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2014年2月24日(月)

『紫影のソナーニル Refrain』をスチームパンクシリーズ初心者(女)がレビュー! 繰り返しの表現がどんどんクセになる!!

文:YU

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 皆さんこんにちは。電撃オンラインスタッフのYUです。この記事では2月27日発売予定のPSP/Xbox 360用ADV『紫影のソナーニル Refrain -What a beautiful memories-』のレビュー(PSP版)をお届けいたします。

 ちなみに、スチームパンクシリーズをプレイしたのは『紫影のソナーニル Refrain』が初めてだったりします。紹介記事を読んだ時に「おもしろそうなタイトルだなぁ」と思っていたので、レビューのお話しをいただいた時は二つ返事でOKを出していました!

■『紫影のソナーニル Refrain』とは?

『紫影のソナーニル Refrain』

 『紫影のソナーニル Refrain』は、2010年11月にPCゲームブランド・ライアーソフトより発売されたアドベンチャーゲーム『紫影のソナーニル』の移植作品で、ライアーソフトの人気シリーズ“スチームパンクシリーズ”の5作目にあたる作品となっています。ストーリーや世界観、登場キャラクターなどは過去の紹介記事で扱っておりますので、そちらを読んでいただければと!

■消せない事実と忘れようとした感情に向き合う地上パート

 物語は、【地上】旧・重機関都市ニューヨークを進む“エリシア”と、【地下】アンダーグラウンド・ニューヨークを進む“リリィ”の2人の視点で、交互に展開されていきます。

 地上パートは、読んでいてすごく切ない気持ちになります。5年前に発生した大規模災害“大消失”によって、一瞬にして壊滅したニューヨークを、ひたすら“ある目的”のために歩き続けるエリシア。災害によってニューヨークにいた300万人が消息不明となり、残ったものはいつ崩れ落ちてもおかしくない建物と灰色の空だけ。もちろん人の姿はまったくありません。

 でも、かつてそこに人々が暮らしていた面影がところどころに残っているんです。基本的にどんなことが起きてもエリシアは冷静でいようと心がけているのですが、それらを見つけるたびに彼女の人間らしい感情が垣間見えてきます。

『紫影のソナーニル Refrain』 『紫影のソナーニル Refrain』

 地上パートの基本的な登場人物は、エリシアと彼女の旅をサポートする多脚式歩行鞄のジョンのみ。ジョンはエリシアが廃墟となったニューヨークを歩くために開発された鞄で、エリシアの声に反応して移動したり待機状態になったりします。地上パートでは人と出会うということがなかったので、読み進めるうえでジョンの存在が本当に大きかったですね。

『紫影のソナーニル Refrain』 『紫影のソナーニル Refrain』
▲ジョンかわいいよ、ジョン。地上パートの癒し要員です。

 ジョンはしゃべることができないですが、「キィ」と脚の軋む音を発します。それに対してエリシアが語りかけるんですが、それって彼女の寂しさの表れなのかな、と思ったり。ジョンに話しかけることで「自分は1人ではない」と、言い聞かせているみたいな。

 さまざまな意味で彼女を支えているジョンですが、あるシーンで横転して起き上がれない状態に。ですが、エリシアはジョンそっちのけで猫たちを追っかけていってしまうという……。その時は、先の展開よりもジョンがそのまま置いてかれてしまうのではないかという心配の方が強かったです(汗)。

■自分自身の存在意義と隠された真実を知る地下パート

 リリィ視点となる地下パートでは、独特の世界観が展開。地下世界の住民は“あること”が原因で身体の一部が鉄(メタル)化し、最終的に意思を持たないモールとなってしまいます。地下世界の人たちにとってはそれが当たり前で、受け入れるしかないものとあきらめている人が多いですが、地上から落ちてきたリリィはそれを理解できないので抗おうとするんですよね。

 リリィは地下に落ちてくる前の記憶がありません。だからいろいろなことに疑問を感じ、自分なりに答えを出そうとするんです。そして、さまざまな出会いを通じて、リリィが少しずつ成長していくところが地下パートの見どころですかね。

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■すごく変わっているけど実は理想の男性像なのでは!?

 エンディングまでひと通りプレイしましたが、個人的に気に入ったキャラクターは“A”ですね。そうするしかないとはいえお風呂や着替えのたびにリリィの服を脱がせたり、四六時中リリィのことを見つめていたりと、なかなか突っ込みどころも多いですが、すごくリリィのことを尊重しているんですよね。

 Aは何かあるたび、リリィのことを思って忠告や助言をしますが、リリィはあまり言うことを聞きません。それでも彼女が決めたことを尊重してあげるっていうのが彼のいいところ。ただ言うことを聞くだけのイエスマンではなく、意見を強制するわけでもない。選択肢を増やしたうえで、それが選択されなかったとしても、それを認めてあげるってすごく人間ができてると思うんですよね。

 しかもピンチになった時は自分の身を顧みず必ずかけつけてくれる。……うん、これ王子様でしょ。性格はかなり変わっていますけど。

『紫影のソナーニル Refrain』 『紫影のソナーニル Refrain』
▲褐色の肌に赤色の瞳というビジュアルもズルイ。まぁ、だからってこういう発言はどうかと思いますが(笑)。
『紫影のソナーニル Refrain』 『紫影のソナーニル Refrain』
▲いつでもリリィのことを一番に考えて行動するんですよね。「――御意。我が女王、リリィ」(イエス、マイレディ、リリィ)。このセリフは何度聞いても飽きません!

