『ドラッグ オン ドラグーン3』追加シナリオDLCレビュー：ワン篇＆トウ篇。ある意味、本編をしのぐ鬱展開にセルフジョイ……【電撃DOD3】

文：アツゴロウ

　主人公のゼロを中心に、6人のウタウタイたちの争いを描くPS3用ARPG『ドラッグ オン ドラグーン3』。その世界観やキャラクターをさらに掘り下げる、追加シナリオのDLCがついに配信されました。

　内容は『DOD3』の前日譚として、6人のウタウタイ姉妹1人1人にスポットを当て、その人となりを描くというもの。3月7日現在、次女のワンと三女のトウを主人公としたDLCが配信されています。今回は、この2本のDLCをさっそくプレイしてみたライターのアツゴロウが、その見どころについて語っていきますよ！

■追加シナリオならではの新要素が満載！　ウタウタイの心の深奥も明らかに!?

　さて、いろいろ語りたいことはありますが、まずはDLCの概要について説明しましょう。このDLCはA分岐のエンディング後、すなわち五章をクリアした後にプレイ可能になる追加シナリオです。主人公は、ウタウタイの姉妹たち6人。1本につき、1人のウタウタイを主人公とした物語が語られていくこととなります。

　使用武器は主人公のウタウタイそれぞれで異なり、持ち替えることができないのが特徴。ただし、初期状態でもかなり強力な武器のため、戦力不足を感じることはないはず。また、本編と同じく、敵の撃破や宝箱の破壊などで、ゴールドや武器の強化素材も入手できます。

▲“ゼロ以外のウタウタイも操作してみたい”、“もっとウタウタイたちのことを知りたい”という、ファンの願望が実現したこのDLC。同じ剣や戦輪でも、ゼロと妹たちではアクションが異なるので、操作していて新鮮なのです。

　ゲームを1度クリアしているプレイヤーを対象としているだけあり、難易度はそれなりに高め。ただし、理不尽というほどのものではないので、ゲームをクリアしているプレイヤーなら問題なく楽しめるかと思います。なお、ウタウタイの姉妹は、レベルを上げることで能力を強化できるので、どうしても詰まる……という人は、しっかりとレベルを上げることを推奨します。

　ちなみに、出現する敵の中には、ダメージを与えるだけでゴールドを落とす黄金兵の姿も。ぶっちゃけ、本編よりもゴールド稼ぎがしやすい印象です。本編の武器集めなどでお金が必要という人は、こちらのシナリオを繰り返しプレイするのがオススメですね。

▲ステージのそこかしこに黄金兵が登場。この敵は一定時間で消滅するので、その前に攻撃してゴールドを稼ぎまくりましょう。

　ステージをクリアした後は、倒した敵に応じた経験値を入手し、操作していたウタウタイのレベルが上がります。ここらへんは本編と同じですので、とまどうことはないでしょう。

　ここで注目したいのが、レベルアップするごとに“ウタウタイ達の記憶”が解放されていくこと。これは、姉妹のより深い記憶を描いたもので、ウェポンストーリーと同じように、10段階に分かれています。後半になるほど重要な記憶が閲覧できるようになるので、ファンの方はぜひすべてを見届けてほしいところ！

▲レベルが上がるごとに開放されていく“ウタウタイ達の記憶”。妹たちに向けた言葉だったり、レシピ帳だったりと、内容はウタウタイごとにさまざまです。これを開放していくのも、追加シナリオの楽しみの1つといえるでしょう。

■ワンの目指す“正義”とは？　弟や新たな竜種とのかけ合いが楽しい“壱の書”

　追加シナリオの内容についても、ネタバレになり過ぎない程度にご紹介いたしましょう。最初はワンの物語である“壱の書”について。

　ウタウタイ姉妹の次女にして、ゼロと敵対する5人のウタウタイたちの実質的なリーダーであるワン。彼女はかつて、弱き民衆を救うために、圧政を敷く領主たちを倒した正義感あふれる人物でもあります。追加シナリオでは、そんな彼女が領主たちの軍勢と勇ましく戦っていたころの姿が描かれることに！

　物語には、本編A分岐のラストシーンに登場した彼女の弟と、頼れる竜種であるガブリエラも登場。地上戦で群がる敵を蹴散らすのはもちろん、ガブリエラに乗っての地上決戦も楽しめます。

　真面目一徹のワン、純朴な弟、オネエ言葉のガブリエラという2人と1匹の会話は、時に軽快でおもしろおかしく、時に意味深で考えさせられる内容。戦いに夢中になるのもわかりますが、これらの会話をしっかりと聞くと、より『DOD3』のシナリオの深淵に触れられることは間違いないでしょう。

▲ワンの弟はコミック『ドラッグ オン ドラグーン 死ニ至ル病』に、ガブリエラはコミック『どらっぐ おん どらぐーん ウタヒメファイブ』に登場。興味がわいたらぜひ一読を。それにしてもガブリエラのセリフ、いい味出てます!!

