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2013年12月11日(水)

『ドラッグ オン ドラグーン3』レビュー。シリーズファンが考察する鬱と狂気を秘めたヨコオタロウ節と、シリーズ最新作としての評価【電撃DOD3】

文:タダツグ

『ドラッグ オン ドラグーン3』

 スクウェア・エニックスが12月19日に発売する、PS3用ARPG『ドラッグ オン ドラグーン3』。今回は、シリーズ作品すべてを遊んでいる担当編集・TDBの視点で、本作を遊んだレビューを掲載していきます。

 シリーズ10周年記念作品ということもあり、ヨコオタロウさんや藤坂公彦さん、岡部啓一さんに柴貴正さんと、豪華スタッフが勢ぞろいして制作している本作。物語は“ウタウタイ”と呼ばれる6人の美女たちと、白き竜を中心に展開していきます。“地上戦”、“地上決戦”、“上空戦”という、3つのフィールドで展開する戦闘では、アクション性バツグンのバトルを楽しめるのも特徴となります。

『ドラッグ オン ドラグーン3』 『ドラッグ オン ドラグーン3』
▲ミステリアスな物語と、爽快感バツグンのアクションバトルが『DOD3』の魅力の2本柱!

 さて、まずは簡単に自己紹介を。ニコニコ生放送の“電撃DOD3”にもコメンテーターとして出演しておりますので、ご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、私、TDBこと松下は、『ニーア』を含むすべての『DOD』シリーズの記事を担当してきました。

 ストップ&ゴーを駆使して『DOD1』の新宿はクリア済みですし、『DOD2』では3周目の難易度に血の涙を流しながら、エクストラバトルセレクターを出現させました。まぁ、3周目の再生の卵は、今プレイしてもクリアできる自信はまったくありませんが。もちろん、『ニーア』は1回●●●データが●●ております。

 それなりに瞳の色は紅いと自負している僕ですが、この『DOD3』をプレイした今、シリーズ中で最も愛着が深い作品になりそうな予感を感じています。

『ドラッグ オン ドラグーン3』
▲ちなみに、ゲームプレイ前はファイブが気になっていた僕ですが、今ではフォウちゃんが大のお気に入りに。ただ、一番好きなのはゼロとミハイルだし、ワンやトウやスリイも捨てがたい。使徒の連中も味があるし……って、みんな大好きだよ!! 

■随所からヨコオ節を感じるストーリーこそが『DOD3』の華!!

 さっそくですが、まずは皆さんが最も気になっているであろう、物語について。シリーズ作品をすべて遊んでいる僕としては、最初、ちょっとやそっとのサプライズでは驚くことはないだろうと考えていました。いくらヨコオタロウさんといえど、紅い瞳の信者を自称する身としては、今さら簡単に驚くことはないと思っていた時期が、僕にもあったんです。

 ……甘かった。甘すぎましたね。具体的なネタバレはもちろん避けますが、オープニングからして度胆を抜かれましたからね。まさかこんな演出を持ってくるとは。悔しいですが、僕は初見で「おうふっ」と変な声が出るほど、見事に釣られてしまいました……。

『ドラッグ オン ドラグーン3』
▲オープニングのスクリーンショットはあえてお見せしませんが、ゲーム開始1分でいきなり衝撃を受けることに……。なんというか、今回の竜は罪深い(?)子ですよ。

 プレイを始めてからも、進めるごとに押し寄せる2重3重に張り巡らされたサプライズに、とにかく圧倒されっぱなしでした。あんなにネタバレが大好きなヨコオさんや、プロデューサーの柴さんがかたくなに口を閉ざしていた理由も、遊んでみて納得です。

 このたたみかけるような仕込みの数々……正直、今回初めて『DOD』に触れる人も、僕と同じく10年来のファンにとっても、まさかの展開だらけだと思います。絶対に自分の手で遊んで、その衝撃を体験してほしいですね。●●●●との●●シーンの演出とか、スタッフ(特にヨコオさん)の狂気(!?)を感じずにはいられません。

 いろいろな意味で濃密な物語が展開しますので、皆さん本当にお覚悟を。

『ドラッグ オン ドラグーン3』 『ドラッグ オン ドラグーン3』
▲抽象的な書き方になっちゃってすいません。でも、ネタバレを知らずにゲームを遊んだほうが絶対おもしろいですよ! どのゲームもそうでしょうけど、特に『DOD3』はそう感じます。
『ドラッグ オン ドラグーン3』
▲“ブックセレクタ”で同じステージをいくらでも再プレイ可能。物語を何度も楽しめるのはもちろん、僕みたいなアクションがうまくないプレイヤーには、レベル上げ的な意味でうれしい要素です。

 とはいえこれだけは書いておきたいのですが、この『DOD3』のストーリー展開や演出については、ファンの間でも好みが分かれるかも……と思っています。あくまで個人的な意見ですが、それだけ振り切った内容なので。正直に言うと、とにかく圧倒されるとともに「これは『DOD』なのか?」と思った部分は、僕にもいくつかありましたからね。

 ただ、プレイを進めるごとにどんどん物語にノメり込んでいき、先が気になって仕方なくなってしまったのは間違いないところ。上げて、下げて、また上げて……と思ったらガツンとナナメに下げてと、とにかくプレイヤーの感情を揺さぶる物語だと感じました。

『ドラッグ オン ドラグーン3』
▲ゼロとミハイルを主軸にすえたこの物語。遊べば遊ぶほど、先が気になって仕方がありませんでした。

 そして、いくつもの分岐を越えてたどりつくラストシーン。皆さんはきっと、ものすごい衝撃を受けることでしょう。その瞬間、喜怒哀楽のどの感情が湧き上がるかは、人それぞれだと思います。少なくとも僕は、物語で描かれるさまざまな狂気や感情の揺れと、それらすべてを飲み込むラストシーンのカタルシスこそがヨコオ節というか、『DOD』の真骨頂だと考えているので、本当に大満足の内容でした。

→『DOD』シリーズが愛される理由を分析(2ページ目へ)

(C)2013 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.
Character Design : Kimihiko Fujisaka.

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データ

▼『ドラッグ オン ドラグーン3 設定資料集+ザ・コンプリートガイド』
■プロデュース:アスキー・メディアワークス
■発行:株式会社KADOKAWA
 
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