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2014年3月2日(日)

『第3次スパロボZ 時獄篇』発売前の今こそ遊ぶべき! PS2アーカイブスで配信中の『スーパーロボット大戦Z』の魅力とは?

文:デルチ

 バンダイナムコゲームスから、1,500円(税込)で配信されているPS2アーカイブス『スーパーロボット大戦Z』。『Z』シリーズの幕開けとなった本作の概要と魅力を、『スーパーロボット大戦』シリーズ特集担当ライター・デルチがお届けしていきます。

『スーパーロボット大戦Z』
『スーパーロボット大戦Z』

 バンダイナムコゲームスから4月10日に発売予定のPS3/PS Vita用ソフト『第3次スーパーロボット大戦Z 時獄篇』は、PS2から続いてきた『Z』シリーズ最終章の第1部ということもあって、ファンの期待が集まる作品です。しかし、中には『Z』シリーズそのものをプレイしたことがないという人や、プレイしたけど忘れてしまったという人もいるのではないでしょうか?

 そんな皆さんのために、PS2アーカイブスで配信されて手軽に遊べるようになった『Z』シリーズの原点『スーパーロボット大戦Z』に注目してみました! 参戦作品やストーリー、覚えておきたいキーワード、システムといった基本的な知識から、本作の魅力まで様々な要素を紹介していくので、この記事を読んで興味を持った人は、ぜひダウンロードして遊んでみてくださいね。

 それではさっそく、参戦作品から見ていきましょう!

■参戦作品一覧(★マークは発売当時の初参戦作品)

★ オーバーマン キングゲイナー
THE ビッグオー
★ THE ビッグオー 2nd SEASON
無敵超人ザンボット3
無敵鋼人ダイターン3
戦闘メカ ザブングル
機動戦士Zガンダム
機動戦士ガンダム 逆襲のシャア
機動新世紀ガンダムX
∀ガンダム
機動戦士ガンダム SEED DESTINY
マジンガーZ
グレートマジンガー
ゲッターロボG
UFOロボ グレンダイザー
★ 宇宙大帝ゴッドシグマ
★ 創聖のアクエリオン
★ 交響詩篇エウレカセブン
★ 超時空世紀オーガス
★ 宇宙戦士バルディオス
★ 超重神グラヴィオン
★ 超重神グラヴィオンツヴァイ

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 全22作品中、なんと9作品が本作で『スパロボ』初参戦なのです! これまで『スパロボ』シリーズをプレイしていた人にとっても、新鮮な顔ぶれが多いということで話題になりました。個人的には『オーバーマン キングゲイナー』や『宇宙戦士バルディオス』の新規参戦、そして『スーパーロボット大戦α外伝』以来となる『∀ガンダム』や『戦闘メカ ザブングル』の参戦がうれしかったですね。さて続いては、『スーパーロボット大戦Z』のストーリーを見ていきましょう。

■『スーパーロボット大戦Z』男主人公ルート プロローグ

 地球という星からかつての文明と自然環境が失われ、それぞれの地域がそれぞれの社会と文化を形成している時代。歴史の中で人類はさまざまなものを失いながらも新たに何かを作り上げてきた。

 北半球最大の大陸の大半を統治していた特権階級“イノセント”の社会は、彼らが作り上げた新人類“シビリアン”の手により終わりを告げた。また、その他地域を治めていた中央政府は15年前の第7次宇宙戦争の災禍により、一時は崩壊寸前まで陥りながらも、その統制を取り戻しつつあった。

 そして、その状況は中央政府と敵対していた宇宙革命軍も同様であった。さらに、それらに不干渉の立場を貫いていた“月の民”も彼らの悲願に向けて、行動を開始しようとしていた。

 世界が大きな変動を迎えようとしている中、人々は今日の糧を得るために精一杯生きていた。自分たちの未来に何が待ち、そして、その過去に何が起きたのかも知らないまま……。

 プレイしたことがなかったとしても、ロボットアニメ好きであれば、プロローグを読んだだけで、“イノセント”や“第7次宇宙戦争”、“月の民”といった単語を見てニヤニヤできてしまうんじゃないでしょうか? プロローグを読んでいろいろとイメージをふくらませるのも、『スーパーロボット』大戦シリーズのだいご味だと思うんですよね。続いては、ストーリーと一緒に覚えておきたいキーワードも紹介します。

