『World of Tanks』で人気の戦車を攻略せよ！ 注意しなければならない車両の特徴と対策!!【めざせ！ 戦車道免許皆伝 第15回】

文：田中尚道

　自分で使った時にはさほど強くないものの、敵陣営にいるとイヤな感じの戦車というのがあります。史実のアメリカ軍でも、【Tiger】を見つけたら1対1の交戦は避けるようにとの指示が出ていたように、重装甲・高火力・高機動力の戦車は要注意です。

　これら3つの要素をすべて備えた戦車は、『World of Tanks（ワールド オブ タンクス）』（以下、『WoT』）には存在しません。そのうちの2つ要素を持つ戦車はプレイヤー間でも“強戦車”と呼ばれていますが、1つの要素だけが突出している戦車でも、ことによっては手を焼くことがあるでしょう。今回はそんな戦車の傾向と対策。イヤな戦車を先に見つけて倒すことができれば、その後はずいぶんと楽になりますよ。

■足の速さがシャレにならない高機動戦車

　とにかく足が速く、その姿が見えていてもちっとも弾が当たらない高機動戦車。攻撃力や防御力、その他の性能は特に脅威ではないのですが、戦場を縦横無尽に駆け回られることで、味方戦車の多くが敵陣営にスポットされ、その配置が知られてしまいます。

　さらに、味方から見えている戦車がその軽戦車だけという状況が多いので、こちらからの攻撃が集中しやすいのですが、この状況がかなりのクセモノ。足が速いから、弾がなかなか当たらない。ついでに、この軽戦車から見えていなかったはず後方の戦車も、この軽戦車を射撃することによって隠蔽率が低下し、芋づる式に発見されてしまいます。

　いったん見られてしまえば、味方戦車の配置がこの軽戦車から敵陣営に無線で送られるので、動き回る軽戦車に気を取られているうちに、後方にいる敵戦車から激しい攻撃が飛んできます。さらには自走砲からの遠距離射撃も始まると、まぁ一方的にボコボコにされてしまうことがあります。むろん、腕が立つ軽戦車と手馴れた後詰めがいてのことですが。

　高速で走り回る軽戦車に誘い出されて、むやみに攻撃を行うのは愚の骨頂。無論、草原のような見晴らしの良い地形であれば、速度が一定であることを利用した偏差射撃（予測射撃）で撃破できますが、障害物が多い地形ではこれもなかなか難しい。小学生のサッカーのように、見えている敵を皆で追いかけるのではなく、このような状況では安全な場所に退避しましょう。あるいは、その軽戦車が近くに来た時に進路をふさぐ形で追突（ラミング）すれば、相手にダメージを与えつつ、足を止められるかもしれません。

　一番ダメなパターンは、その場でじっとしていること。スポットされた自分の位置が、時間の経過で敵から見えなくなったとしても、動かないことが分かっていれば相手は同じ位置を予測して撃ってきます。例えば、自分が最上位Tierの重戦車で、弾を1発も撃つことなく撃破されてしまった場合は、味方陣営は相当なハンデを背負ってしまうことを肝に銘じましょう。もちろん、自分自身も申しわけない気持ちでいっぱいになりますが……。

　こういった軽戦車に対処するには、ダメージを受けた味方の戦車にトドメを刺しにきたところが狙い目。射撃時は止まることが多いからですが、まれに行進間射撃で弾をばらまいてさっそうと走り去っていく軽戦車もいるので、あわてず騒がず、冷静に狙いをつけて足止めしましょう。

●要注意戦車その1！

【Pz.Kpfw.Ⅰ Ausf.C】［軽戦車］（Tier III）

　ドイツ開発ツリーのTier IIIで登場する【Pz.Kpfw.Ⅰ Ausf.C】は、最高速度が79km/hと、『WoT』でも最速の部類に入る軽戦車です。装甲は正面30mm、その他が20mmなので、まったく脅威ではありませんが、ナメてかかると貫通力の高い7.92 mm Mauser E.W.141（ダメージ量と貫通力で2cm Flak 38L/112とあまり差がなく、4倍の弾薬をリロードなしで発射可能）で少なからぬダメージを被り、かつ後方の敵戦車から痛い一撃を食らってしまうことがあります。さらに、こちらの背後を取るのも得意で、とにかく近寄ってきては、マガジンが空になるまで弾を打ち込んできます。砲塔の旋回速度、砲弾の装填時間にもよりますが、大口径砲を持った戦車で戦う時は、特に相性の悪い相手と言えるでしょう。

　むろん、冷静に対処すればこちらの砲撃で消し飛ばすことも可能ですが、大概はあわてて外すことが多いハズ。近寄られたら全力で離れるべし。また駆逐戦車や自走砲を使っている場合も同様です。旋回砲塔を持たない戦車の場合、車体の向きを変えている間にほぼ撃破されます。

【ELC AMX】［軽戦車］（Tier V）

　一部ではゴキブリという通称で呼ばれているフランスの軽戦車。とにかく速く、車体が小さく、さらに車高も低いという、高機動戦車へ有利に働くすべての条件を兼ね備えています。さらに、最終砲の90mm D.915の攻撃力は、Tier Vとしてはとても優秀です。

　その特性上、戦闘序盤ではあまり撃ってくることはありませんが、布陣のスポットが完了した後は、攻撃支援車両に早変わりします。何せ通常徹甲弾でも170mmの装甲を貫通し、ダメージは240もあります。まぁこの戦車、1954年に開発されているので、他のTier V戦車と比較するとオーパーツのような存在かもしれません。空挺戦車として開発されたため、車体が軽く、登坂性能も高いので始末に負えません。唯一の欠点は、日本の軽戦車程度の装甲しかないこと。こちらの弾が当たらなければ、体当たりで撃破しましょう。

→高火力戦車のアウトレンジ攻撃に注意！（2ページ目へ）

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