2014年3月13日(木)
本日3月13日に東京・六本木ヒルズ ヒルズカフェ/スペースで、『サガ』シリーズの25周年を記念するイベント“ロマンシング 佐賀LOUNGE”が開催された。
▲“ロマンシング 佐賀LOUNGE”を訪れると、巨大なロゴとジェラール、ユリアン、ブルー、アルベルト、ギュスターヴたちが出迎えてくれる。 |
“ロマンシング 佐賀LOUNGE”開催初日となる本日3月13日には、スクウェア・エニックスのエグゼクティブプロデューサー・河津秋敏氏やイラストレーターの小林智美氏、『サガ』と佐賀県のコラボプロジェクトリーダー・金子暖氏などの関係者が登場し、コラボに関するさまざまなトークが繰り広げられた。この記事では、そのイベントの模様と店内の様子をお届けする。
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▲大田芳洋氏 |
『ロマンシング サガ』のメインテーマが流れる中、佐賀県 報道監の大田芳洋氏と河津秋敏氏がステージに登壇し、イベントの幕が開いた。最初に大田氏から、コラボ実現までのエピソードが語られた。
大田氏によると、実は20年前にスクウェア(※現スクウェア・エニックス)からコラボの打診があったが、その当時には受けられなかったという。その10年後には、今度は佐賀県側からスクウェアに誘いを持ちかけたが、『サガ』シリーズが人気の絶頂ということもあってか、その時も実現できなかったそうだ。
そのさらに10年後、スクウェア・エニックスと佐賀県の両方からラブコールがあり、満を持してコラボが実現したのが今回の“ロマンシング 佐賀LOUNGE”だった。待ち望んだ日がついにやってきたと、大田氏は当時を振り返りつつ開幕のあいさつを結んだ。
▲河津秋敏氏 |
続いて登壇した河津さんは、今回のコラボについて「まぁ……ただのダジャレですね。その冗談が現実になってしまった形で、正直少し戸惑っています(笑)」とコメント。そんな河津さんは佐賀県に近い熊本県の出身で、今回のコラボが決まるまでほとんど佐賀県のことを知らなかったという。
コラボを通じて佐賀県のことを深く知るにつれ、今まで見たことがないような魅力がたくさんあるとわかってきたそうだ。河津さんは「今回のコラボが、その時に知ったびっくりするようなアイデアやドキドキ、ワクワクなどの“ロマンス”を、『サガ』シリーズのファンなどいろいろな方に知ってもらうきっかけになればいいと思います」と語った。
次に、金子暖氏やスクウェア・エニックスのプロジェクトリーダー・市川雅統氏、イラストレーターの小林智美氏、佐賀県出身の書道家である江島史織氏がステージに登壇。市川氏からコラボに至った経緯が語られた。
▲左から市川雅統氏、小林智美氏、江島史織氏、金子暖氏。 |
市川氏が今回の企画を佐賀県に持ちかけた時に、佐賀県のホームページで観光連盟の電話番号を調べて、代表電話に電話をしたという。その時、観光連盟の方たちは、そもそもスクウェア・エニックスのことを知らず、電話口で『ファイナルファンタジー』や『ドラゴンクエスト』というゲームのシリーズを発売しているゲーム会社であること、手掛けたゲームの中に『サガ』というシリーズがあるところから説明したそうだ。一から説明した結果は、「はぁ……」というリアクションだったため、今回のコラボは実現しないだろうと考えていたら、その1日後に金子氏から連絡があったという。
市川氏に電話をした金子氏は、ゲームボーイの『魔界塔士 Sa・Ga』からのファンだった。スクウェア・エニックスからのコラボの話は1日かけていろいろな部署を回った後に、金子氏のところに伝わる。その話を聞いた金子氏はかなり興奮したようで、そのまま徹夜で企画書を作り、すぐに市川氏を訪ねたそうだ。
市川氏は「名前が同じという理由で始めたコラボですが、ここまで大きな話になるとは思っていませんでした。元々は、佐賀の県産品の1、2点とコラボできればいいと考えていたんです」と当時の心境を語った。コラボが決まったのが、2013年8月。そこから数カ月をかけて、ゲームと佐賀県のよさをお互いが理解するまで話し合ったという。
続いて“ロマンシング 佐賀”のロゴの話題に。ロゴを担当した書道家の江島さんは、元々『サガ』シリーズのファンで、『ロマンシング サガ』も発売日当日からプレイしていたという。信じられない心境だったと当時を語った江島さん。ロゴをデザインする際には、元々のロゴのテイストをいかに崩さずにデザインできるかと試行錯誤しつつ、“佐”と“賀”の払いに剣の軌跡と剣の閃きを意識したと語った。これを思いついた時には、夜中に1人で大興奮したそうだ。
“ロマンシング 佐賀LOUNGE”では、小林さんの描き下ろしイラストがデザインされた有田焼の大皿が展示されている。小林さんは、本格的にお皿にイラストを描くのは今回が初めてだったそうだが、元々アナログでイラストを描いていることもあって、なんとかなるだろうと考えていたという。
しかし紙と素焼きの皿では性質がまったく異なり、素焼きの皿が水を吸い込んでしまったり、紙だとすんなり線が引けるのに対して、皿だとひっかかって止まってしまったりしたようだ。小林さんは、苦労もあったが楽しい作業だったとコラボイラストを振り返った。
イベントの最後に、河津氏、市川氏、小林氏への質疑応答が行われた。その内容を以下で紹介する。(※インタビュー中は敬称略)
――今回お皿というキャンパスでイラストを描かれましたが、意識したことや苦労したことはありますか?
