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2013年11月23日(土)

やる気のない美少女戦士たちが生まれた理由は? 『ニート系戦隊らぶりぃー・りとる・どろっぷす』の芦屋六月先生に聞く【Spot the 電撃文庫】

文:てけおん

 電撃文庫で活躍する作家陣のメールインタビューをお届けする“Spot the 電撃文庫”。第94回となる今回は、『ニート系戦隊らぶりぃー・りとる・どろっぷす』を執筆した芦屋六月先生のインタビューを掲載する。

『ニート系戦隊らぶりぃー・りとる・どろっぷす』
▲藤丸先生が描く『ニート系戦隊らぶりぃー・りとる・どろっぷす』の表紙イラスト。

 本作は、やる気のない美少女戦士たちに翻弄される真面目な少年を描いたゆるゆるコメディ! “美少女”“純潔”“恋愛をしていない”という条件で選ばれた美少女戦隊。彼女たちには悩みがあった。「恋がしたい!」「勉強時間が減っちゃう」「めんどくさい」……。

 地球を滅ぼそうと襲ってくる敵も、これまた驚くほど、いい加減な奴らばかり。突っ込みどころ満載で危機感のない、ゆるゆるに見える戦いに巻き込まれた少年・亨。いい加減な美少女たちに振り回されっぱなしの彼の運命や、いかに?

 芦屋先生には、本作のセールスポイントや小説を書く時にこだわっているところなどを語っていただいた。また、電撃文庫 新作紹介ページでは、本作の内容を少しだけ立ち読みできるようになっている。まだ読んでいない人はこちらもあわせてご覧あれ。

――この作品を書いたキッカケを教えてください。

 皆さんは、“美少女戦士モノ”のアニメをご覧になったことがありますか? 例えば『美少女戦士セーラームーン』や『プリキュア』シリーズなど。ご覧になったことのある方ならわかるかもしれませんが、そういった“美少女戦士モノ”の多くには、男の子が1人、2人いるだけで、あとはほとんど女の子しか出ていません。もちろん女の子が主役で女の子の視点から描かれるアニメですから、まったくおかしいことはないのですが、もしもそんな美少女戦士の世界を、男の子側の視点から描くとどうなるか?

 するとあら不思議、女の子向けアニメが一転、男の子向けのハーレムものになってしまう。いやいや、これは大変だ。すぐに担当編集者さまに連絡だ。――ということで、この作品は生まれました。

――作品の特徴やセールスポイントはどんな部分ですか?

 いわゆる美少女戦士モノならではのお約束や常識を、彼女たち“らぶりぃー・りとる・どろっぷす”がことごとく破ってくれる展開でしょうか。美少女戦士なのに飲酒。美少女戦士なのに戦いよりプライベート優先。美少女戦士なのに敵と行動する。他にも美少女戦士をサポートするはずの妖精が職務放棄したくまのぬいぐるみだったり。敵のほうがなぜか真人間だったり。……嗚呼、不健全。

 なので、『美少女戦士セーラームーン』や『プリキュア』シリーズなど、既存の美少女戦士を知っている方なら必ずどこかしらでニヤニヤできる箇所が複数あると思います。もちろんそうでない、美少女戦士モノのアニメを見たことのない方でも、王道展開をどこかおかしな方面へと進んでいくものになっておりますので、充分楽しんでいただけるかと思います。

――作品を書くうえで悩んだところは?

 タイトルです。来る日も来る日もタイトルで頭を悩ませました。今タイトル案を数えてみたら、計117タイトルもありました。終盤のほうは何かヤケクソ気味のタイトルが並んでますね。『凡人(俺)と美少女戦士(あの子)の第三次世界大戦的現実逃避(ドロップアウト)』とか、なんだこりゃって感じですね。

――執筆にかかった期間はどれくらいですか?

