2013年11月25日(月)
決勝戦は5ラウンドで、3本を先取したチームが世界最強の座に輝くことに。両チームともに念入りな準備を行い、最後の対戦に臨んでいた。エキシビジョンマッチでは日本チームの速攻を防ぎきれなかったタイチームだが、1本目の開始直後から一定の場所にとどまり続け、相手の行動を待つ戦術をとっていた。
対する日本チームはこれまで通り、シャドウチィサーの“フェイントボム”からの“ジャックフロスト”で相手を凍らせ、メカニックの“セルフデストラクション”で一撃必殺を狙うという戦術を採用。しかし、接敵直後に放ったジャックフロストも、メカニックが相手に突っ込んで発動したセルフデストラクションも、タイチームの予防策によって完全に封じられ、あっという間に体勢を崩されて1本目を落としてしまった。
盛り上がる海外チームのエリアとは対照的に、日本のファンが詰め掛けた観客席は静まり返ってしまう。2本目の日本チームは編成を変え、メカニックをルーンナイトにチェンジ。1本目と同様に、日本チームから仕掛けていくが、対チームの完璧な対応に、2本目も失ってしまう。
エキシビジョンマッチの結果とは裏腹に、苦戦する日本チーム。3本目は再びメカニックを編成に入れて挑んだが、同じような展開から切り崩され、全滅を喫してしまった。よって、世界最強チームの座に輝いたのは、5回目のRWC優勝となるタイチーム! 日本チームが敗れたにもかかわらず、客席からは惜しみない拍手が送られていた。
▲優勝したタイチームには、ガンホー・オンライン・エンターテイメントのCEOを務める森下一喜氏から、賞金15,000ドルとトロフィーが贈られた。また準優勝の日本チームにも、賞金7,000ドルがプレゼントされた。 |
――戦いを終えての感想をお願いします。
一言で全員の気持ちを表すのであれば、「悔しい」です。正直、決勝で使用されたマップについては、事前の練習でも苦手意識みたいなものがあったので、それに対して練った策が、あまり出せていなかった気がします。何もできなかったのが悔しいですね。
――以前あったお話で、「プレッシャーなんかないよ!」とのことだったのですが、実際はいかがでしたか?
1カ月半くらいの間、毎日夜遅くまでいろんなチームと練習していたので、プレッシャーはありませんでした。練習の数が、自信につながっていたというのはありました。練習量の差が、リーグ戦という形式の予選で生きたと思います。
――それは例えば、相手の攻撃に対するカウンターとか、味方が崩れてしまったときの対処法といったところでしょうか?
そうですね。ベーシックな展開から、イレギュラーな出来事まで、皆で情報をシェアできていたことが心強かったです。
――予選で台湾チームと当たった時、1本目を落としてしまいましたね。その時はどんな気持ちだったのでしょうか。
正直、負けたと思いました(笑)。あれを落としたことで、余分なプレッシャーを感じてしまったかも知れません。
――中国チームとの戦いでは、2本目に相手が急襲してきたのですが、少し乱れた後に、立て直して反撃できていましたね。
ああいったシーンが、練習で何度もあったので、落ち着いて対処できました。拮抗して相手が引いたら、とりあえず立て直すといった感じで。
――エキシビジョンマッチでタイチームと戦った時に、既に決勝でぶつかることが決定していました。手の内を隠そうという気持ちはありましたか?
それはなかったですね。ただ、ルーンナイトを組み込んだ編成は出さないということだけ決めました。
――それは、切り札の策として取っておいたということですか?
決勝でルーンナイトを出すことを決めていたので、そのためですね。
――エキシビジョンマッチと決勝戦の違いというのは、ありましたか?
タイチームの、ルーンナイトとウォーロックの切り替えですね。あとは地形の要素が大きかったです。決勝戦のマップでは、あの地点で戦うというのを決めていたんでしょうね。それから、団体戦における分析力の差が出たのかと思います。メカニックのセルフデストラクションを決めさせてもらえなかったので、しっかり対策されていたのだと感じました。
――それを受けて、2戦目でルーンナイトを編成に入れたのでしょうか?
