2013年12月16日(月)
アナログゲームの制作者と、その人が作ったゲームを一緒に遊んで戦略やテクニックを勉強させていただく“ほぼ毎日特集”の企画“制作者は本当にゲームが上手いのか?”。
今回のゲームは、さまざまなフリーゲームを制作・公開し続けているステッパーズ・ストップのポーンさんが制作し、冒険企画局から発売された1人用のカードゲーム『シェフィ-Shephy-』。
1匹のひつじを1,000匹以上に増やすのが目的の、ほのぼのしている(けど自然界はひつじに厳しい)本作のリプレイを写真多めでお届けします。お相手してくださったのはステッパーズ・ストップのポーンさんと、冒険企画局の魚蹴さんです。
ポーン:2000年ごろからステッパーズ・ストップという自身のサイトで、フリーゲームなどを多数公開し続けている。代表作は『雪道』『たゆみ。』『絶対的人狼』など。本作ではゲームデザイン&イラスト&ストーリーを担当。
魚蹴:冒険企画局所属の作家。代表作は『マルチジャンル・ホラーRPG インセイン』のリプレイなど。別名では小説も出している。本作ではディレクションを担当。
梅津爆発(以下、爆発):思考系ゲームならアナログ・デジタル問わずなんでも大好きなフリーの編集者。『シェフィ』はゲームマーケットで購入してプレイ済み。
▲ひつじのイラストに癒される、このパッケージが『シェフィ』の目印。 |
▲ほとんどのカードにひつじが描かれている。カッ、カワイイ! |
ではさっそく実際に遊んでみたリプレイをお送りします。本作は1人用ゲームのため、魚蹴さん、梅津爆発、ポーンさんという順で1人1回ずつ挑戦してみました。なおゲームのルールは非常にシンプルですので、リプレイ記事内で説明しています。
魚蹴:では私から始めさせていただきます。よろしくお願いします。
爆発:魚蹴さんのプレイを見ながら、ポーンさんにはいろいろコメントしていただければと思います。
ポーン:わかりました。
▲プレイヤーへ最初に与えられるのは1ひつじカード(写真左)と、5枚の手札(写真左下)。手札を使ってカードに書かれた効果を処理しながら、フィールドに1,000ひつじカードを置くのが目的です。 | ▲魚蹴さんの初期手札はこちら。カードのなかにはひつじを減らしてしまう悪い効果を持つものも。 |
ポーン:これはいい初期手札ですね。このゲームは悪い効果を持つカードをどうやって処理するかが問題になるんです。“地に満ちよ”を使うと1ひつじカードを好きなだけ(フィールドに置けるひつじカードの上限は7枚まで)得られるので、それらを使って悪いカードを簡単に処理できます。
爆発:手札にはすでに、3枚のひつじカードを手放す“メテオ”もありますからね。
ポーン:はい。“メテオ”は一度使えば以降のゲームには登場しなくなるので、これを“地に満ちよ”で処理できるのは序盤の最善の展開かもしれません。
魚蹴:では“地に満ちよ”を使います。
▲“地に満ちよ”の効果で1ひつじがフィールドを埋め尽くす。そしてカードを使ったあとは、手札が5枚になるまで山札から新たなカードを引くことに。引いてきたのは悪いカードの“落石”。 |
爆発:ひつじカードのイラストがすべて違うというのは、手が込んでますよね。すべてポーンさんが描かれたのでしょうか?