 あと、本作には女性キャラクターが多く登場するのですが、みんな強い意志と愛情を持っています。愛情の形は人それぞれで、愛情によって支え合っている人もいれば、逆にそれによって歪みが生じてしまっている人もいますが……。地下世界は辛いことも多いはずなのに、悲しんで絶望するわけではなく、その中でどうすればいいのか、というのを模索して強く生きている姿に対してすごく好感が持てました。

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■独特の表現方法にハマれるかどうかがポイント!

 『紫影のソナーニル Refrain』はとにかく繰り返しの表現が多いです。キャラクター登場時のテキストや心情を表す時など、とにかくさまざまな場面で「あれ、このフレーズ読んだことがある」と、感じると思います。人によってはクドイ、と思ってしまうかもしれませんが、私は同じ文章を繰り返すことによる“強調”としてアリだと思いました。

 あと、テキストとボイスが違う部分があるという演出がすごくよかったです! 言いたいけど言えない、そんな感情が見事に表現されていると思いました。テキストで書かれていることが口に出していることで、ボイスで読まれていることが本音、みたいな。おかげさまで1章からボロボロ泣いてました……。

『紫影のソナーニル Refrain』 『紫影のソナーニル Refrain』
▲テキストとボイスが違うシーンの例。テキストは「家は? ヴェラザノの子?」ですが、セリフでは「家は? ここの子?」となっていました。▲専門用語も特殊な読み方をされていました。黒い人形や黒い半巨人はダークギャングと読まれ、鉄や鋼鉄はメタルと読まれます。“東の赤王”はイーストロードと読まれるのに、“西の魔女”は普通に読まれるのは不思議でしたが……。

 なので、音声をミュート状態でプレイするのはあまりオススメしません。むしろ、せっかくのフルボイスですし、ちゃんと読み飛ばさずに全セリフを聞くぐらいの勢いでもいいと思います。心情を語る地の文まで読んでくれるADVも珍しいですしね。

■他のスチームパンクシリーズもプレイしたい!

 物語の内容がおもしろくて、あっという間にエンディングまで読み進めてしまいました。章の大まかな流れはある程度わかってしまうのですが、章ごとのテーマがしっかりしているし、行く先々で出会うキャラクターたちが魅力的だったので、中だるみをすることもなかったです。

 選択肢はほとんどありませんし、間違ったものを選んでもすぐに前の選択肢に戻れるので、ADVの難易度はとても易しいと思います。セーブは30個作れますし、一度見たシーンやCGは場面ごとに鑑賞できます。一応データインストール機能もついていますが、利用しなくても読み込み速度は気にならなかったので必須ではない感じです。

 あと、BGMが見事に世界観を表現していてよかったです。地上パートの通常BGMは1人で廃墟を歩いている寂しさがありますし、地下パートは列車で旅をしているイメージにぴったりな感じがしました。オープニングもカッコイイですし、サントラがほしくなるレベル。

 本当はエリシアとアランの甘い甘いストーリーが楽しめる間章のことや、マオやルチアーノといった魅力的なサブキャラクターたちのことなど、いろいろ言いたいことがあるのですが、あまりにも長くなっちゃいますし、ネタバレ要素も多くて書けないんです!(涙) とにかく全クリを果たした今は、世界観がつながっている他のスチームパンクシリーズが気になって仕方がありません。

 『紫影のソナーニル Refrain』はスチームパンクシリーズ5作目ですが、各作品は世界観を共有しているだけで、物語自体は独立しています。本作からプレイしても十分に物語を楽しむことができたので、シリーズものだからとしり込みしないでぜひともいろんな人にプレイしてほしい1本です!

(C)Liar-soft 2014

データ

イメージ
▼『紫影のソナーニル Refrain -What a beautiful memories-』
■メーカー:ビジネスパートナー(ライアーソフト)
■対応機種:PSP
■ジャンル:ADV
■発売日:2014年2月27日
■希望小売価格:6,400円+税

Amazon.co.jp で詳細を見る

イメージ
▼『紫影のソナーニル Refrain -What a beautiful memories-』
■メーカー:ビジネスパートナー(ライアーソフト)
■対応機種:Xbox 360
■ジャンル:ADV
■発売日:2014年2月27日
■希望小売価格:6,400円+税

Amazon.co.jp で詳細を見る

▼『紫影のソナーニル Refrain -What a beautiful memories-』ダウンロード版
■メーカー:ビジネスパートナー(ライアーソフト)
■対応機種:PSP
■ジャンル:AVG
■発売日:2014年2月27日
■希望小売価格:6,400円(税込)
※PS Vita&Vita TV対応
▼『紫影のソナーニル Refrain -What a beautiful memories-』ダウンロード版
■メーカー:ビジネスパートナー(ライアーソフト)
■対応機種:Xbox 360
■ジャンル:AVG
■発売日:2014年2月27日予定
■希望小売価格:6,400円(税込)

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