小林:特にありませんでした。というのも、ゲームではカラーのイラストが多いのですが、他に仕事で薄墨を使ったモノクロの作品を描いておりまして、それと同じ感覚で描けばいいのかなと思っていました。先ほども申しましたが、紙と素焼きの皿では性質が違います。そこでとまどったところもありましたが、普通に描いていけましたね。
――大皿に描かれたイラストはどのようにお決めになったのですか?
小林:内容は私に一任されていました。どうしようか考えた時に、お皿がとても大きくて1人だとちょっとさびしいかなと思ったんです。それで2人のほうがいいかと思い、2人なら男女にしようかと考えた時に、もう最終皇帝しかないでしょうと決まりました。
――今回のイラストが『エンペラーズ サガ』に実装されることはありますか?
市川:小林さんの大皿のイラストは、今のところカードにすることは考えていないですね。今回は佐賀県のワラスボとロックブーケがコラボしているカードを配布しています。ワラスボはエイリアンのもとになったんじゃないかと思うほどおもしろい形をしている魚で、酒のつまみにあうんです。実はまだ食べたことがないんですが(笑)。
――コラボを通じて佐賀県に何度か行かれたと思いますが、佐賀県に関する思い出深いエピソードはありますか?
市川:囲炉裏を囲んで河津さんや佐賀県の方と飲んだのですが、佐賀の方たちに河津さんが若者扱いされていておもしろかったですね。結構遅くまで飲んで、有田の山の民宿に泊まったんですが、そういったことは貴重で楽しかったです。2泊3日だったのですが、すごく佐賀が好きになりました。
河津:佐賀空港に初めて降りたのですが、有明海の海苔畑がすごくてインパクトが強かったです。海苔畑を上空から見るとあんなにすごいのかと壮観でした。ぜひ、佐賀空港に降りてみていただきたいです。いい体験でした。
――『サガ』シリーズの今後の展開はお考えになられていますか?
河津:準備は進めているのですが、具体的に“いつ”ですとか、“何で”などは現段階では言えないです。準備は進めていますので、待っていただければと思います。佐賀県さんとはまた新たにいろいろご相談させていただきたいという希望はあるのですが、佐賀県さんは税金で運営されているものですからね(笑)。なかなか難しいところもあるかと思います。
市川:県民さんの支持を得られれば続けていけるんじゃないかと思いますよ(笑)。『エンペラーズ サガ』というゲームは昔の『ロマンシング サガ』などのイラストが出てくるゲームなのですが、そういう昔のものの“あの当時の感触”が多くの人に伝わればいいなと思います。
私は河津さんとよく飲みに行くのですが、その時に当時のエピソードを聴くんですけど、こんなことも考えて作っていたのかとか、小林さんのこんなイラストがあったのかと、知るたびに当時のファンとしても新鮮ですし、プロデューサーとしても新鮮です。そういったことは、ぜひ、多くのファンに見ていただく機会を持ちたいですね。佐賀県さんとのコラボという形でもいいですし、いろいろな形で見ていただきたいとは思います。
物販で販売されていた“ロマンシング 佐賀”伝承の逸品セットと馬群のミンチ天“ロマンシング 佐賀”パッケージを購入してみた。この2つの開封レポートをお届けしよう。
▲当時のパッケージを再現した伝承の逸品セット。何もかもが懐かしい。 |
▲『ロマサガ2』のパッケージをなくしてしまった人は、このパッケージにカートリッジを入れておくのもアリだぁー。 | ▲開けてみると、羊羹が2種と『ちょい海苔』、ごまサブレが! |
▲ねんがんの馬群のミンチ天をてにいれたぞ! 甘辛くてとてもおいしい。ご飯とも合いそうだ。 |
▲誰かが手に入れることを編集部で待っていた女性編集・YUが匂いを嗅ぎつけて現れた! 殺してでもうばいと……られたぁー!! |
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