ポーン:そうですね。気が付いたらいろいろなひつじを描いてました。
魚蹴:“メテオ”使います。
▲1ひつじカード3枚を手放し“メテオ”を処理。続いて“狼”(最大のひつじカード1枚を選び、1ランクダウンする。1ひつじなら手放す)を使い、1ひつじカードをさらに1枚手放してこの状況に。 |
ポーン:悪いカードを序盤に消費できるのはいい流れですね。とくに“落雷”を1ひつじカードで処理できるのは運がいいです。これは1,000ひつじどころか限界の7,000ひつじも狙えるかも。
▲“落雷”でさらに1ひつじカードを手放したあと、ひつじカードを1枚コピーできる“産めよ”を使用。新たに引いてきた“万能ひつじ”は、手札の好きなカードの代わりに使用できる強力な1枚。 |
▲ここで“統率”(複数のひつじカードを選び、数を足して1枚にする。ただしお釣りなし)が使われて、1ひつじカード×3が3ひつじカード1枚に。このようにランクの高いひつじカードを入手していき、時間切れ(後述)までに1,000ひつじカードをフィールドに置ければ勝利。 |
▲“過密”は2枚以下になるまでひつじカードを手放す悪いカード。ただし最初から2枚以下ならばノーリスクで使用できる。まさにベストなタイミングで使用できた。続いて使用した“繁栄”(ひつじカードを1枚選び、その1ランク下のカードを3枚得る)の効果で1ひつじカードを3枚獲得。 |
▲“霊感”は山札を見て好きなカードを1枚手札に加え、残りのカードをよく切る強力なカード。魚蹴さんはじっくり考えてから“統率”を手札に加えた。 |
ポーン:“霊感”は、運ゲーの要素を下げるために入れているカードですね。
▲“黄金の蹄”(最大でないひつじカードを好きなだけ選び、それぞれ1ランクアップする)を使い、1ひつじカード3枚を3ひつじカードにランクアップ! 直後に“統率”を使用して4枚のカードをまとめ、10ひつじカードを得た。 |
爆発:“黄金の蹄”は使うタイミングが難しいカードですよね。ひつじカードが1種類のときは使えませんし。
魚蹴:「もっと効果的なタイミングがあるんじゃ?」という目でポーンさんが見てますね(笑)。……うーん、“万能ひつじ”使ってしまおうかな。
▲オールマイティな“万能ひつじ”を“対策ひつじ”(手札を1枚追放し、以降のゲームで登場させなくする)の代わりとして使用し、悪いカードの“疫病”(ひつじカード1種類すべてを手放す)を追放。これにより手札は3枚になるため、山札からカードを2枚補充して次の局面に。 |
爆発:ちなみにこのゲームのクリア率って、慣れたらどれくらいなのでしょうか?
ポーン:慣れたら95%くらいの確率で1,000ひつじには到達できると思います。よほど初期で手詰まりな手札にならない限りはクリアできるんじゃないかと。
▲“増やせよ”(3ひつじカードを得る)を使用し、次は“産めよ”を使って合計23ひつじに。 |
爆発:ちなみに、この3匹は何をやってるんですか(笑)?
ポーン:もちろん、ただじゃれあってるだけですよ(笑)。
▲引いてきた“産めよ”を再度使用し、次に引いたのは……。 |
▲ひつじたちの天敵“シェフィオン”。これを使うとひつじカード7枚を手放さなければならない。フィールドに置けるのは7枚までなので、使った瞬間フィールドにひつじがいなくなってゲームオーバーに! ここでは“対策ひつじ”で“シェフィオン”をゲームから追放した。 |
爆発:このゲームは手札をすべて使い切らなきゃいけないルールじゃないですか。だから最初に“シェフィオン”を見たとき「えっ、これどうするの!?」と思ってしまいました! そのあとすぐに、いらない手札を捨てるカードがあることに気付きましたが。
ポーン:まさしく「どうするんだろう」と思われたい一心で入れたカードですね。
▲山札がなくなったのでこれ以上は手札が補充されず、残ったカードもすべて使い切る必要がある。ここでは“牧羊犬”(手札1枚を捨てる)を使い、悪いカードの“嵐”(ひつじカード2枚を手放す)を捨てた。 |
▲残る2枚のうち、まずは“落石”(ひつじカードを1枚手放す)を使い、次に“暴落”(枚数が半分になるまでひつじカードを手放す。奇数の場合は手放す枚数の方が1枚少なくなる)を使って1周目が終了。 |
爆発:魚蹴さんの1周目は10ひつじ×2という結果でしたが、この結果はいかがですか?
ポーン:まあいいんじゃないですか(笑)。
魚蹴:とくに言うべきことはないということですね(笑)。
爆発:そして敵ひつじカードを90度回して2周目に進みます。敵ひつじというのは、同じことをやっているライバルなのでしょうか?
ポーン:そうですね。見えないどこかで敵ひつじたちも同じようなことをやってると思ってください。
▲追放したカード以外を山札にして2周目がスタート。初期手札はこの5枚で、最初に“過密”が使われた。なおゲームは3周目で終了。それまでに1,000ひつじカード(合計1,000ではダメ)をフィールドに置ければ勝利となる。 |
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