　シナリオの見どころは、ワンがさらなる力を求めて“試練の森”と呼ばれる場所へ足を踏み入れるシーン。そこで試練に打ち勝てば、肉体も精神もさらに鍛えられるとのことでしたが、ワンたちを待ち受けていたものはとんでもない相手で……と、これ以上はぜひご自身でプレイして確かめてもらいたいところ。この戦いは、ワンの深層心理に迫るものでもあるので、ワンのファンの方は必見です。

▲森の中は結界で覆われており、ガブリエラの助力は受けられません。ワンは弟とともに森の最深部へと足を踏み入れますが……？

　ワンが使用する武器は“ワンの戦輪”。本編での戦輪というと、攻撃範囲は広いものの威力が低く、やや使いにくい印象でした。しかし、ワンの戦輪は威力が高く、群がる敵をまとめて撃破していけます。道中には高台から遠距離攻撃をしてくる弓兵も多数配置されていますが、ロックオン射撃を使えば問題なし。華麗に戦輪を操るワンの戦いをたん能できますよ！

▲ワンのシナリオは、中型以上の敵はあまり出現しません。群がるザコを戦輪で切り刻み、先へ進みましょう。なお、戦輪のアクションは打ち降ろし攻撃のない、範囲攻撃重視のタイプです。

■これぞ真のバカップル！　トウとセントのイチャラブが止まらない“弐の書”

　2つ目のシナリオは、三女のトウを主役にすえた“弐の書”。零章以降の本編では、なんらかの原因で心が壊れてしまった姿しか描かれなかったトウですが、こちらの追加シナリオでは、まだ心が壊れる前の、明るい立ち振る舞いが見られます。

　特筆すべきは、パートナーである使徒のセントと繰り広げる、バカップルぶり。いやもう、なんていうか、見ているこっちのほうが恥ずかしくなるようなやり取りを、何度も何度も何度も何度も見せ付けられます。リア充爆発しろ！

　ここまでのイチャラブぶりを見せつけられては、本編でのセントのトウに対する言動や行動も理解できるというもの。そんな2人は、姉であるワンの命令に従い、ワンの統治に反逆する人々や危険なモンスターと戦うことになります。プライベートでも戦場でも、自分の愛する人とともにいられる状況に、幸せを感じる2人。

　ですが、とある事件をきっかけに、物語は意外な方向へ向かっていき……。これほど愛し合っているトウとセントに、いったい何が起きたのか？　そして、なぜトウの心は壊れてしまったのか？　真実はみなさんの目で確かめてください。

▲キャンプでも戦場でも、所構わずイチャつくことを忘れないほどのラブラブっぷり。ここまでくればむしろ清清しい……いや、やっぱリア充爆ｈ（以下略）。

　ちなみに、トウは大振りの剣を武器に戦うパワーファイター。オーガやトロルなど、比較的体力の多い中型モンスターが序盤から登場しますが、持ち前のパワーを生かして攻めまくるのが有効でした。敵をサクサク倒して進む、爽快なプレイを楽しみたい方にもオススメです!!

▲ゼロを操作して初めて戦った時は、あれほど苦労させられた凶悪なトロルですが、トウなら簡単になます斬りに。この怪力ぶり、マジでハンパないです。ちなみに、ダメ彼氏のセントはいつもどおりボディアタックで吹っ飛ばされていました（笑）。

　以上、ワンとトウの追加シナリオについてお伝えしましたが、いかがでしたか？　自分の正直な感想を述べさせてもらいますと、ウタウタイの性格や心情、使徒をはじめとする仲間たちとの関係がよりよくわかる、好ましいストーリーだったと思います。特にガブリエラはいいキャラクターで、ファン人気も高そうな気がします。やはり、『DOD』といえば竜の存在は欠かせませんね！

　もちろん「ああ、やっぱり『DOD』だよな」と口に出るほどの展開もあります。というか、ぶっちゃけ、トウの物語などは『DOD3』本編よりもド鬱な展開で、心がかきむしられまくりでした。シリーズファンの方はお楽しみ（？）に。

　これらの追加シナリオのDLCは、これから週単位で配信されるとのことなので、この先も期待大ですね。では、縁がありましたら次のシナリオのレビューでお会いしましょう！

▲なお、トウのDLCに関しては、3月13日まで無料でダウンロードできる特別サービスが実施中。興味がある方はぜひお早めに！

→DLCレビュー：スリイ篇はこちら！
→DLCレビュー：フォウ編はこちら！
→DLCレビュー：ファイブ篇はこちら！
→DLCレビュー：ゼロ篇はこちら！

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Character Design : Kimihiko Fujisaka.

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