News

2014年2月25日(火)

『CROSS×BEATS』を手がけたNAOKI MAEDAさんにインタビュー! 本格的な音楽ゲームを場所を選ばずに遊べるソフトの開発

文:kbj

 カプコンからリリースされているiOS用アプリ『CROSS×BEATS(クロスビーツ)』。本作の開発を手がけたNAOKI MAEDAプロデューサーへのインタビューを掲載する。

『CROSS×BEATS』

 『クロスビーツ』は、画面に現れた光が交差する瞬間に、タップ、フリック、ホールドして、ハイスコアを狙っていく本格的音楽ゲーム。これまでに数々の音楽ゲームを手掛けてきた前田尚紀(NAOKI)さんがプロデュースをすることでも話題となった。NAOKI MAEDA、Tatsh、SIMON、voidに加えて、Barbarian On The Groove feat.霜月はるか、SADA、Togo Project feat. Frances Mayaといった人気アーティストによる楽曲でのプレイを楽しめる。

 インタビューでは、アプリ開発の経緯やコンセプト、こだわったポイントなどについて聞いている。本作をプレイしている人だけでなく、興味を持っている人もぜひチェックしてほしい。

■ゲームセンターの筺体をどこでも遊べるアプリの開発

――カプコン初の本格音楽ゲームというキャッチコピーの本作。一体、どういう経緯で開発が始まったのでしょうか?

『CROSS×BEATS』

 僕自身の話にもなるのですが、もともと別のゲームメーカーに在籍していて、そこを離れた後にどうするかをいろいろと考えました。いろいろなメーカーを候補に挙げたのですが、その中でもカプコンに関しては……僕自身も正直あまりイメージが沸かなかったんです。

――確かにアクションゲームに強いというイメージのメーカーですね。

 はい。アクションが強いというイメージはあったんですが、音楽ゲームを展開しているという印象がなかったんですね。ただ、“だからこそ自分が行く価値があるのでは?”ということは考えました。面接を受けたところ、印象がまったく違っていて、いろいろなことについて前向きかつ、積極的にとらえられていたんです。その際には「開発するのであれば、音楽ゲームでトップを取れる作品を作りたい!」というこちらの気持ちを伝えさせていただきました。その後、カプコンで新たな音楽ゲームを作ることになったという経緯ですね。

――音楽ゲームのメインシーンの1つはアーケードだと思うのですが、最初からモバイル端末での展開を考えられていたのでしょうか?

 僕自身の考えを言ってしまうと、こだわりはそこまでありませんでした。ただ、過去にユーザーさんと触れ合った際に、「僕の県で筺体の置かれているゲームセンターまで、車で2時間かかります」とか「そもそもゲームセンターに筺体がありません」という意見を直に聞いていました。そこに関して、申し訳ないという気持ちとなんとかしたいという意識がずっとあったんです。

 カプコンのアーケードにおける昨今の事情、あわせてタブレット端末の普及状況を考えた時に、タブレットを主軸とした音楽ゲームコンテンツを展開するのがいいだろうという考えに至りました。現在の通信環境や端末の操作性を加味して、ゲームセンターにある筺体を、家や移動中でも体験できるような状況を再現できると思ったのが、きっかけですね。

『CROSS×BEATS』

――タップやフリック、ホールドなどタブレットの操作性と音楽ゲームはマッチしそうなイメージですね。

 そう思われるかもしれませんが、操作性が現在の仕様になるまで数々の苦労がありました(苦笑)。

――その開発についてお聞きします。音楽ゲームだけでなくアプリでの開発についても、まだ開発が浅いという印象のカプコンですが、開発はスムーズにいったのでしょうか?

 苦労は……すべてが大変でした。入ってからわかったのですが、カプコンはコンシューマに強いメーカーなんですが、アプリに関しての経験は多いほうではありません。さらに音楽ゲームを手がけた経験がある開発者がほぼゼロ。一緒に開発するメンバーがいないのでは話になりません。アイデアをまとめたりアーティストとの楽曲作業を進めたりしつつ、メンバーを探す作業でした。

――開発メンバーがいないというのは、現在遊べるアプリからは考えられないのですが、どうやってそのピンチを乗り越えたのか、教えていただけますか?

