2014年1月29日(水)
KADOKAWA アスキー・メディアワークスブランド カンパニーは、東京都内にて第15回電撃コミックグランプリの贈呈式を1月24日に開催した。
第15回電撃コミックグランプリは、次世代のコミッククリエイターの発掘、育成を目的とした合同コミック新人賞。10代~20代の男性読者を対象とした“少年マンガ部門”と10代~20代の女性読者を対象とした“少女マンガ部門”の2つにてオリジナル作品を募集し、部門ごとに賞を選出していく。
最終選考委員はアニメ脚本家の大河内一楼氏、マンガ家の高河ゆん氏、綱島志朗氏、『テイルズ オブ』シリーズ統括プロデューサーの吉積 信氏、アスキー・メディアワークス第3編集部部長の梅澤 淳氏の5人が務める。
少年マンガ部門からは優秀賞4組5人、奨励賞2人が選出、少女マンガ部門からは準グランプリ2人、奨励賞1人が選出された。なお、少年マンガ部門のグランプリおよび準グランプリ、少女マンガ部門のグランプリおよび優秀賞は該当作品なしとなっている。受賞作品の詳細については公式サイトを参照してほしい。
▲司会は荘口彰久さんが務めた。 |
『となりの田中くん(仮)』櫛灘ゐるゑさん
『ささやかなのが俺は好き』佐倉田モニさん
『ルルナの魔法は教科書にないっ!』tamagoさん
『ミルモ様が見てる』ねこ末端さん
『あかずの(ま)!』上下さん
『おせわさま』ぬっくさん
『そして王子は夢を見る』粟島漣さん
『放課後グラース』なま子さん
『魔法の国』深嶋しょう子さん
開催された贈呈式では、まず主催者を代表してアスキー・メディアワークス ブランドカンパニー長の塚田正晃氏が登壇し、合併してKADOKAWAとなってからのアスキー・メディアワークスのコミックへの取り組みの姿勢などについて語った。
▲アスキー・メディアワークス ブランドカンパニー長の塚田正晃氏。 |
塚田氏は「KADOKAWAとなり会社が大きくなりましたが、編集自体はこれまでのアスキー・メディアワークスと同じく、作家さんときちんと向き合って、小回りが利くようになっています」と語り、受賞者に対して「皆さんが手に入れたものは、賞金やトロフィーというよりも、きちんと向き合える編集者、営業など大きな力でサポートするメンバー、アジアをはじめとする海外へ進出するためのパスポートを手に入れたと思ってください」と述べた。
受賞者への贈呈の後は、少年マンガ部門について選考委員を代表して吉積氏より総評と各受賞者へコメントが贈られた。
全体の総括としては、平均点が高く、粒ぞろいの作品が多くあったとコメント。一方でグランプリと準グランプリが選出されなかったことからわかるように「どこか飛び抜けていたり、尖った作品が少なかった」と述べた。また、受賞者1人1人に対して、作品に対する感想とアドバイスが贈られた。
続いて、少女マンガ部門について高河ゆん氏より総評と各受賞者へのコメントが贈られた。
高河ゆん氏は、少女マンガ部門に数多くの作品が集まったことについて、「アスキー・メディアワークスの少女マンガの未来は明るい」とコメント。グランプリが選出されなかったことについては、例年と比べると圧倒的な作品がなかったからと話、高河ゆん氏からも作品に対する総評およびアドバイスが贈られていた。
また、受賞者たちの今後のマンガ家人生について「これから相手にしていくのは私たち審査員ではなく読者」と述べた。これは投稿された作品に対して、編集者や選考委員はできるだけいいところを探そうとするが、読者はそういうところは一切ないということを意味している。
また、アドバイスとして「マンガを描いていて孤独を感じることはあるけれども、基本的にマンガ家は孤独なものなので、その孤独に耐えられる人だけがマンガ家を続けることができる。自分を信じていってほしい」と語った。
▲アスキー・メディアワークス 第3編集部 部長の梅澤 淳氏。6000作品ほどが生み出されているコミックの世界に飛び込んでいく受賞者に対して、「自分の武器=個性を見極めて、自分にしか出せないものを出していってほしい」と語った。 | ▲アスキー・メディアワークス コミック戦略室 室長の江口 聡氏。電撃コミックグランプリから電撃大賞のコミック部門“電撃コミック大賞”に変わることを説明。オリジナルコミック、コミカライズ、コミック原作の3部門を募集する。 |
最後に、アスキー・メディアワークス 副ブランドカンパニー長 第2編集部 統括編集長の鈴木一智氏が登壇し、受賞者に対して作家としてのこれからに関する話を行った。鈴木氏は、若い作家に「プロとしての心構えはどうしたらいいか」と聞かれた際には「絶対に折れるな」と答えているとのこと。
▲アスキー・メディアワークス 副ブランドカンパニー長 第2編集部 統括編集長の鈴木一智氏。 |
これは部数やネットからの声といった外的要因の他、“なぜか書けなくなる”という内的要因の2つにぶち当たっても「折れない」で欲しいという意味が込められている。鈴木氏はさらに「逆境に陥った時に書き続けて抜け出す底力、それがプロの力である」と続けた。
最後に「皆さんは電撃コミックグランプリというものを勝ち抜いてきた才能と実力があります。書き続けて行けば必ず報われると信じていますので、がんばってください」と語った。
●賞(各部門共通)
・大賞=正賞+副賞 300万円
・金賞=正賞+副賞 100万円
・銀賞=正賞+副賞 50万円
●最終締め切り:【コミック部門】2014年5月30日(当日消印有効)
締め切り後、1次~3次の選考を行い、最終候補作を選出。2014年8~9月に、選考委員により大賞および各賞の受賞作品を決定します。
その他、詳細については電撃コミック大賞の公式サイトを参照のこと。