2013年11月14日(木)
――次世代機での開発にあたって、より進化した部分を教えてください。
PS3からPS4では明らかにグラフィックの点で進化があります。ビジュアルの効果が大きいうえ、他にも水の動き、船の操作感や挙動のシミュレーションも、よりリアルになっていることを感じられると思いますよ。
――PS4でのシェアボタン機能は、どのような効果に使われていますか?
海戦中でも、友人や他のプレイヤーに助けを求めることができます。
――プレイするにあたって、重要な点を教えてください。
とても重要なポイントとして、ジャックドー号の強化があります。他の船から守るために、海中やマップ上に点在する資源を集めて、どんどんアップグレードをしていく必要があります。船員の拡充も大切です。自分の船員が殺されたり、戦いによって船員は傷ついていくので、新しい人員が必要になります。ですので、船員を雇い、増やしていくことが重要となります。
――船員たちに歌わせることができるという要素は、今回の試遊でわかりました。
ええ、楽しい要素です。18の譜面が隠されていますので、ぜひ集めてみてください。
――日本のファンに向けてのメッセージをお願いします。
作品のファンになってくれてありがとうございます。PS4で、ぜひ新しい『アサシン クリード』を体験してください。
――今までの『アサシン クリード』シリーズと異なり、ロゴにドクロが入ったりと、変化を感じます。どのような意図をもって変化をつけたのか、教えてください。
今回、海賊の旗と“Assassin”の“A”マークの中にドクロを入れた点についてですが、歴史的に海賊の旗には2本の剣の中にドクロが入るのが一般的です。なので、今作のロゴにドクロを用いたのは、海賊の作品だとわかりやすく認知してもらうためでもあります。ディレクターやライターと密接に連携を取りながら、今作はアサシンの物語であり、さらに海賊の物語であるということが、確実にユーザーの皆さんに伝わるように働きかけてきました。
――プレイヤーがより海賊らしく振舞ってゲームを楽しむのに、必要な要素があれば教えてください。
成功した海賊としてプレイヤーが楽しむために必要なのは、ジャックドー号の強化です。できるだけ早く船を改善し、よりパワフルにしていくことがキーポイントとなります。というのも、よりよい船を持つということは、それだけ敵を倒せるようになるし、資源を集めることも可能になります。大きな船としていくことで、より船長として大きな成功を感じることもできます。
――プレイヤーがキャプテン・ケンウェイとしてプレイするにあたり、つながりを感じられる部分はどういった点にあると思いますか?
エドワードは、物語の初期段階からキャプテンとなりますが、初期のモチベーションは富と名声を手にすることに向けられます。海賊として、わかりやすい成功を求めるわけですね。しかし、次第に自分の人生や自由を獲得することに向けられていきます。プレイヤーの皆さんも、そういった壮大なストーリーに共感してもらえるのではないでしょうか。
――日本のファンに向けてのメッセージをお願いします。
まずは、『アサシン クリード』を好きになってくれてありがとうございます。今作では、我々がどのように海賊の歴史などをどのように理解してきたかを、ゲームを通じて伝えていくので、ぜひそれを感じ取ってくれればと思います。
――どのようにして、黒髭役を演じてほしいと依頼が来たのですか?
最初、オーディションに参加した時はどんな作品なのかがシークレットだったので、カナダのアニメーション作品だと思っていました。2回目のオーディションで初めて『アサシン クリード』のオーディションだとわかりました。私自身がゲームをプレイするので、とても興奮しましたし、これはうれしい機会だと感じました。演技を始めた時期ですが、だいたいゲームが2年のプロジェクトと聞いていたので、私が参加したのは2012年の秋頃、全体の半分が過ぎたくらいから3分の2が過ぎたあたりでした。
――『アサシン クリード』での黒髭役だとわかってからどういった役作りをされましたか?
2つの方法を取りました。1つはリサーチ。海賊というものが一体どういったものなのかを自分なりに調べました。もう1つは、ゲームの台本を読んで役作りをしました。台本には既に、その当時の歴史やルーツといったものがすべて描かれていたので参考になりました。
――モーションキャプチャ技術を用いて演技をされた際に、“動き”で黒髭らしさを表現するのに工夫した点は?
