2013年11月14日(木)
いよいよ明日11月15日にメディアファクトリーから発売される『パズドラ デッキ構築型ゲーム 攻略! メタドラダンジョン(以下、攻略! メタドラダンジョン)』。プロデューサーの森川さんにインタビューを行った。
人気のスマートフォン向けアプリ『パズル&ドラゴンズ(以下、パズドラ)』を題材とした、デッキ構築型カードゲーム『攻略! メタドラダンジョン』。これまで2回に分けてプレイレポートをお届けした本作の魅力を、改めて森川プロデューサーに伺った。
▲インタビューに応じてくれたのは、プレイレポートの際に対戦もした森川亮二プロデューサー。プレイ日数400日をゆうに超えるベテラン『パズドラ』プレイヤーだ。 |
――アプリの『パズドラ』をカードゲーム化しようと思ったきっかけは何だったのでしょうか?
『パズドラ』プロデューサーの山本大介さんといろいろな打ち合わせをしている中で、山本さんの方から「『パズドラ』で『ドミニオン』のようなものがあったらいいですよね」という話がポロリと出ててきまして……じゃあ、作っちゃおうかなということで(笑)。
――具体的に『ドミニオン』という名前が出ていたんですね。
はい。山本さんも『ドミニオン』を遊ばれているみたいで。なのでそういったカードゲームがあったらいいなと前々から思っていたようなんです。でも、こういった硬派なカードゲームはあまり数が売れる市場ではないので、その商談の帰り道では上司と「そうは言っても厳しいよね」なんて言いながら帰ってきたんです。
――日本ではまだまだメジャーではないですしね。
ですが、僕自身はこういったゲームを考えるのが好きだったもので、上司に内緒で1人で作ってしまっていたんですよ。それで上司に見せたところ、作ったのならガンホーさんに一度見てもらおうということになりまして(笑)。そうして今に至るという感じです。
――開発はどこか別のメーカーさんにお願いされたりしなかったのですか?
僕が好き勝手やっているだけです(笑)。試作品ができたら「テストプレイしてほしいので遊べる人は来てください」と社内メールを打つと、結構ワラワラと集まってくれたりするんです。ゲームバランスの調整もその時に行いました。最初は妨害用の“リリス”を基本のセットに入れたりしていたんですが、慣れていない人がやると妨害しあってゲームが進行しなくなったりするんですよね。それを見ながら「このカードは初心者に使わせてはいけないかも?」と思いました。
――そこでバランスを調整していたんですね。
慣れていないと、「よくわからないけど妨害できてる瞬間が楽しい!」という思考になってしまったりするんです。他にも細かいチェックが必要なカードがでてきたりした時は、ゲームに詳しいメンバーを集めてじっくりとバランス調整したりしていました。
――ちなみに開発にはどれぐらいの期間が掛かっているんですか?
最初に試作版で遊んだのが3月ぐらいだったと思うんですが、そこからテストプレイを重ねて……入校したのが8月末だったかと。その前に監修出しをしているので、7月中ごろには全部決まったんじゃないかなと思います。企画自体が動き出したのは、確か2月ごろだったと思うんですよね。
――では本当に今年から動き始めたんですね。
そうですね。別件の打ち合わせをしている中で、『ドミニオン』の話が出たんですよ。それから上司に隠れて影でコソコソと作っていました。家族が寝静まったころにリビングで1人で作業をして(笑)。
――2月から始めて3月に実際作ったとなると、結構スケジュールがタイトだったのではないですか?
楽しみながら作っていたので、タイトだった気はまったくしなかったですね。夜中の2:00ぐらいに1人でテストプレイをして、「この組み合わせだと20分で終わるな」とか「この組み合わせだと40分も掛かっちゃうから上級だな」とか、あれこれ試していました(笑)。
――森川さん自身はボードゲームなどのアナログなゲームはお好きなんですか?
大好きですね。こういった形のアナログゲーム自体を知ったのがこの会社に入ってからなので、そんなに歴が長いわけではないのですが……。以前タカラに勤めていたのですが、タカラでは当時TCG『マジック:ザ・ギャザリング』に力を入れていたこともあって、TCGは下手の横好きでずっと遊んでいたんです。学生時代までさかのぼると、テーブルトークRPGで遊んでいたりもしましたし、どちらかと言うとTVゲームよりはアナログゲームの方を楽しんでいましたね。自分で何か作ってみたいなという思いもずっとありました。
――では今回の『パズドラ』で、その熱意を放出していったんですね。
そうですね(笑)。好きなようにやってしまいました。
――やはり『攻略! メタドラダンジョン』を開発するうえでのイメージは『ドミニオン』だったのでしょうか?
僕もそんなにカードゲームの知識が深いわけではないのですが、デッキ構築型のゲームをいくつかで遊んでみた中で、やっぱり『ドミニオン』が1番楽しかったんです。とはいえ、『ドミニオン』のままゲームを作ってしまったら『パズドラ』らしさがないので、『パズドラ』らしいポイントとしてリーダースキルを取り入れました。リーダーを基準に自分の戦略を立てていくようにすれば、『パズドラ』らしさを残しつつ、デッキ構築型のシステムに落とし込めるのではないかと。
――製作するうえで注意したのは、今作の特徴でもあるリーダーのシステムですか?
そうですね。基本的にはリーダースキルで攻撃力が上がらないとゲームが展開しにくいようにしてあります。『パズドラ』自体、デッキ構築がおもしろいゲームで、モンスター同士の相乗効果であったり、リーダー決めてからのチーム構成を考えたりするのがおもしろいと思っているので。
――チーム編成こそが『攻略! メタドラダンジョン』の特徴であると。
そうですね。私が思う『パズドラ』がおもしろい時って、自分が持っている限られたモンスターで「このダンジョンを攻略するにはどの組み合わせがいいんだろう」といったように考える時なんです。「あのモンスターが居ないからこのモンスターが作れないんだ。じゃあ、あいつが欲しいな」ということでダンジョンを攻略しに行ったり、ガチャを引いたりするところが『パズドラ』のおもしろさだと感じているんです。
→次ページからはカードにフィーチャー!
森川プロデューサーのお気に入りは……?(2ページ目へ)
(C)GungHo Online Entertainment, Inc. All Rights Reserved.
データ