■覚えておきたい『スーパーロボット大戦Z』のキーワード

 『Z』シリーズの物語は、さまざまな作品の世界観が混在する“多元世界”を舞台に展開していきます。ここで紹介するのは、その特殊な世界観を紐解くうえで欠かせないものになります。『Z』シリーズを通してのキーワードでもあるので、しっかりと覚えておいてくださいね。

ブレイク・ザ・ワールド……時空震動弾の影響で、さまざまな世界が混在する“多元世界”を誕生させた事件の名称。

多元世界……次元の壁の崩壊“ブレイク・ザ・ワールド”にて誕生した新世界。あらゆる並行世界、時間軸が混在した世界で、事件後に“多元世紀”という暦に改められる。地球のみならず、あらゆる星系で時空転移などの異常現象が発生する不安定な世界。

相剋界(そうこくかい)……“ブレイク・ザ・ワールド”にて生じた、地球を覆う堅甲な層。相剋界が厚い場所では、宇宙と地球の行き来はできないが、この層は外部の強力な力にて破壊することができる。

UN……“UNIVERSAL NETWORK”の略で、ユーエヌとも呼ばれる。新地球連邦が複雑化する“多元世界”の情報の一元化を目的に設置した情報網。“相剋界”の影響で従来の通信手段を失った人類にとって、テレビやインターネットの基盤となる重要なシステム。

次元力……事象を操ることができるとされているエネルギー。“オリジン・ロー”とも呼ばれ、その力を手に入れた者は太極に至り、世界のすべてを制すると言われている。

スフィア……次元力を制御するとされている謎の機関。それを所有する者の感情に強く反応し、時には搭乗する機体にすら影響を与えることもある。全部で12個あるとされ、それぞれが黄道十二宮の星座の名で呼ばれる。


■オリジナルキャラクター

 『スパロボ』シリーズと言えば、ゲームオリジナルの主人公も魅力の1つですよね。『スパロボZ』では、男主人公と女主人公の2タイプから主人公を選択可能で、男主人公がスーパー系、女主人公がリアル系の機体となっています。ここでは、主人公とあわせて『スパロボZ』の物語の格となるオリジナルキャラクターたちも紹介していきますよ!

●男主人公

ランド・トラビス(声:川原慶久)
『スーパーロボット大戦Z』
▲デザイン:河野さち子

 さすらいの修理屋“ビーター・サービス”を営む男で、“ザ・ヒート”を自称する豪快な熱血漢です。しかし、頭に血がのぼるとやり過ぎてしまうことが多く、周囲からは“ザ・クラッシャー”と呼ばれることもあります。なお、本人はそのあだ名を非常に嫌っており、耳にすると急激に機嫌が悪くなります。

 年齢は27歳で、『スパロボ』シリーズの主人公キャラクターとしては年長者の部類に入りますね。そのワイルドな風体と“ザ・クラッシャー”というあだ名から、プレイ前は熱血タイプの乱暴者なのかな~と思っていましたが、実は思いやりのあるキャラクターで、かなり頭の回転が速い印象を受けました。

●パートナー

メール・ビーター(声:相沢舞)
『スーパーロボット大戦Z』
▲デザイン:河野さち子

 ランドの師匠であるシエロ・ビーターの娘で、ビーター・サービスでは営業と経理を担当しています。性格は勝気でお茶目。10歳くらいの外見をしていますが、これでも16歳です。自称・ランドの婚約者である他に、ガンレオンのサブパイロットも務めます。

 単にランドのパートナーというだけでなく、ストーリー的にも大きなかかわりを持っていたりするキャラクターです。それと、戦闘中のデモに登場する姿やセリフがやたらとカワイイので、戦闘の際はじっくりとチェックしてもらいたいですね。

●男主人公機体

ガンレオン
『スーパーロボット大戦Z』
▲デザイン:Mがんぢー

 ランドとメールが搭乗する修理用の大型ロボット。機体各所に装備された工具と手持ちの巨大工具“ライアット・ジャレンチ”を使って、小型機から大型艦までさまざまなマシンの修理をこなします。戦闘でも強大なパワーを発揮するため、ランドたちは用心棒として雇われることもよくあるみたいです。特徴的な戦闘BGMがクセになるんですよ。当時はちょっとした話題になっていました。

