2013年11月16日(土)
3DS用ソフト『ポケットモンスター X・Y』のイベント“ポケモンファンミーティング”が、本日11月16日に神奈川県横浜市のポケモンセンターヨコハマで行われた。
イベントには、本作のディレクターを務める増田順一さんと、サウンドディレクターの景山将太さんが駆けつけ、集まったファンを前にさまざまなトークを繰り広げた。イベントは朝から計3回行われていたが、この記事では3回目の様子をレポートする。
▲「ポケモーニング!」というおなじみのあいさつとともに、ファンの前に姿を見せた増田さんと景山さん。 |
増田さんが開口一番「クリアした人ー!」と尋ねると、ほとんどの人が手を挙げ、すでに殿堂入りを果たしている様子。増田さんによると、発売3週間で“ポケモングローバルトレードステーション(GTS)”で交換されたポケモンは、なんと1千万匹にも昇るという。ミラクル交換などの数は含まれていないので、実際にはもっと多くのポケモンが世界中で交換されているはずと話していた。ちなみに増田さんは、まだカロス発電所にいるのだとか。
続いて司会者から、フェアリータイプを追加した意図を聞かれた増田さんは、これまで『ポケモン』は『ポケットモンスター金・銀』であく、はがねタイプが追加されて以来、ずっと17タイプでバランスを取ってきたと語る。しかし、技“りゅうせいぐん”が登場したあたりから、少しずつバランスが崩れてきたように感じ、バトルディレクターの森本さんと相談して、新タイプの追加に踏み切ったのだという。フェアリータイプの追加によりバランスがどうなったのか、今後控えるポケモンワールドチャンピオンシップスなどの大会が楽しみだと話していた。
そしてここからは、本作の音楽の話題に突入。増田さんはディレクターとして、ゲームデザインやシナリオの他、作曲にも携わっていることから、楽曲についてもたっぷりトークをしてくれそうだ。
まず音楽についてのこだわりについて聞かれた増田さんは、『ポケットモンスター赤・緑』から続く作曲のセオリーを明かした。
1つは、主人公がポケモンを手にして最初に踏み出す道路では、主人公のウキウキした気持ちを表現するため、スキップをしたくなるような軽快な音楽を心掛けているのだという。物語が進むにつれて、音楽も少しずつ変えていくのだそうだ。
2つ目は、道と町の音楽のメリハリ。ポケモンが出てくる道は勇ましい雰囲気に、出てこない町ではそうでない雰囲気にと、切り替えて作曲しているとのことだった。
景山さんは『ポケモン』らしさを大事にしているそうで、口ずさめるようなわかりやすさを心掛けているのだそうだ。
▲キーボードでの演奏を交えながら、増田さんと景山さんが楽曲についてトークを繰り広げた。 |
ここで、『ポケットモンスター赤・緑』と、最新作『ポケットモンスター X・Y』の野生のポケモンとのバトル曲を聞き比べてみることに。『ポケットモンスター赤・緑』の曲は、集まったファンのほとんどには懐かしいものだったが、中には『ポケットモンスターハートゴールド・ソウルシルバー』からポケモンに触れたというキッズたちの姿も。「若いですね~」としみじみ驚く司会者に、客席からは笑いが起こっていた。
そんな懐かしい『ポケットモンスター赤・緑』はゲームボーイのタイトルだ。ゲームボーイの音楽は3音とノイズで構成されているが、ノイズはポケモンの鳴き声などに使っていたため、3音で曲を作っていたのだという。
曲を直接お届けできなくて申しわけないが、その中の1音をベースにして、8分で「ドゥデドゥデドゥデ――」と構成するのが『ポケモン』ミュージックの秘訣だという。増田さんが実際に会場に用意されたキーボードでこのメロディーをひいてくれたのだが、筆者も確かに『ポケモン』っぽい音楽になるなと感じた。このメロディーを、増田さんが試しに一度変えてみたことがあるのだそうだが、『ポケモン』っぽくなくなってしまったという。
ちなみに、野生ポケモンとのバトル曲が一番最初に作られるようなイメージがあるが、今作ではジムリーダーの曲が最初に作られたとのことだ。この曲はシンセサイザーで作られており、増田さんはジムという空間で戦っている雰囲気を表現したかったと話していた。
司会者から作曲へのこだわりについて聞かれた景山さんは、「ゲームミュージックは、ゲームで流れた時に、どれだけ気持ちよく感じられるか」をもっとも大事にしているとコメント。増田さんはそれに加えて、思っているより少しテンションを高めに作った方が、みんなついてきてくれるとも話していた。
ここからは、貴重なゲームの設定資料とともに、本作の登場キャラクターについてのトークが繰り広げられた。
1人目は、主人公にポケモンをくれるプラターヌ博士だ。プラターヌ博士は、従来の博士と異なり、ゲームを少し進めてからの登場となる。代わりに最初のポケモンは、主人公の友だちからもらうのだが、これについては「まず友だちと一緒に、和気あいあいと楽しんでほしかった」とのこと。プラターヌ博士のキャラクターについては、親しみやすい先生のような存在を意識していたのだそうだ。
また、増田さんが本日のイベントに際し、Twitterで募集した質問の中に「プラターヌ博士の研究所でかかる曲は、カロスのテーマのアレンジなのでは?」というものがあったそうだが、これはズバリその通り。4分の5拍子で、キーを変えてアレンジをしているとのことだった。プラターヌ博士はカロス地方の中心でポケモンの研究をしていることから、関連性を持たせたかったのだそうだ。
寄せられた質問の中には、「ゲームの映像を見ながら作曲をすることはあるんですか?」というものもあり、景山さんは「あります」と即答。映像を見ながら作曲することもあるが、実際のゲーム画面を見ながら作曲をできる機会は少なく、そういう時は設定資料やイメージボードを参考にするのだそうだ。
そんな貴重な設定資料は、発売中の攻略本『ポケットモンスター X・Y 公式ガイドブック 完全ストーリー攻略ガイド』や、サントラCD『ニンテンドー3DS ポケモン X・Y スーパーミュージックコレクション』のブックレットなどに収められていると、司会者がちゃっかり宣伝も挟みつつ、続いてのキャラクターへ。
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