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2013年10月10日(木)

本日発売される『グランド・セフト・オートV』レビューをお届け! かつてないスケールで描かれた自由度の高いオープンワールドに注目せよ

文:電撃オンライン

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■システムの骨子はシリーズそのままでも手ごたえは別次元!

 本稿の冒頭で、各要素の細密な作り込みにおいても本作は別次元だと述べた。しかし、システムの表層を見ただけでは、本作は従来のシリーズと大きく変わることはない。オープンワールドを散策し、各地でミッションをこなし、時にはゲーム進行とは別に景色を見て楽しんだりする展開は、ファンにはおなじみのものといえる。それでいて、別次元という感想しか思い当たらない理由、それは作り込みのレベルの違い、それに尽きる。

 請け負えるミッション、操縦できる乗り物、プレイできるミニゲーム、見物できる“お楽しみ要素”、そのバリエーションの豊富さはこれまでの比ではなく、かつ各要素のクオリティの高さも他に類を見ないレベルの高さだ。

『グランド・セフト・オートV』 『グランド・セフト・オートV』 『グランド・セフト・オートV』

 主人公のもとにはゲーム中にさまざまな依頼が寄せられるが、これらのミッションをこなすには銃撃戦で敵を倒すだけではない。誰にも見つからないように盗みを働くステルス系のミッションもあれば、何かを探す簡単な仕事など、実に変化に富んでいる。

 広大なマップでの移動には車が欠かせないが、自分で運転するだけでなく、タクシーを拾ってもいい。もちろん、タクシーの運転手を脅して引きずり出し、自分で運転手を勤めることもできる。その気になれば、そのタクシーでお客を拾って賃金を稼ぐ手もある。しかし、普通に接してくれる善良な客ばかりとは限らず、なかには無賃乗車を企てる客までいる。それを笑って見過ごしてもいいし、追いかけて物の道理を手荒に教えてあげるのもプレイヤーの自由だ。車以外にも、水上バイクや自転車、さらに公開されている情報によれば旅客機やパラグライダー、はたまた潜水艇まで隠されているそうだ。

『グランド・セフト・オートV』 『グランド・セフト・オートV』 『グランド・セフト・オートV』

 乗り物から降りて街中をブラリと歩くと、壁にさまざまなラクガキが描かれていることに気づかされる。また、自宅に戻ってテレビをつけると、さまざまな番組を視聴可能だ。テニスコートでは、本家のスポーツゲームにも肉薄するクオリティのテニスゲームに興じることもできる。もっと毛色の異なる気晴らしをしたければ、大人の酒場・クラブで羽を伸ばしたっていい。給仕の女性にプライベートダンスを踊ってもらうこともできるし、もっと親密なこと(?)だってできてしまう。ただし、女性との親密な交流はお店ではご法度なので、いかつい用心棒にも注意して、彼らがヨソを向いたスキに行動を起こす必要があり、なんとまあ凝りに凝っていて、クスリとさせられてしまった。

 上記は、この街の日常のほんのひとコマに過ぎない。これだけやれることがあり、それぞれに熱中させられるだけのクオリティが詰まっているからこそ、その手ごたえは他のゲームのものとはまったく異なるのである。

 もちろん、街にこれだけの要素を詰め込みながらも、シームレス(読み込み待ちナシ)に展開していく。さすがはロックスター・ゲームス、その世界トップクラスの技術力はさることながら、プレイヤーの没入感を極力妨げまいとする、この心意気には頭が下がる思いだ。

『グランド・セフト・オートV』 『グランド・セフト・オートV』 『グランド・セフト・オートV』

 唯一の不満は、音声の吹き替えがなく、英語に堪能ではない筆者はセリフを字幕を追う必要がある点である。車で移動する際、仕事を手伝ってくれる相棒を同乗させていると、その場面ごとに用意された(!)ゆかいなセリフのかけ合いが繰り広げられる。運転に集中したい時にはどうしても字幕までは目で追いきれず、この素晴らしい演出を堪能しきれないのが残念でならない。

 とはいえ、結論としてはこの圧倒的な完成度は“オープンワールドゲーム究極の作品”と呼んで間違いない。“ストーリーモード”を駆け足でエンディングまで進めるだけでも膨大な時間は要するという話だし、“遊び要素”をつぶさに見ていくなら、ゲームに飽きるまでなら、はたして何カ月を要するだろうか。“ゲームに生きる”作品、そう呼称するにふさわしいアクション、それが『GTAV』なのである。

(C) 2013 Rockstar Games, Inc.

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