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2013年12月6日(金)

【ほぼ毎日特集#64】ゲーミングデバイスブランド“Logicool G”のキーマン古澤さんに聞く、ブランドの方向性からプロゲーマー構想まで(megane)

文:megane

 2013年4月、マウスやキーボードなどのPC用周辺機器メーカーで有名なロジクールがPC用ゲーミングデバイスブランド“Logicool G”を立ち上げた。

“Logicool G”
“Logicool G”
▲ゲーミングブランド“Logicool G”ロゴ

 『League of Legends(以下、LoL)』や『World of Tanks(以下、WoT)』といった、PC専用のオンラインゲームが世界的にヒットしており、日本でもヒットの兆しは見えつつあるものの、存在感としては家庭用の据え置き機や携帯機の影に隠れてしまっている。

 そんな中でロジクールが改めてPC用ゲーミングデバイスのブランドを立ち上げた理由はどこにあるのか? 自身も『LoL』のプレイヤーであり、Logicool Gのマーケティングなどを担当しているロジクールの古澤明仁さんにお話をうかがった。

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▲2013年4月に行われた“Logicool G”製品発表会の様子。

■“Logicool G”は拡大するゲーミングデバイス市場への意気込みの証

――2013年4月から立ち上げられた“Logicool G”シリーズについて、始まった経緯などを教えてください。

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▲ロジクール クラスター マーケティング マネージャー 古澤明仁さん。Logicool Gシリーズを含むロジクール製品のほぼすべてのマーケティングを担当する。『LoL』のサモナーレベルは30。

 確かに2013年4月から“Logicool G”としてのブランドはスタートしましたが、実はロジクールはPC用ゲーミングデバイスを発売している期間は、結構長いんですよ。そもそもは“Gシリーズ”として2005年頃から発売していました。つまりゲーミングデバイスとしては8年前からということですね。

 さらにさかのぼるとロジクールは“MXシリーズ”というハイパフォーマンスモデルのシリーズを発売していまして、ゲーマーからの支持が非常に厚かったんです。そして、よりゲーマーに寄り添った活動の1つとして、ゲーム用のブランドを独自に立ち上げることになったのが、Gシリーズになるわけです。

――ちなみにGシリーズを販売開始された2005年前後でのユーザーや販売店からの反響はどういったものでしたか?

 当時の私は全国の売り場をまわる営業を担当していたのですが、いい意味で反響が大きかったですね。当時のマウスのdpiが400から800dpiくらいだったのですが、G5は2000dpiや多ボタンを採用していましたし、さらに複雑なカスタマイズもできるという部分で非常に反響がありました。また、ゲーマーからの反響だけではなくて、プログラマーからも精度の高さと自由度の高いカスタマイズ性能が人気でした。当時、朝に売り場に行って在庫の発注をかけていたんですが、飛ぶように売れていたのを鮮明に覚えています。

――では、もともとあったGシリーズから“Logicool G”へとブランドが変わった理由は何でしょうか?

 eスポーツを筆頭にPCオンラインゲームの市場が盛り上がりを見せています。これに引っ張られるようにゲーミングデバイスの市場も昨今大きく拡大しているんです。ロジクールとしてはブランドを再構築し、次のレベルへという最適なタイミングだったわけです。そういう意気込みを込めて、ブラックパッケージで統一した“Logicool G”というブランドを立ち上げ、既存のゲーマーだけでなく新規のゲーマー層にも広くアプローチするためにブランドを一新しています。

 ですので、ブランドとしては新しいのですが、業界での認知などやゲーミングコミュニティへの参入としては、歴史があるので、今まで行ってきた活動は継続しつつ、新しい試みにも多くチャレンジしていきたいですね。

 ゲーミングデバイスを発売し始めた当初は、マウスコーナーを例に挙げると、売り場では同じブランドの中にゲーム用として置かれることが多くありました。しかし、最近では他社製品も含めたゲーミングデバイスコーナーとして設置されることも多くなりました。。パソコンが売れていないと言われている環境で、ゲーム用の周辺機器の市場は大きく拡大しています。

 製品の単価自体も通常のマウスやキーボードに比べると3倍や4倍高いものが多いのに、販売が好調です。そういった理由もあって、海外メーカーの日本参入も非常に多いというのが、昨今の印象ですね。

――確かに都内の量販店でもゲーム用周辺機器コーナーができている所は多いですね。

 ブランドが立ち上がった4月から9月に至るまで、全国の200店舗にLogicool Gの専用コーナーを設置させていただいているのですが、そのおかげもあって、販売店だけでなくユーザーへの認知もかなり高まったという実感があります。

 また、ロジクールは製造から販売まで一貫して行っている数少ないメーカーの1つですので、同じマウスをとってもゲーム用と一般用では、製造工程がまるっきり違うんです。

 個人的に自分が気に入っているマウスは『G602』なんですが、このマウスが開発される際に「ゲーマーがマウスを握ると、どこに圧力がかかるのか、どこに熱がこもるのか」などといった部分を科学的に解析し、形状や素材を決めるというところから始まっているんです。

 ゲーマーは、やはりよくも悪くもクリックする回数が通常のオフィスでの仕事などに比べると多いですから、使うスイッチについても耐久性を高くしないといけない。ゲーム用では2000万回のクリックに耐えられるような設計にしています。これもラボ(研究所)で数カ月かけて実際に耐久テスト用の機械でクリックし続けて検証しているんですよ。

 Logicool Gが掲げる1つのテーマとして“SCIENCE WINS(勝利の方程式)”というものがあります。科学的にゲーマーをいかに勝利に導くか、そういったところをテーマにして商品の設計を作りこんでいます。ですので、“形がカッコいい”とか“光る”といった見た目の部分も重要だとは思いますが、ゲームに勝つためにどのような機能があればいいのか、という部分を科学的に実証して、製品に組み込んでいます。そこは他社と比べても自信のあるポイントですね。

→Logicool Gの製品ラインナップについて(2ページ目へ)

(C)2013 Logicool

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データ

▼『Logicool G602』
■メーカー:ロジクール
■対応機種:PC
■発売日:2013年9月13日
■希望小売価格:オープンプライス
 
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