 だいたい3週間から1カ月くらいでしょうか。途中、顎(あご)にもう1つお口ができちゃったなんてアクシデントなどもありましたが(詳しくは『美少女が多すぎて生きていけない』のあとがきを見てネ☆)、無事、最後まで書き終えることができました。アリガトウゴザイマシタ。

――主人公やヒロインについて、生まれた経緯や思うところをお聞かせください。

 ラノベでは主人公が“やれやれ系”で、ヒロインが健気な性格をしている、というものが多く見られますが、この作品ではその逆を行き、主人公の右代亨が健気に頑張る“ヒロイン系主人公”であり、ヒロインの灯野ゆいかが“やれやれ系ヒロイン”だったりします。

 他にも“無気力系主人公”ならぬ“無気力系ヒロイン”がいたり。動く主人公と動かないヒロインという形になっております。ヒロインが動いたから主人公が動くのではなく、主人公が動いたからヒロインたちが動くと、そんな感じです。それはあくまで物語の世界では主人公がサポート役であり、美少女戦士である彼女たちが主役だからです。

――小説を書く時に、特にこだわっているところはどこですか?

 女の子たちをできる限りかわいく描写してあげられるよう、力を入れております。

――アイデアを出したり、集中力を高めたりするためにやっていることは?

 横になったり、お風呂に入ったり、深夜にひとりでぼーっとしたり。あとは必ずコーヒーを飲みます。ただコーヒーを飲んで集中力が上がるのは良いのですが、同時に息が荒くなり、ドクドクと心拍数が上昇します。大丈夫でしょうか。皆さんもそうなのでしょうか。

――高校生くらいのころに影響を受けた人物・作品は?

 河下水希先生の『いちご100%』です。今考えてみると、映画の道を志したのもこの作品の影響だったのかもしれませんし、今こうして自分がラブコメ作品を書いているのも、この『いちご100%』という作品が無意識下のうちになんらかの影響をもたらしていたからなのかもしれません。偉大です。ほんとに。

――現在注目している作家・作品は?

 私は豊島ミホ先生の小説を数年前に知り、それから好きになって、文庫本が出るたびにちょくちょく読んでいたのですが、つい先日になって先生が小説家業を休業していたことを知り愕然としました。ちなみに休業宣言は2009年ごろだそうで。それを4年間知らなかった私はなんなのでしょうか。

――ゲームで熱中しているものがあれば教えてください。

 先日、ずっとやりたかった『Spec Ops:The Line』をようやくプレイすることができました。最初クリアした時は「うわあバッドエンドだー映画みたいー」とか喜んでいたのですが、何周かやって、そのあとネットで開発者のインタビューを含めた考察を読んだ時、本気でゾッとしました。ある意味、ホラーゲームより不気味でした。

――それでは最後に、電撃オンライン読者へメッセージをお願いします。

 もし美少女戦士たちが悪の組織を倒すことができなかったとき、物語はどうなるのか? 地球は滅びるのか? 美少女戦士たちはどうなってしまうのか? 悪の組織は? ――それらの答えは、意外にもマヌケなものだった。

 これは、悪の組織を倒すことができなかった美少女戦士たちの数年後の物語であり。そしてこれは、そんな美少女戦士の物語を、男側の視点から見た物語でもあります。

 『美少女戦士セーラームーン』や『プリキュア』シリーズなどが好きな方にはぜひ、お手にとっていただけたら幸いでございます。楽しんでいただけると思います。そして美少女戦士に今まで興味がなかった方も、これを機に、ラノベ版・美少女戦士『ニート系戦隊らぶりぃー・りとる・どろっぷす』を読んで、毎週日曜朝8時半はテレビの前に座りましょう!

(C)芦屋六月/KADOKAWA CORPORATION 2013
イラスト:藤丸

データ

▼『ニート系戦隊らぶりぃー・りとる・どろっぷす』
■発行:KADOKAWA
■発売日:2013年10月10日
■価格:641円(税込)
 
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