 うちの開発メンバーの中に、音楽ゲームをユーザーとして遊んでいた人がいたんです。「NAOKIがカプコンに来たらしい」という話を聞きつけて、向こうから声をかけてもらいました。そういった人や、昔に音ゲーをプレイしたことがあるという潜在的な人がいたんですよ。驚いたのですが、やってきたことは無駄にならないことを実感しましたね。

 ただユーザーとして遊んでいても開発できるのかは別の話。長い時間をかけて、ビジュアル的な向上や操作性の研究、両立について進めてきました。

『CROSS×BEATS』

――フリックがかなりしっかり方向をサーチしていることに驚きました。

 本作のゲーム性は、ビリヤードからインスパイアを受けたという開発秘話があります。そのため、弾く方向によって光が跳ね返るということを考えていたので、その名残ですね。

■こだわったのは楽曲とアーティストへのリスペクト

――プレイについては、iPhoneよりiPadを意識されているのでしょうか?

『CROSS×BEATS』

 もちろん、どちらでもプレイ可能です。電車の中でプレイするのであればiPhoneの方が楽だと思いますが、本作のよさを感じやすいのはiPadだと思います。大きな画面で全体を把握しやすいので、遊びやすいと思いますね。

 音質についてはイヤフォンを付けて遊ばれると、グッと臨場感が増すのでオススメです。

――その他にこだわっている要素について、教えてください。

 ゲーム性はもちろんですが、楽曲とアーティストについてはこだわっています。これはプロデューサーであり、音楽制作者としての自分の考えですが、音楽ゲームでは楽曲やアーティストについてのリスペクトやフィーチャーがもっとあっていいと思っているんです。

 今回は、それこそ自分が持っているつながりをフル活用して、さまざまなアーティストに楽曲を提供していただきました。曲を提供するということは、その曲がそのアーティストについてのイメージになってしまう可能性すらあるので、アーティストからするとすごく重いことなんですね。そのために、こちらとしてもやれることは全部やらせていただこうと考えて、アーティストの紹介場所を用意しました。

――確かにここまでアーティストについて紹介しているゲームは珍しいですね。

『CROSS×BEATS』

 プレイしているユーザーがアーティストに興味を持った時、アプリの中ですぐに知ることができます。ジャケットやPVを表示することで、楽曲が持っている世界観により近づくことができます。ゲーム中で、音楽文化についてピックアップできることは限られているのですが、楽曲を提供した方が「今回の『クロスビーツ』に曲を提供できてよかった」と思えるような枠組みを実現できたと思っています。

――人と楽曲をシェアするというのはこれまでにないアイデアだと思うのですが、どこから生まれたのでしょうか?

 先ほどもお話させていただきましたが、今回考えていたのはゲームセンターにある筺体を、アプリとして表現するということなんです。これまでであれば、筺体で他の人がプレイしているのを見たり、近くにあるノートを使って交流したりできました。そこについて、アプリの機能として用意したかったんです。

 もちろん、まったく同じものを用意できるとは思っていません。ただ、同じゲームをやっている人同士が交流できるような場は用意したいと考えました。

――ゲームを作っただけではなく、アーティストのプロモーションの場所を用意して、交流の場を設定したということですね。

『CROSS×BEATS』

 さらに料金についても、アーケードと近い設定にしています。もちろん幅広い方に遊んでいただけるように、無料でも楽しんでいただけます。時間経過でたまるプレイチケットや、ミッションをクリアしていくと手に入るプレミアムチケットを使ってもらえれば、課金せずにプレイしていただくことが可能です。ただ、もっと多くプレイしたい、よりうまくなりたいという人はゲームセンターでコインを入れるような気持ちでプレミアムチケットを購入していただきたいです。ここに関してはキレイごとではなく、物を作って運営していくには維持費用がかかるので、このような料金形態にしています。

――では、最後にまだ本作をプレイしていない人にアピールをお願いします。

『CROSS×BEATS』

 楽曲はオリジナル曲だけでなく、クラブらしい曲やロック系の曲、最近の流行のものもあり、ジャンルを絞らないラインナップになっているので、きっと合うものが見つかると思います。

 先ほども説明したように、無料で気軽にプレイしていただけるので、音楽ゲームが好きな人、アクションゲームが得意な人は、まずは体験してください!

(C)CAPCOM CO., LTD. 2013 ALL RIGHTS RESERVED.

データ

▼『CROSS×BEATS(クロスビーツ)』
■メーカー:カプコン
■対応機種:iOS
■ジャンル:音楽シミュレーション
■配信日:2013年12月2日
■価格:無料(アイテム課金)

関連サイト

関連記事

注目記事

アイコン別記事一覧

※クリックすると、ソートされた記事一覧に移動します。