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2014年1月10日(金)

オンラインでのプレイがさらに快適に! PS3版『機動戦士ガンダム EXVS.FB』のDLCについても開発者が語る

文:えまぬえる

■より快適な遊びを実現したオンライン要素

『機動戦士ガンダム EXTREME VS. FULL BOOST』

――アーケードモードもオンライン協力プレイが可能になりましたが、オンライン専用のルートは用意されているのでしょうか

大久保:アーケードモードのシーン内容に関してはオフライン、オンラインとも同じ内容になっております。異なる点としては、オフラインではブランチバトルモード中では次のシーンを選択できますが、オンラインでは選択中に待たされてしまうパートナーのストレスを考慮して、基本は最初に選んだブランチのルートを一本道で進んでいきます。アーケードでは隣にいる友だちと次のシーンを話し合って決めることができますが、家庭用のオンラインではそれができないのでパートナーが苦手なルートを選択してしまう可能性がありますからね。

 ただし、本来なら特定の条件をクリアしないと出現しない特殊なシーンがあるルートを新たに用意しております。

――今回、オンラインでプレイするにあたって“オンラインパス”が必要になるようですが、こちらの仕組みを詳しく教えてください。

『機動戦士ガンダム EXTREME VS. FULL BOOST』
▲『テイルズ オブ』を始めとするRPGシリーズを作ってきた福崎さん。『ソウルキャリバー レジェンズ』を経て、『EXTREME VS.』ではネットワークやシーケンス周りを担当していた。

福崎:オンラインパスはSony Entertainment Networkのアカウント1つにつき、1つ必要になります。パッケージに1つ含まれており、ダウンロード版に関してはダウンロードしたアカウントに自動的に適用されます。ご家族でプレイしていて複数のアカウントを作りたい場合は、追加でオンラインパスを購入することができます。

――この“オンラインパス”を導入した意図はどこにあるのでしょうか?

福崎:ユーザーの方から、サブアカウントに対しての抑制をしてほしいという要望が多かったためです。導入にはかなり悩んだのですが、そもそもネットワーク対戦の仕組みを作っていく中で階級や勝率など、プレイヤーの強さに合わせたゾーニングをつけようとした時、サブアカウントがあると根本的に意味がなくなってしまう。その抑制を含め、導入に至りました。

――ちなみに、追加のオンラインパスの価格は?

小菅:弊社の過去タイトルと同じく1,000円(税込)です。オンラインパスを登録したアカウントであれば、ずっと無料で遊べるのでご安心ください。

――他にも、前作からネットワーク対戦での変更点があれば教えてください。

福崎:ゲーム性の問題でもありますが、それぞれネットワーク環境の違うすべてのプレイヤーを1つのマッチング状態の中に放り込んだ時、全プレイヤーが快適に楽しくプレイできるのは不可能なんです。その次善策としてゾーニングを行い、回線状態が良好なプレイヤー同士はもちろん、回線状況が悪いプレイヤーでも、それに見合った楽しみができるようにしました。

大久保:せっかくマッチングしても、回線状況が悪いからルームが解散されてしまうと悲しいですからね。

福崎:また、先ほども話にあがりましたが、前作ではルームを作った際にホストの負担が多いという問題点がありました。参加中のプレイヤーの回線状況をチェックしたり、ルームのプレイ条件に満たないプレイヤーをキックしたり等々、やることが多かったんですよね。

 他にも、部屋を解散させる時に事前連絡なしに実行することになり、心苦しい思いをさせてしまっていました。そういった部分を鑑みて、今作ではイロイロな制限をかけることや、ホストが参加中のプレイヤーに向けてメッセージを送信できるようにしました。

『機動戦士ガンダム EXTREME VS. FULL BOOST』 『機動戦士ガンダム EXTREME VS. FULL BOOST』

――それはいいですね。

福崎:また、ルームを作ってからの経過時間や、ルーム中だけの勝率ランキングなども見れるようになっています。使用機体のコスト制限や、ランダムのみで戦うなど、さまざまな制限が付けられるようにしました。使い方はユーザーの皆様次第ですが、こちらで遊びのバリエーションを提案できたと思います。

