2014年2月28日(金)
カプコンが発売したPS3用アクションゲーム『戦国BASARA4』と日本体育大学体操部とのクローズドイベント“陣形合体実演”が、本日2月28日に日本体育大学 世田谷キャンパスにて開催された。
『戦国BASARA4』は、人気アクションゲーム『戦国BASARA』シリーズの最新ナンバリングタイトル。“戦国創世”をテーマに、新たな設定のもとストーリーが描かれていく。島左近や井伊直虎など多数の新プレイアブル武将が登場し、ドラマに関わる武将の人数はシリーズ最多の40人を数える。また、アクションやドラマ演出の強化も行われている。
『戦国BASARA4』では、敵兵士も進化して強力な戦法“陣形合体”を身につけている。その“陣形合体”を日体大体操部が実演するというのが、今回のコラボ内容だ。
このように書かれても、理解できないという読者も少なくないと思う。筆者も日体大と『戦国BASARA4』が並んでいるのも唐突感があるうえに、陣形合体を行うというのも正直ピンと来なかった。しかし、世田谷キャンパスでプレス一行を待ち受けていたものは、妄想や想像をはるかに超えた超本格的パフォーマンスだった。以下で掲載するので、ぜひご覧いただきたい。
▲『戦国BASARA4』と日体大体操部がコラボ! |
清潔で広大な日体大世田谷キャンパス。そのスポーツ棟・B1Fにはプールの他に、剣道、柔道、体操と競技ごとに用意された中体育館がズラリと並ぶ。その中にある体操部用の中体育館に足を踏み入れると、男女85人の部員たちが準備運動を行っていた。まずはリハーサルとして、集団体操のひとつ“Gym-Mix”が披露された。
▲日体大体操部のオリジナル集団体操“Gym-Mix”。その躍動感と統率された構成美は、集団芸術とさえ表現したくなる。 |
リハーサルの後は、『戦国BASARA4』の“陣形合体”をイメージした集団演技が披露された。『戦国BASARA4』をプレイしている人は「これはあの陣形合体に似てる!」と、ある種の感動を覚えるのではないだろうか? 集まった報道陣も、あまりの迫力に「すごい!」を連発。個人はもとより、集団で息をあわせて演技する体操部のメンバーに敬意を抱かずにはいられかった。
部長の荒木達雄さんによると“Gym-Mix”に代表される集団体操は、日体大体操部オリジナルで、他では類を見ない部活動だという。日本だけでなくドイツ、シンガポールなど海外の行事にも参加。今回は85名だが、実際には120名で行われるのが通例で、直近では3月8日に“二子玉川RISEショッピングセンター前”にて模範演技が披露される。気になった人は、足を運んでみては?
▲3人が縦に重なることができることに驚愕。まさに日々の研鑽のたまものだ。 |
▲持ち上げる時もさることながら、下げる時がより大変そうな演目。かなりの規模で、『戦国BASARA』のお祭りらしさを感じられた。 |
▲躍動感あふれるジャンプも披露。男子は着地から前転して“ドヤァ!”とポーズを決めるまでがワンセットのようだ。 |
▲2人が組み合わさって側転。静止画だとわかりにくいが、結構なスピードが出ている。 |
▲『戦国BASARA4』らしさのあふれる体操。ゲーム中では何十人も連なっていたが、さすがに現実では難しいようだ。 |
インタビューにお答えいただいたのは、現在体操部3年の宮下健太郎(みやした けんたろう)さんと宮下香絵美(みやした かえみ)さんのおふたり。苗字が偶然同じだったため、混乱をさけるために以下では、健太郎さん、香絵美さんと表記させていただく。
▲3年の宮下健太郎さん(左画像・左)と宮下香絵美さん(同・右)。 | ▲日体大体操部部長の荒木達雄氏。 |
普段の練習量をおうかがいすると、体操部としての練習がだいたい2時間、その前後に自主練習を各1時間ほど行っているという。興味深いのは、部員の方々は例外なく大学まで“体操未経験”。健太郎さんは高校までバレー部で、香絵美さんは剣道部。大学入学後、他の部活との掛け持ちもしていないとのこと。
健太郎さんは活動について「体操部は“勝ち負け”がない。その価値観の違い、ですか。何を目標にしてがんばればいいか、みんなをまとめるのに苦労しました」とコメント。香絵美さんは「部活動は、先生方ではなく学生が主体。後輩に技を教えるのも先輩。代々受け継がれている技や質を落とさないためにも、私たちが日々きちんと練習して、皆でいい作品を作れるよう心がけている」と語っていた。
部長の荒木さんに「本日の演目で一番ハードなものは?」と質問したところ、「全体としてみれば、すべてハード。もちろん積み上げていくこともハードだが、それだけがきついわけではない。それぞれ持っている能力を見て、適材適所で当てている」。と説明していた。他にも、総合的な構成やバランスを重要視し、いかに集団として美しく完成度が高いかがポイントになると付け加えた。
指導については、生徒が主体となる独自のシステムが構築されている。部員は3年になると指導法を学ぶことになり、4年生と3年生が1年生をそれぞれ指導する。教員はそれを総括する立場で、演技構成や音楽のチョイスも生徒が行い、教員とキャッチボールしつつ決定しているようだ。
全体練習が週4日なのは、国際舞台を踏まえた部活動に起因しているとのこと。それ以外の日、部員たちは海外への“渡航費”を準備すべくアルバイトにあてている。海外での体操祭は、滞在費を先方が持ってくれるが、航空券は自腹。よって全体練習は週4日に限られるが、合間に個人練習で基礎体力や技術向上を図っているという。
今後のカプコンと日本体育大学体操部の取り組みは未定だが、今回のコラボとゲーム映像をあわせたムービーが準備されるという。こちらは後日詳細が判明するので楽しみにしておいてほしい。
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