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●女主人公

セツコ・オハラ(声:高口幸子)
『スーパーロボット大戦Z』
▲デザイン:河野さち子

 地球連邦軍の戦技研究班“グローリー・スター”所属の新人パイロット。階級は少尉。19歳。生真面目な性格で、与えられた任務や役割を懸命に果たそうとするところがあります。しかし、自信のなさと気の弱さから物事に対して消極的なところがあり、内心では軍人という生き方が自分に向いているかを疑問に思っているようです。

 ストーリー部分でも、そうした描写が多いです。また地球連邦軍に所属しているためか、カミーユやエマ、アムロなど『ガンダム』シリーズのキャラクターとのエピソードが多いですね。

●パートナー

トビー・ワトソン(声:近藤隆)
『スーパーロボット大戦Z』
▲デザイン:河野さち子

 “グローリー・スター”所属のパイロットで、隊のサブチーフを務めています。階級は中尉で22歳。別部隊のエースパイロットだったのですが、その腕が評価されてグローリー・スター発足時に配属となります。陽気で口数が多い、隊のムードメーカーといったキャラクターです。

●パートナー

デンゼル・ハマー(声:石川ひろあき)
『スーパーロボット大戦Z』
▲デザイン:河野さち子

 “グローリー・スター”の隊長を務めるパイロットで、階級は大尉。実戦経験豊富なベテランですが、実に柔軟で、部下の面倒見もよい“上司にしたいタイプのキャラクター”ですね。トビーは“同僚にいると楽しいタイプ”ではないかと。

●女主人公機体

バルゴラ(1号機)
『スーパーロボット大戦Z』
▲デザイン:明貴美加

 セツコが搭乗する人型機動兵器。同時期に開発された全領域対応汎用武装システム“ガナリー・カーバー”の運用を前提に調整された機体です。機体の能力に特筆すべき点はありませんが、柔軟な関節構造を持ち、新兵からベテランまですべてのパイロットの要求に応える高いポテンシャルを有しています。

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●その他

アサキム・ドーウィン(声:緑川光)
『スーパーロボット大戦Z』
▲デザイン:河野さち子

 すべてが謎に包まれた黒衣の青年。その目的は不明ですが、さまざまな場面でランドやセツコたちの前に姿を現します。はたして、敵か味方か……?

シュロウガ
『スーパーロボット大戦Z』
▲デザイン:大張正己

 アサキム・ドーウィンが駆る漆黒の人型機動兵器。すさまじい運動性を誇り、圧倒的なスピードで敵を翻弄(ほんろう)するように立ち回ります。強力な武装を数多く装備していますが、パイロットであるアサキム同様、詳細のほとんどが謎に包まれています。

ツィーネ・エスピオ(声:斉藤梨絵)
『スーパーロボット大戦Z』
▲デザイン:河野さち子

 アサキムの協力者であり、彼とともにさまざまな場面で姿を現す謎の女性。非常に攻撃的で感情の起伏が激しいですね。アサキムのことを慕っているようで、作中では彼に対して一途に想っていることをうかがわせる描写がよく挿入されます。

カオス・カペル
『スーパーロボット大戦Z』
▲デザイン:田野邊尚伯(プレックス)

 ツィーネ・エスピオが搭乗する機動兵器で、スピードと幻惑的な動きで敵をかく乱します。女性的な外観ですが、高いパワーを持ち、格闘戦を得意とする機体です。


■好きな機体で小隊を組める、進化した小隊編成システム!

 次は、『スーパーロボット大戦Z』のシステムを見ていきましょう。本作は、プレイヤーが任意のユニット最大3機で小隊を組む“トライバトルシステム”を採用しています。『Z』シリーズの前に展開していた『α』シリーズで採用されていたシステムと似ていますが、大きな違いはコストによる編隊制限がなくなったところ! これはうれしい変更でしたね~。これによって、自分の好きな組み合わせで小隊を編成することが可能になっています。

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▲スーパー系だけで組んだり、原作を再現したりと、思い通りの編成が可能になった“トライバトルシステム”。編成をササッと終わらせたい人のために、自動編成機能もあるのがうれしいですね。

 “トライバトルシステム”にはもう1つ大きな特徴があります。それが“フォーメーション”の形成です。“トライ”、“センター”、“ワイド”の3種類のフォーメーションを戦況にあわせて使い分けることで、幅広い戦い方が可能になるのです。