『機動戦士ガンダム EXTREME VS. FULL BOOST』

大久保:ルームの参加数も最大12人に拡張しました。対戦相手の組み替えが多くなり、今までよりも勝ち抜け側同士がマッチングしやすくなって、オンライン対戦がさらに活性化するかと思います。

福崎:他にも、マッチングの仕組みも調整されています。前作では、どのチームに入るか決まってから機体を選んでバトルを開始する流れでしたが、機体選択のところで誰か1人でも目を離してしまうと、他の3人が待ちぼうけしてしまうということがありました。今回は機体を先に決めてから4人のマッチングを決定するので、マッチングが成立した瞬間からストレスなく対戦が楽しめます。

 ネットワーク環境さえ整っていれば、アーケード版とそん色のないレベルでオンライン対戦を楽しめる。そこは前作ですでに実証できているとは思いますので、今作ではゾーニングやマッチングの部分で整えることを重点的に取り組みました。

――新たに追加されるプレイヤーナビやゲージデザインといったカスタマイズ要素について、説明の方をお願いします。

『機動戦士ガンダム EXTREME VS. FULL BOOST』

大久保:カスタマイズ機能は、アーケード版でモバイル会員様限定(有料)で提供させていただいているサービスと近しいものです。ユーザーの皆様から「家庭用でもカスタマイズしたい」という要望が多かったので、それに応えるカタチでDLCとして導入しました。

――これらのカスタマイズ要素のDLC配信予定を教えていただけますか?

小菅:ラインナップは豊富に用意するつもりです。これだけ多くのガンダム作品が登場している分、ニーズも多岐に渡るので“カスタマイズ”である以上、少しでもそれに応えたいので。ただ、いきなりすべてのカスタマイズ要素を提供しても、ユーザーの皆様が選択するうえで混乱してしまうだろうということで、段階を踏んで配信する予定です。トップメニューの“カタログ”というインゲームストアから購入する形式になっており、それを1週間ごとに更新していく予定です。

福崎:本作のカスタマイズ要素は、あくまでもファンアイテムです。対戦の有利不利に影響するものではないので、全部買っていただくというよりも自分が好きなものをかいつまんで購入していただければと思います。

小菅:プレイヤーナビのハロは常時無料配信、デフォルトゲージの色違い“FULLBOOST[赤]、[黒]、[緑]”も無料配信します。他にも特典キャンペーンなどで先行無償で手に入るゲージをいくつか用意しています。まずはこちらを使っていただいてカスタマイズがどういうものかを試してもらい、気に入ったら他のものを購入していただければうれしいです。

『機動戦士ガンダム EXTREME VS. FULL BOOST』 『機動戦士ガンダム EXTREME VS. FULL BOOST』
▲無料配信されるプレイヤーナビのハロ。▲初回封入特典としてシリアルコードが封入されるゲージデザイン“プラモランナー”。こちらは“ガンダムパーフェクトゲームス”とのキャンペーン特典だ。
『機動戦士ガンダム EXTREME VS. FULL BOOST』 『機動戦士ガンダム EXTREME VS. FULL BOOST』
▲ゲージデザインを変更すると、また違った気持ちでプレイできる。好みで購入してみては?

――アーケード版では、プレイヤーナビ、ゲージデザインの他に称号がカスタマイズ要素としてありましたが、こちらはいかがでしょうか?