それは以前から決めていたことです。3戦目でメカニックに戻したのも予定通りでした。フェイントボムからのジャックフロストで相手を何人か凍結させて、シエナエクセクレイトとかアルージョといったスキルが不発に終わる可能性を極力減らすというのが編成のコンセプトだったのですが、タイチームには通用しませんでしたね。
――来年というか、次回に向けて、どんなことをしていくおつもりですか?
とりあえず、日本大会を勝ち抜くことが次回の目標です(笑)。
――エキシビジョンマッチで他の日本チームの戦いぶりをご覧になって、いかがでしたか?
毎日戦っているので(笑)、いつも通りの動きだなと思いました。「ああ、さすがだな」と。
――タイチームに伝えたいメッセージはありますか?
何も言えないです。完敗(笑)。リスペクトだけですね。
――反省会では、どんなことを話す予定ですか?
反省材料はいっぱいあるので(笑)。練習してきたことに固執してしまったかもしれません。常に先手を打っていこうというのが共通認識だったのですが、そのための犬死にが多かったです。
――練習相手の中で、タイチームに似たチームはありましたか?
編成は、10secondが一緒でした。でも、あそこまで完璧な対策を打ってくるチームはありませんでした。
――応援してくれた日本のファンに向けて、メッセージをお願いします。
一緒に練習してくれたギルドの皆さんに、感謝を述べたいと思います。それと、勝てなくてゴメンナサイ(笑)。
――まずは優勝おめでとうございます!
ありがとうございます(笑)。
――勝利した感想はいかがですか?
エキシビジョンマッチで負けていたので、プレッシャーがありました。その分、喜びもひとしおです。
――勝てた要因は何だと思いますか?
チームワークとプランニングです。予想を立てて、かなり練習してきました。
――日本チームの戦いぶりはいかがでしたか?
こちらはまずディフェンスして、それからカウンターを仕掛けるつもりだったのですが、エキシビジョンマッチではその呼吸が合いませんでした。自分たちのミスで負けたので、非常に悔しかったです。日本は速攻を仕掛けてくるので、それにどう対抗するかを話し合いました。
――エキシビジョンマッチでは、「タイチームは実力を隠していたのでは?」といった意見があったのですが、その辺はいかがでしたか?
そういったことはないです(笑)。
――決勝戦では、日本チームの攻撃を完璧に防いでいました。事前の対策によって、それが実現できたのでしょうか?
攻撃に対してどうカウンターを仕掛けるかには、知恵を絞りました。
――日本チームは、あれほど完璧に攻撃を防がれたのが初めてだったとのことで、非常に驚いていましたよ。
ディフェンスのための練習を、かなり重点的にやってきました。こちらが7人、敵が9人という形式で、普段から練習しているんです。
――それはスゴイですね! エキシビジョンマッチで日本と当たっていなかったら、決勝ではさらにもつれてしまった可能性がありますか?
ルーンナイトを入れた編成を考えていたのですが、スキルのためのゴールドがなくなってしまったので、プランを変えました。
――今日のイベント全体の雰囲気は、いかがでしたか?
ルールが昨年から変わっていたので、対戦はエキサイティングでした。イベント全体はとてもよい環境で、気持ちよく過ごすことができました。日本はコスプレの本場だけあって、コスプレイヤーの皆さんがとってもセクシーで素敵でした(笑)。
――どこか日本で観光をして帰るご予定でしょうか。
明日、浅草などを観光して帰るつもりです。
――来年に向けての抱負と、タイのファンに向けてのメッセージをお願いします。
まずはタイの代表チームにならないと(笑)。ライバルは多いので頑張ります。タイのファンの皆さんには、ビデオメッセージをソーシャルネットワークでもう公開して、優勝の報告とお礼の言葉を伝えました。
――あらためて、優勝おめでとうございます。
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