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2014年1月23日(木)

『東京魔人學園伝奇』インタビュー:學園ジュヴナイルの名手・今井秋芳監督のルーツを探る【最新作『魔都紅色幽撃隊』発表記念特別企画】

文:長雨

 『東京魔人學園伝奇』『九龍妖魔學園紀』といった“學園ジュヴナイル伝奇ADV+RPG”で知られる今井秋芳監督へのインタビューをお届けする。

 今井監督によるファン待望の完全新作PS3/PS Vita用ソフト『魔都紅色幽撃隊』が、アークシステムワークスより2014年4月発売予定で現在開発中だ。この新作発表を記念して、今井監督と金沢十三男プロデューサーへのインタビューを実施。“學園ジュヴナイル伝奇ADV+RPG”のルーツを探るとともに、最新作にかける熱い意気込みをお届けする。

 今回は、“學園ジュヴナイル伝奇ADV+RPG”というジャンルの誕生秘話や、記念すべき1作目『東京魔人學園剣風帖』などの世界観構築についてお話を伺った。


◆『東京魔人學園伝奇』シリーズとは?

 今井秋芳監督が手掛ける“學園ジュヴナイル伝奇ADV+RPG”シリーズの1つで、ゲームをはじめ、ラジオやコミック・小説、ドラマCDやアニメなど、さまざまなメディアミックス展開が行われた。

 シリーズ1作目となる『東京魔人學園剣風帖』は、PS用ソフトとしてアスミック・エースエンタテインメントから1998年6月16日に発売された(PS版はゲームアーカイブスで配信中。後にマーベラスAQLよりDSでリメイクされた)。

“學園ジュヴナイル伝奇ADV+RPG”インタビュー “學園ジュヴナイル伝奇ADV+RPG

 2作目となる『東京魔人學園外法帖』は幕末を舞台とするもので、PS用ソフトとしてアスミック・エースエンタテインメントから2002年1月24日に発売。後にマーベラスAQLより、追加シナリオなどを収録したPS2用『東京魔人學園外法帖血風録』が発売された。

 その他、ゲームの関連作品として、『剣風帖』のファンディスク的な『東京魔人學園剣風帖朧綺譚』や、シリーズの世界観を踏襲したカードゲーム『東京魔人學園符咒封録』などが存在する。

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◆『魔都紅色幽撃隊』開発スタッフ プロフィール

今井秋芳監督:“學園ジュヴナイル伝奇ADV+RPG”の生みの親。独自の世界観と、若者たちの青春群像劇を描いた作品群は多くのファンに愛され続けている。

金沢十三男プロデューサー:『夜想曲』をはじめとした赤川次郎サウンドノベルシリーズなど、ミステリやホラージャンルを得意とするプロデューサー。今井監督とはゲームボーイアドバンス『東京魔人學園符咒封録』でもタッグを組んでいる。

“學園ジュヴナイル伝奇ADV+RPG”インタビュー
▲「今井監督はここにいますよ」と金沢プロデューサー。仲よく肩を組んで(?)写真撮影を行った。(今井監督はデビュー以来、一貫して顔出しNGであることで有名)

■そもそも、なぜ今井監督と金沢プロデューサーのタッグが実現したのか?

――まったく違うジャンルで活躍されていたお2人ですが、どのような経緯で今回の『魔都紅色幽撃隊』で組まれることになったのでしょうか?

金沢:はるか昔、僕がゲームの開発会社を探していて、その時に今井さんを紹介してもらったんですよ。それからちょくちょく遊ぶようになって2人でダーツに行ったりしていました。

 その当時、今井さんが『東京魔人學園剣風帖』を作っていることは知っていて、飲みに行った時もすごく語っていたので、熱い人だなと思いましたね。ただ伝奇ものは自分の分野ではなかったので、今井さんがんばってねと思っていました(笑)。

今井:そう、金沢さんはミステリーとかホラーなんですよね。

“學園ジュヴナイル伝奇ADV+RPG”インタビュー

金沢:なんだかんだ、これまで一緒に仕事をしたことは少ないんですよ。一緒に作ったのはゲームボーイアドバンスの『東京魔人學園符咒封録』くらいですね。

今井:2人とも『マジック:ザ・ギャザリング』が好きだから、カードゲームが作りたくて『東京魔人學園符咒封録』を作ったんですよね。

――一番最初の『剣風帖』のころからとなると、かなり長いおつき合いになりますね。

金沢:お互いに24~26歳くらいからのつき合いなので、かれこれ15、6年になります。

今井:それで金沢さんから「何か企画ないの?」って声をかけてくれたんですよ。そこでこんなのあるよと見せたのが、今回の『魔都紅色幽撃隊』です。

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▲長年の友人である今井監督と金沢プロデューサー。そんな2人が、お互いの得意分野を生かして生み出しているのが、この『魔都紅色幽撃隊』だ。

金沢:その企画を聞いた時に、軽くプレゼンをしてくれたんですよ。話を聞いて、いいねとなりまして。テーマが《霊》で、僕の得意な分野でもありましたしね。そこで企画書をまとめて、誰かと組めないかなと思っていた時にアークシステムワークスさんと話す機会があって、とんとん拍子で制作がスタートしました。

→誰も作らなかった青春ものへの挑戦(2ページ目へ)

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データ

▼『アークシステムワークス25周年記念 公式キャラクターコレクション』
■プロデュース:アスキー・メディアワークス
■発行:KADOKAWA
■発売日:2013年10月24日
■定価:3,360円(税込)
※B5判256ページ(フルカラー)
 
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