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2013年11月20日(水)

『ライトニング リターンズ FFXIII』の1周目はイージーモード推奨! 開発スタッフインタビュー第7回(プロデューサー&ディレクター編)

文:電撃オンライン

■クエストではライトニングのいろいろな面を見せることがテーマ

――『FFXIII』シリーズは、回を重ねるごとに制作期間も短くなっていった印象があります。

『ライトニング リターンズ FFXIII』

鳥山:そうですね。制作期間が短くなっていったのは、『FFXIII』の時に現世代機のゲームエンジンを作って、そのエンジンをバージョンアップしていけたことと、基本的に開発スタッフのコアメンバーが固まっていたという部分が大きいです。阿部が先ほど述べた満足度の話ではないですが、すごくゲームとして洗練されているのが今回の『ライトニング リターンズ FFXIII』です。このクオリティのものを今回と同様の開発期間で作るのは、他ではできないのではないかと思います。そのくらい今回は完成度が高くて、やり込みがいのあるゲームになっていますね。

――それもこれまでの7年間で積み上げたものがあったからということですね。

鳥山:ライトニングというキャラクターをこう表現したいという思いを、開発スタッフのみんなが共通して強く持っていたということもあると思います。

――さまざまなセクションの方々からお話を伺いましたが、皆さんのライトニングというキャラクターへの思い入れを強く感じました。ただ、今回はすべての要素が同時進行で走り出したという点が、これまでとは違って難しかったという声も聞きました。

阿部:期間的な問題で、同時に進めなければいけない部分はありました。ですが、前2作があったお陰で、世界観やキーワードの共有はスムーズにできました。末端のスタッフでも『FFXIII』シリーズで話されているのはこういうことだよねというのをわかったうえで『ライトニング リターンズ FFXIII』に携わることができ、それが時間短縮や同時進行がうまくいった理由だと思います。

鳥山:同時進行するうえで、最初に中心となるゲームのコンセプトとデザインはしっかり固めて臨みました。ワールドドリブンというコンセプトとタイムマネジメントをどう生かすかという部分だけはしっかりと決めて。こうしたコンセプトを立てて、それをしっかり守って作りましょうということは、『FFXIII』から『FFXIII-2』に移行した時以上に、開発工程をスムーズにするために意識して進行させました。

 そんな流れもあったので、『ライトニング リターンズ FFXIII』の立ち上げの際には、コンセプトのプレゼン映像を最初にWebで公開する形となりました。ゲームの画面が完成する前に、早い段階で情報を公開するために、考え方を伝えるところから始めるというのも、今回の新しい試みの1つでしたね。

――シリーズの信頼というか、そうした部分があったからこそ、この流れができたと。

鳥山:今後作品を作るうえでは、こうした形でしばらくやっていきたいと考えています。『ライトニング リターンズ FFXIII』に限らず、次にどんなものを作るかに対して、しっかりしたコンセプトがないといけない。次世代ハードで作るにしても、スマホで作るにしても、なんでも作れる時代ではなくなっているので、その部分は間違えないようにしないといけないと思います。

――『ライトニング リターンズ FFXIII』では、4つの大陸をそれぞれのチームにまかせて制作されましたね。

鳥山:そうですね。今回は、それぞれの大陸の中で何が起こるかというのは、そのチームが作るというイメージでやっていました。これまではストーリー主導で物事を進めることが多かったのですが、今回は世界主導に変えたかったというのが理由です。

 そのチームが考える世界が先に生み出されて、そこから「こんなクエストが欲しいです」という話が来るほうが、『ライトニング リターンズ FFXIII』の形に合っているだろうと。ただ、それをやったお陰で、シナリオ側の作業は大変になりましたが(笑)。

『ライトニング リターンズ FF13』 『ライトニング リターンズ FF13』 『ライトニング リターンズ FF13』

――具体的にはどういった部分が大変でしたか?

鳥山:難関だったのは、すべてのクエストの応酬をライトニングらしく統一感を持って作るという部分でした。それぞれのクエストで、ライトニングのいろいろな一面を見せましょうというテーマがあったのですが、ライトニングならこうするだろうという物事に対応する幅も広くなりました。

 例えば犬や猫といった動物にライトニングが接したらどうなるだろう、女の子や生意気な男の子に対してはどう接するだろう、時にはいきなり恋の告白をされたらどうなるんだろう、など。ライトニングの秘められた一面を描き出すために、いろいろな場面でのライトニングらしさを統一するのは大変でしたね。

――最終的な調整は、鳥山さんのほうでやっていたと?

鳥山:ゲーム全体のイメージはそうですね。カスタマイズとバトルに関しては想像以上のものができ上がりました。

→想像以上のデキとなったバトルの難易度に迫る!(3ページ目へ)

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データ

▼『ライトニング リターンズ ファイナルファンタジーXIII』(ダウンロード版)
■メーカー:スクウェア・エニックス
■対応機種:PS3
■ジャンル:RPG
■発売日:2013年11月21日
■希望小売価格:7,000円(税込)
▼『ライトニング リターンズ ファイナルファンタジーXIII』(ダウンロード版)
■メーカー:スクウェア・エニックス
■対応機種:Xbox 360
■ジャンル:RPG
■発売日:2013年12月3日
■希望小売価格:7,000円(税込)

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