2014年4月17日(木)
日本一ソフトウェアは、4月24日に発売するPS3用ソフト『ハーレム天国だと思ったらヤンデレ地獄だった。』から、ゆるキャラ“いざえもん”に関するイベントや、バッドエンドについての新情報を公開した。
『ハーレム天国だと思ったらヤンデレ地獄だった。』は、日本一ソフトウェアが手掛ける完全新作の美少女アドベンチャーゲーム。“郷土歴史研究会”という同好会を行う高校生たちによる、ゆるキャラ製作を中心としたドラマと、そこから始まる惨劇が描かれる。キャラクターデザインは緋色雪さん、シナリオは小林且典さん(企画屋)が担当する。
いざえもんは、主人公・如月優也たちが郷土歴史研究会を解体の危機から救うべく、地元の土地神である犬の神さまをモチーフとして製作したゆるキャラ。デザインは神無、作成は佐優理、“中の人”は陽佳が務める。学園祭に向けて絵に描いたような青春を過ごす前半パートも、町内で凄惨な事件が続発する後半パートも、その中心にはいざえもんの姿が存在する。
▲優也が副部長を務める郷土歴史研究会。生徒会から「文化祭で何か成果を出さないと部室を取り上げる」と宣告されてしまう。 | ▲“文化祭が始まる前から宣伝を行えば他よりも目立つ”と考えた優也たちは、宣伝用ゆるキャラの製作に着手する。 |
▲各位の尽力が功を奏し、徐々に知名度を上げていくいざえもん。 |
▲学園祭本番でも、いざえもんは大いに活躍! | ▲市役所の職員・夕月香也子は、「地元のために活動してみませんか」と郷土歴史研究会を誘う。さらに活動の幅が広がるかと思われたが……。 |
▲いざえもんの着ぐるみを着用した何者かが凶行に走り、物語は急展開を迎える。そして優也は疑心暗鬼の渦へ飲み込まれていく。 |
~後半パート プロローグ~
最初は、トマトジュースを派手にこぼしたんだと思った。
他の可能性なんて考えられないし、絵の具は置いていない。
だけど、鉄の臭いが違和感としてあった。
トマトとは似ても似つかない生臭さが充満し、思わず鼻を摘まんでしまった。
そして、視線は控え室の奥へと向けられた。
「……そんな……何故……」
日常から逸脱したものは、そうと認識できない。たとえ最悪の事態を想定していたとしても、俺たちには経験が足りない。
人の生き死になんて、物語の中でしか見ていないんだから。
そこにはあった。
血溜まりの中で沈み、物言わぬ亡骸と化した人間が。
服は真っ赤に染まって、まるで最初からその色だったようで。
どうしてか分からないけど、身体が定期的にびくんびくんと跳ねたりしてて。
そして、そして――
その傍らには、包丁を持った着ぐるみが、首をゆらゆらと揺らせて佇んでいて。
何もかも現実味がない。
大勢が行き来していたのにとか、
どうして誰も気づかなかったのかとか、
そんなことは考えられなくて。
着ぐるみの中に誰が入っているとか考える間もなく。
ただ喉が乾いて、何も言葉が出てこなくて、息が荒くなるばかりで。
そして――
▲凶器を振るういざえもん。黒ずんだ身体の血痕からは、最初の事件からの時間経過が伺える。それぞれ鈍器、包丁、ハサミと、凶器の異なる点も気になるが……? |
▲いざえもんは町に古くから伝わる犬の神さまをモチーフとしているが、後半の惨劇はまさか祟りのせいなのだろうか。 |
学園ラブコメ然とした前半から一転、サイコサスペンス調となる後半では、物語を分岐させる選択肢の多くが誰かの死(バッドエンド)に直結している。今回、以前紹介したイベントCGがバッドエンドのものであること、そして当該シーンの一部シナリオが公開された。
異様な光景が広がっていた。
人が真っ赤に染まった床に倒れ込んでいる。
例外なくその手足は曲がってはいけない方向に折れ曲がり、ぴくりとも動かない。
頭は陥没し、得体の知れない何かが見えている。
時折呻き声が聞こえたものの、徐々にか細くなり、最後には静かになってしまう。
……目の前で何が起こっているのか理解できない。
でも、陽佳の姿は確認できた。
部屋でたった1人、動いている人として。
あちこちが凹んだバットを黙々と振り下ろしている姿で。
「ねえ、見てみて♪ 邪魔者は全員いなくなったよ♪」
――BAD END
「ねえ、聞いてもいい?」
連絡しようとした矢先に言われて、俺は小さく頷いた。
そのまま神社から離れるために歩いていると、部長は俺の後ろについてきながら呟いた。
「キミはいつ入れ替わったのかな?」
身体の中に何かが突き立てられた。
固く、それでいて長い何かが肉を掻き分けて、無遠慮に根元まで突き刺さる。
痛みはない。
だけど、そこから猛烈に強くなる熱があった。
まるで灼けた鉄の棒を突っ込まれたような感覚に悶えて、
ついには立てなくなってしまう。
そして、そこでようやく気づく。
俺の背中に深々と突き刺さった刃物の存在に。
――BAD END
佐優理さんの動きに、戸惑いはなかった。
ごく自然に、ハサミを俺の腹に突き立てる。
痛みよりも、最初はショックが大きかった。
「次の生まれ変わりをお待ちしています。それでは優也さん。また」
「ずっとずっと、ここでお待ちしています」
もう、佐優理さんの声を聞く余裕はない。
驚きは激痛に塗りつぶされて、俺は叫びを上げた。
「では、さようなら」
親愛の情すら感じる、優しげな言葉。
それを最後に、俺の意識はブツリと途絶えた。
――BAD END
※“ゆるキャラ”という文言について……日本一ソフトウェア
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