなんです。

→土屋さんのオススメする音楽を一挙公開!(5ページ目へ)

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