最初のうちは、モーションキャプチャのマーカーに違和感を覚えました。しかし、1日ぐらいをかけて慣れていき、マーカーをつけていることを忘れるほどに演技に集中できるようになりました。海賊の動きに関しては、「自分がそのキャラクターを演じるんだ」という責任感を意識していった時に、自然と動きができるようになっていました。今になってみると、どうやって演じたのかを振り返るのが難しいです(笑)。役者ですから、自然にキャラクターにのめり込んでいきましたよ。演技を始める前日にスタジオ見学をして、自分が演じるキャラクターが実際の画面ではどのように動くのかを、紙面やプロジェクターで見せてもらいました。また、地理的な部分なども、教えてもらいましたよ。
――ゲームに登場する場所の中で、実際に行ってみたいと思うロケーションはありますか?
ハバナです! 本当に美しんだろうなと思います。
――日本のファンに向けてのメッセージをお願いします。
自分の中に眠っている海賊を引き出してください!
――今作の開発には、どのような立場で参加されたのですか?
私が主に担当したのは海賊部分の監修で、海賊同士の会話がリアリティを持っているか、台本に出てきた都市がかつて実在したか、登場する武器は実際にどのように使われていたかなど、といった部分の照らし合わせなどです。私が調査してきた資料を基に、2007年に海賊に関する本を出版しました。ゲームの台本は、この本に基づいて、早い段階からドラフトが組まれました。
――当時の海賊の歴史について教えてください。
歴史的に海賊がもっとも隆盛した時代には、ハバナでスペイン戦争が起き、その後イギリスの植民地化が行われた後に残った人々がジャングルに住むなどしていたところを、海賊たちが統治し、ハバナの街全体を再生したという背景がありました。船を修繕したり、商人的な役割を果たして貿易を行ったり、ブラックマーケットでの奴隷売買や密輸、売春婦の管理を行っていたりしたんですよ。
――海賊の衰退はどのようにして起こったのですか?
疫病の蔓延です。実際に疫病が蔓延した原因として考えられていることとして、カリブ海に到着したヨーロッパ人たちのうち約90%の人が、亜熱帯地域で起こる疫病にかかったということがあげられます。1718年にイギリスからやってきたウッズ・ロジャーズという人物がバハマを統治していたのですが、兵隊として雇ったのが元海賊たちでした。長くカリブ海に住んでいたので疫病に対して耐性があったからです。ただ、ウッズ・ロジャーズを守るのが海賊たちだったということにも問題が生じましたし、バハマでは疫病の蔓延は経済的な困窮ももたらしました。
――海賊たちの生活スタイルはどのようなものだったのでしょうか?
海賊というのは、もともと船員だった人が多いので、歌うことも楽しみの1つでした。船上の暮らしというのは、娯楽が少ないものですから。これまでの調査で、海賊が歌を歌うことを楽しみにしていたという事実描写は見つかってはいませんが、船員たちが歌を歌っていたという調査結果はあります。ですので、今回ゲームではその部分を反映する形で、海賊たちが歌を歌う描写を取り入れたりなどもしました。
――作中に登場する女性海賊が、本当に実在した人物だということが驚きです。
女性の海賊というのはとても珍しいですが、史実では有名な2人の女性海賊がいます。メアリ・リードとアン・ボニーです。彼女たちは男装をし、男性陣と同じような喋り方をして暮らしていました。さらには、2人を捕まえた人物も女性の漁師でした。彼女たちが捕まった際の法的な資料も残っています。我々が思うほど、女性が海に出るということは特別なものではなかったようです。
――当時、あこがれの対象であった海賊像というのは、どういったものだったのでしょうか?
航海や敵船との戦闘などで、常に危険と隣り合わせの集団生活では、やはり決断力あるリーダーシップ性が求められたようです。戦略的な思考を発揮する部分も多く、それはまるで現代の会社のCEOに通じる部分もあったようですね。
――海賊について調べていて一番魅力的だと感じる部分を教えてください。
宝探しのように、「かつては、こうだったのではないか?」という謎解きをしながら歴史を発見していくことです。まるで航海のように、宝物=資料に出会った時などは興奮します。「探しているのはこの資料か!?」といった具合にね(笑)。
→“『アサシン クリード4』ワールドプレスツアー”のレポート記事はこちら
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