2014年2月23日(日)
ガストより、3月6日にリリース予定のPS3用RPG『アルノサージュ ~生まれいずる星へ祈る詩~』のバトルについて、担当ライターの原常樹がレビューする。
本作は『アルトネリコ』シリーズや『シェルノサージュ ~失われた星へ捧ぐ詩~』で知られる土屋暁さんが手がけた完全新作RPG。詩が魔法の力になる世界を舞台に、秘められた真実を追い求めるキャラクターたちの物語が紡がれていく。
今回は、そんな『アルノサージュ』の中から戦闘シーンをピックアップ! 実際にプレイしてみた感触をお届けする。
本作のバトルは、“主人公とヒロインの2人”が参戦するタクティカルアクションバトル。ザッピングシステムを搭載しているため、操作する主人公が変わることもあるが、基本的にこの2人1組という構造は変わらない。ヒロインたちは強力な詩魔法を使うことができるが、詠唱の最中は無防備になってしまう。それを護るように眼前の敵に立ち向かっていくのが主人公の役割だ。
テキストにすると少しわかりづらいかもしれないが、端的に言えば主人公が敵を攻撃することで、画面右上にある“ハーモニクスゲージ”がたまっていき、強力な詩魔法を放つのが主な流れだ。主人公は押すボタンに応じた攻撃を、決められた回数だけ繰り出すことが可能で、これをうまく組み合わせて敵にダメージを与えていくことになる。
攻撃回数がなくなると、今度は敵がヒロインに向かって攻撃を仕掛けてくるターン! タイミングよくボタンを押せばガードできて、被ダメージが大幅に減少する。
▲防御するチャンスは限られているので、敵の攻撃に合わせてタイミングよく行うこと。強敵との戦闘ではミスが許されないような場面も。 |
各ターンに攻撃を仕掛けてくる敵は決まっている。頭の上にアイコンが表示されているので、簡単に把握可能だ。攻撃可能な回数内で、アイコンの表示されている敵を撃破、もしくは敵を行動不能にする“ブレイク”を行えれば、ブレイクチャンスが発生して主人公の攻撃回数が回復。続けてそのまま攻撃できる仕組みになっている。
主人公の攻撃はそれぞれ“攻撃回数が多いが威力が低い”、“周囲をまとめて攻撃できる”、“ブレイクを発生させやすい”などの特徴がある。敵のフォーメーションを見極めつつ、どういった順番でどの列を攻撃すればいいのかを考えれば、戦闘を有利に運べる。
▲行動予測が発生している敵をすべてブレイクすれば、ハーモバーストにボーナスが加算される。ブレイクは戦闘の1つの指針となる。 |
目の前にいる敵をすべて倒せば、次の敵が登場。どんな敵が次に待ち構えているかは画面左上にある“WAVE”を見れば一目瞭然。“タクティカル(戦術)”アクションバトルと銘打たれているだけあり、指先よりも頭を使う戦闘システムという印象が強い。
攻撃と攻撃の間隔が長すぎるとコンボは途切れてしまうが、ターンがそのまま終了してしまうようなことはないので、ゆっくりじっくりと考えて行動できるのも本作のウリ。アクションが苦手なユーザーでも楽しめるので身構える必要はないと感じた。
▲ブレイクを奪うためには、攻撃を無駄なく使い分けることが必須。使用回数が限られている範囲攻撃は、事前に敵をノックバックさせてまとめるなどして、効果的に使っていこう! |
バトルでは攻撃を繰り返すごとに、画面右上にある“バースト値”がたまっていく。バースト値がたまると今度は画面右下にある“ハーモニクスゲージ”と“ハーモニクスレベル”の上昇率がアップ。このハーモニクスゲージを使うことで、主人公は特殊な“スキル”を使用できる。また、ハーモニクスレベルが上がればヒロインたちからのサポートも受けられるので、戦闘自体がより有利になる。
そして、なんと言っても一番大きい要素がハーモニクスレベルが4になった際に発動できる“ハーモバースト”。一定時間ひたすら敵を攻撃し続けられるだけでなく、特定の条件を満たすと通常よりも強力な詩魔法を放てるため、“バースト”の名に恥じない爆発的な攻撃となっている。
では、どうやったらハーモニクスゲージをためることができるのか? それは地道にブレイクを駆使しながら敵を倒すことが一番! ただ敵を倒すだけでなく、さまざまな攻撃を駆使してカッコよく敵をいなしていけば、ヒロインのハーモニクスゲージがたまりやすいというのも“サージュ・コンチェルト”シリーズらしいコンセプトだ。男子たるもの、ヒロインにクールなところを見せなければ心を掴めないということなのかもしれない。
さらに物語が進めば、信頼を勝ち得た仲間の支援攻撃である“フレンド技”も使えるようになるとか。各戦闘で1回しか使えないが、ダメージを与える以外にもいろいろなサポート効果があるという。どんな便利な技が待っているのかも楽しみだ。
戦闘にトドメを刺すのがヒロインによる詩魔法。それまで主人公と一緒にためてきた想いを一気に具現化する演出は、爽快感もさることながら、作品の世界を通じて語られている“詩魔法”というキーワードと結びつく。特定の詩魔法を使った場合は、有名アーティストによる挿入歌も入る豪華仕様だ!
詩魔法は、威力に応じて残っている敵の“WAVE”をも攻撃できる。“WAVE”を全滅させた場合は、フィールド上の敵を一掃できるというオマケも存在する。非常に便利だが、戦闘自体が爽快で楽しいので筆者は「敵がもう出ないの!?」と残念に思ってしまったことも付け加えておこう(笑)。
▲詩魔法を使うと有名アーティストの楽曲が流れる『アルトネリコ』シリーズからの伝統的な演出が。詩魔法はかなりの数が用意されているので、集めて眺めるだけでも楽しい。 |
ちなみに詩魔法は“ジェノメトリクス”と呼ばれるキャラクターの心の中に入り、過去の傷や悩みを解決することで入手できる。戦闘に入るごとに詩魔法を1種類選択して、強力な詩魔法は1回使うと次に使うまでに時間がかかる。演出見たさに乱発していると困るような状況があるかもしれない。
▲バトルの内容に応じて、戦闘終了時には評価が下される。トータルスコアのランクを上げるためにはしっかりとした戦術が必要になる。頑張ってヒロインたちにいいところを見せたい。 |
個人的にもっとも強く感じたのは、戦闘システムが『アルトネリコ』シリーズ、とりわけ『アルトネリコ2 世界に響く少女たちの創造詩(メタファリカ)』に近いということ。システムや演出はブラッシュアップされているが、シリーズの経験者であれば違和感なく遊ぶことができるのではないだろうか。ただし、複雑なものではないので、『アルトネリコ』シリーズに触れていなくてももちろん問題なく楽しめる。
世界観やキャラクターにスポットライトが当たりがちな『アルノサージュ』だが、テンポもよく爽快な戦闘が実に気持ちいい。RPGの華形でもある戦闘システムにもぜひ注目してほしい。
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※画面はすべて開発中のもの。
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