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2013年12月28日(土)

元攻略担当による3DS『モンハン4』感想&レビュー。プレイ時間は約200時間、シリーズ通算では3,000時間ぐらい【電撃オンラインアワード2013】

文:野村一真

 『MH4』を含むシリーズ通算プレイ時間は、たぶん3,000時間ぐらい。凄腕ハンターではないけれども、それなりに『モンスターハンター』シリーズをプレイしている37歳のおっさんハンター・野村一真でございます。2013年12月現在のメイン武器は、大剣、ハンマー、片手剣。このあと、ランス、ガンランス、弓あたりを触ってみたいと思っています。ハンターランク(HR)は現在60。寝落ちせずに『MH4』を約200時間プレイしているわりには、やや低めのハンターランクなんじゃないかと思いますが、じっくり味わってプレイする形を今作ではとっています。

『モンスターハンター4』

 さて今回は、“電撃オンラインアワード2013”の一環として、9月14日に発売された3DS用ソフト『モンハン4』の感想・レビューのようなコラム記事を書いてみました。また、最後のページには、編集部員による寄稿も掲載しています。恐縮ではございますが、最後までお付き合いいただければ幸いです。

 私は過去に『MH2(ドス)』『MHP 2nd』『MHP 2ndG』『MHP 3rd』の攻略本を制作した編集者でもあります。全部載っていないなど、いつも厳しいご意見をいただいておりますが、そこは事情ということでお許しいただきたく思いつつも、そう言われるよな~と思いつつも、近年は電撃オンラインに異動して、攻略本の制作からは数年離れていたりします。

『モンスターハンター4』

 ここでちょっと横道にそれて、攻略本を制作していた頃を思い出してみます。攻略本制作にはメーカーさんからの資料提供が欠かせないわけで、いただいた攻略データを何度も見て、ひたすら実機プレイで確認し、それを記事に落とし込む……みたいな作業を繰り返します。

 攻略本の裏事情的なアレコレについては、ずっと昔にこの連載記事で書いた記憶がありますが、それはさておき、電撃オンラインに異動した結果、攻略本制作は行わなくなりました。そういうわけで『MH4』は下知識がない状態でプレイしまして、改めて『モンスターハンター』はおもしろい、すごい、なるほどな~と思ったことがたくさんあります。

『モンスターハンター4』

 特に今回は、いわゆる趣味プレイで『モンスターハンター4』を楽しんでいまして(現在進行形)、モンハンフェスタ’13 大阪大会の会場で辻本プロデューサーにお会いしたとき、「モンハンの攻略本を作らなくなったら、めっちゃモンハンが楽しいです。今回のMH4、楽しすぎます!」みたいなことを、つい言ってしまったぐらいです。社会人で編集長なのに。で、辻本さんからは「野村さん、今日は取材ですよね? ユーザーさんみたい(笑)」と言われたわけですが、すみません、大阪大会ではまさに1人のユーザーでした。また、インタビューさせていただいたときも1人のユーザー的な視点でして、そのタイミングで個人的に疑問に思っていたことを、辻本さん、藤岡さんにぶつけさせていただきました。その節は、無邪気で失礼しました。

『モンスターハンター4』 『モンスターハンター4』

■物欲センサーについて、今一度考えてみる

 さて、いろいろと脱線しましたが、『モンハン4』のおもしろさという点で、まず最初に思い浮かぶのが、“物欲センサー”とか、そういった言葉で表現されるアイテム・素材を集めるおもしろさ(物欲)があげられます。物欲の流れはいろいろとありますが、一例としてはこんな感じだと思います。

(1)Aという武器が作りたい
(2)そのためにはBというモンスターの素材がほしい
(3)Bを狩るためには現在の武器では力不足なのでCという武器が必要
(4)Cを作るためにはDというモンスターの素材が必要

『モンスターハンター4』

 もちろん、別の流れでも物欲は発生し、「Dというモンスターを狩ったら、複数の素材を入手できたので、別の武器Eを作りたくなった」みたいなこともあります。こうしたことが果てしなく繰り返されるのが『モンハン』シリーズのゲームデザインでして、ぶっちゃけエンドレスな物欲です。アイテム・素材収集の妙はシリーズを通じて普遍的で、もちろん『MH4』でも変わらないところとなっています。

 で、なんでこれがおもしろいのかと言うと、プレイヤーキャラクターであるハンターに“レベルというパラメータが存在しない”からだと思います。RPGを例にすると、プレイヤーキャラクターにはレベルが存在していて、経験値などでそれが上がり、パラメータが成長していきます。この成長要素(レベル)が存在しないから、武器・防具の“性能”に依存することになり(厳密には、食事効果やスキルなど、その他の要素も影響します)、その結果、アイテム・素材収集のおもしろさが際立つわけです。成長という点では、武器や防具に強化という要素があることから、そういう点ではRPG的ではありますが、その際も素材が必要なわけで、これもまたアイテム・素材収集につながっています。

『モンスターハンター4』

 オールドゲーマーの方にはご理解いただけるかと思いますが、『Wizardry』とある意味似ています。『Wizardry』のアイテム収集に近しい楽しさであり、すごく端的に言うと、『モンスターハンター』はキャラクターのレベルという要素がない、『Wizardry』的なゲームデザインだとも言えるでしょう。

『モンスターハンター4』

 アイテム・素材収集を楽しませるうえで欠かせない要素は、正直、私では想像しきれないほど多数の要素が複雑に絡み合っています。ゲーム自体のテンポ、モンスターの強さ、ゲーム全体の雰囲気、アクション性、etc。なんとなくの印象ですが、今回の『MH4』では、アイテム・素材収集が今までのシリーズに比べて冗長じゃない印象を受けました。これには、ゲームのテンポやアイテムの入手確率などが関係していると思いますが、開発スタッフの皆様がこうした根幹の部分を相当練られたんじゃないでしょうか。シリーズを重ね、気持ちよさ、遊びやすさで進化を続けている、アイテム・素材収集でもそんなことを感じました。

→アイテム・素材収集が主なのか、それともモンスターが主なのか?(2ページ目へ)

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データ

▼『モンスターハンター4』ダウンロード版
■メーカー:カプコン
■対応機種:3DS
■ジャンル:ACT
■配信日:2013年9月14日
■価格:5,990円(税込)

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