大久保:PS3版では、カスタマイズ要素からあえて称号を外しております。称号はいろいろなパーツを組み合わせて作られるのですが、各パーツがアニメーションをする関係で処理が重くなってしまうんです。

福崎:それに加え、今作ではオンライン時のカスタムサウンド機能対応を行っていることや、諸々の家庭用特有の処理が見えない部分でバトル中に追加されています。1つ1つの要素としてはそこまで重くないんですが、これらの要素をすべて盛り込んでしまうと処理落ちしてしまうんですね。最終的に称号かカスタムサウンド機能のどちらかという選択になりまして、今回はカスタムサウンド機能を選んだ次第です。オンラインプレイを快適にするためということでご理解いただければと思います。

『機動戦士ガンダム EXTREME VS. FULL BOOST』

――今回、『ガンダム』シリーズから数多くの楽曲を対戦中に楽しめる限定版『プレミアムGサウンドエディション』が発売されますが、こちらを用意した経緯を教えてください。

小菅:さかのぼると、本シリーズでは『連邦vs.ジオン』のころから、作中のボーカル曲がアクセントとして使われていて、『ガンダムVS.ガンダム』からボーカル曲がメインになりました。アニメの主題歌がこれだけ豪華に流れるのは他のガンダムゲームにはない『ガンダムVS.』シリーズの特徴でもあります。『EXVS.』シリーズになってグラフィックや機体数、オンライン要素やゲームシステムなどが“極限進化”していく中、今回は楽曲に関しても“極限進化”しようということで限定版という形で“極限収録”しました(笑)。

――バンダイナムコゲームスさんの他のタイトルでもカスタムサウンド機能に対応した限定版が発売されましたが、こちらが好評だったからということではなく、もともと企画されていたということでしょうか?

『機動戦士ガンダム EXTREME VS. FULL BOOST』

小菅:弊社の製品なので、営業的側面で別の商品で好評だったことは背景としてはありますね。今作も前作同様に皆さんがお持ちの音楽CDを使ってカスタマイズしてもらうことも可能です。とはいえ、全ユーザーが数多あるガンダムのCDを手元に持っているわけではありません。また、カスタム設定するための手間もありますので、こちらが用意した楽曲データで気軽に使って遊んでいただきたいということで用意させていただきました。

 この商品を発表後、かなりの反響があったのでニーズはあったと感じてます。収録曲に関しては、選曲に悩みました。過去作を振り返ったときに『FB』に収録されていない曲であったり、選定から外れがちのED曲や挿入曲など、戦闘に直結しないけど作品を象徴する曲は意図的に選択しています。ただ、曲はガンダムというくくりとは別で、1曲ごとに複数に渡る権利が存在するものですので、こちらで自由に好きなだけ使うということはできません。曲ごとに交渉したうえで許諾いただけたものが、最終的に採用されています。なので、今回の限定版の形態もそうですし、一度採用された曲が今後も同じようにゲームで流れるかは、その時の状況次第になると思います。

――今もありましたが、『プレミアムGサウンドエディション』の収録曲について、もしエピソードがあれば教えていただけますか

福崎:オリジナル曲で実はお蔵入り寸前になっていたものが1曲収録されています。前作のボス戦曲のアレンジで、海外でオーケストラ収録したんですが諸事情でアーケードでは使用していませんでした。『プレミアムGサウンドエディション』を作るにあたり、何かネタがないかと探した時、この曲が候補としてあがりました。曲名すら決まっていなかったのですが、ようやく日の目をみることになります(笑)。

小菅:また、2014年がガンダム35周年ということで、35曲を収録させていただきました。

次ページでEx-SガンダムやDLCについて質問!

(C)創通・サンライズ

データ

▼『機動戦士ガンダム EXTREME VS. FULL BOOST(エクストリームバーサスフルブースト) プレミアムGサウンドエディション』ダウンロード版
■メーカー:バンダイナムコゲームス
■対応機種:PS3
■ジャンル:ACT
■発売日:2014年1月30日
■価格:10,980円(税込)
▼『機動戦士ガンダム EXTREME VS. FULL BOOST(エクストリームバーサスフルブースト)』ダウンロード版
■メーカー:バンダイナムコゲームス
■対応機種:PS3
■ジャンル:ACT
■発売日:2014年1月30日
■価格:7,980円(税込)

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