トライ・フォーメーション

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 “トライ・フィーメーション”は、援護防御ができることと、敵からの全体攻撃時に防御や回避にプラス補正がかかるという特徴があります。また、“トライチャージ”という小隊全員による全体攻撃を行うこともできるのです。ただし、敵1体に攻撃を集中させることは、このフォーメーションではできません。

センター・フォーメーション

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 “センター・フォーメーション”は、小隊員が小隊長を守るような陣形で、援護防御ができ、バリアが小隊全機に適用され、敵からの全体攻撃時に小隊長の防御補正がかかるという守備的なフォーメーションです。また、敵1機に対して小隊全員の攻撃を集中させることもできるので、敵の数を早く確実に減らしていきたいという時に使うといいかもしれません。

ワイド・フォーメーション

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 “ワイド・フォーメーション”では、敵から全体攻撃を受けた際、小隊員の防御にプラス補正がかかるという特徴があります。他のフォーメーションと比べて大きく異なるのは、小隊員が敵のそれぞれの小隊員を攻撃できること。この時の攻撃力は、3種類のフォーメーションの中で最大となります。

 この他にも、本作には各参戦作品の特徴を再現するために、さまざまなシステムが搭載されています。『創聖のアクエリオン』の“乗り換えシステム”や、『機動新世紀ガンダムX』の“サテライト・システム”などがそれに当たりますね。特に『戦闘メカ ザブングル』の特徴を再現した“バザー”システムは、強化パーツや機体を任意に購入できるというもので、遊び方の幅を広げるのに一役買っています。

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▲バザーには、ミッションとミッションの合間に立ち寄ることができます。ゲームの進め方によっては、思わぬ“掘り出し物”が転がっていることも……?

■新規参戦作品の多さと、それに負けないオリジナルキャラクターが魅力!

 作品の枠を越えた“クロスオーバー要素”が魅力となる『スーパーロボット大戦』シリーズですが、『スーパーロボット大戦Z』は『Z』シリーズ最初の作品であることもあって、9作品が新規参戦。ストーリーなどがこれまでの作品とガラリと変わっていて、ワクワクしながらプレイを進めた記憶があります。個人的に大好きな作品である『オーバーマン キングゲイナー』は、味方だけでなく敵にもユニークなキャラクターが多く、楽しませてもらいました。

 また、一新されたストーリーや新規参戦作品に負けず劣らず魅力的に感じたのは、オリジナルキャラクターたちです。とりわけランドは、発表された当時は、そんなに好きなキャラクターではなかったんですよ。

 しかし、作中でガロード(『機動新世紀ガンダムX』)やレントン(『交響詩篇エウレカセブン』)といった少年たちと接し、彼らにとって“頼れるアニキ”的に振る舞う姿や、ゲイン(『オーバーマン キングゲイナー』)をはじめとするクセのある大人たちと繰り広げる会話のカッコよさに、いつしかガラリと印象が変わり、大好きになっていました。

 セツコについては、悲劇的な描写がかなり多いのですが、悲しみを乗り越える強さを次第に身に付けていく様子が描かれていきます。“成長するタイプの主人公”が好きな人は、彼女のルートで遊んでみるといいかもしれません。


■『第2次スーパーロボット大戦Z』2作品もリーズナブルなベスト版に

 今回紹介した『スーパーロボット大戦Z』だけでなく、『第2次スーパーロボット大戦Z 破界篇』および『再世篇』が2月20日にベスト版でリリースされています。こちらについても電撃オンラインで魅力を紹介する予定なので、どんな作品なのか気になる人は、『スーパーロボット大戦Z』をプレイしながら記事を待っていてもらいたい。

『スーパーロボット大戦Z』 『スーパーロボット大戦Z』

(C)サンライズ
(C)SUNRISE・BV・WOWOW
(C)創通・サンライズ
(C)ダイナミック企画
(C)東映
(C)PRODUCTION REED 1980
(C)1983 ビックウエスト・TMS
(C)2002 大張正己・赤松和光・GONZO/グラヴィオン製作委員会
(C)2004 大張正己・赤松和光・GONZO/グラヴィオンツヴァイ製作委員会
(C)2004 河森正治・サテライト/Project AQUARION
(C)2005 BONES/Project EUREKA

データ

▼『スーパーロボット大戦Z』PS2ゲームアーカイブス
■メーカー:バンダイナムコゲームス
■対応機種:PS3
■ジャンル:SLG
■発売日:2014年2月19日
■希望小売価格:1,500円(税込)

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