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2014年4月25日(金)

プロゲーマーのふ~どは『WoT』でどう戦う!? 『ガルパン』ニーナ役の小笠原早紀さんも参加した座談会【めざせ! 戦車道免許皆伝 第29回】

文:田中尚道

 全世界でのユーザー数が8,000万人を超え、日本でも着実にファンを増やしている『World of Tanks(ワールド オブ タンクス)』(以下、『WoT』)。今回は、それぞれ異なる動機をもって『WoT』を遊んでいるプレイヤーによるスペシャル座談会をお届けします。さらに、『ガールズ&パンツァー』のBlu-ray&DVD特典OVAに出演されている声優の小笠原早紀さんにも参加していただきました!

●座談会メンバー

ふ~ど……数々の大会で優秀な成績を残しているプロゲーマー。『バーチャファイター』や『ストリートファイターIV』などの格闘ゲームをメインに活躍。『WoT』は最近始めたところで、戦車そのものにはあまり詳しくない。

小笠原早紀……賢プロダクション所属の女性声優。『ガールズ&パンツァー』のBlu-ray&DVD第5巻に収録されている特典OVA『スノー・ウォー!』では、プラウダ高校のニーナ役を担当。『WoT』は未プレイ。代表作は『アイドルマスター ミリオンライブ!』(野々原茜役)など。

田中尚道……本連載のメインライター。「ミリタリーは男のたしなみだろう」と思っていたら、案外そんなことはなくて、ちょっとしょんぼり。

大用尚宏……本連載のサブライター。『ガルパン』は好きだが、イマイチ戦車の区別がつかない系。

チョロ松……電撃オンラインの『WoT』担当編集者。興味がないふりをしているが、実は隠れミリオタ?

ヘルキャット軍曹……『WoT』のファンにはおなじみ、ウォーゲーミング・ジャパンの広報担当。Twitterでも活躍中、にゃ。

『World of Tanks』
▲まずは皆で「レッツバトル!」。左から、大用、チョロ松、小笠原さん、ふ~どさん、田中、ヘルキャット軍曹。

■『WoT』を始めたキッカケは皆バラバラ?

小笠原:まず、皆さんが『WoT』を始めたキッカケは何でしょう?

『World of Tanks』

ふ~ど:中国で開催された“WCG2013”という世界大会で初めて『WoT』を見たんですが、熱気がすごくて。その時に、これはプレイしないといけないかなと思いました。『ガンスリンガーストラトス』の公式大会で優勝したことがあるんですが、あれは4対4でプレイする戦略性があるゲームで、『WoT』に似ているところもある。それで、『WoT』も自分に向いているかなと思いました。他のゲームに比べると、サクサクプレイできるのがいいですよね。

『World of Tanks』

大用:僕は仕事で『WoT』に触れる機会があって始めたんですが、ふ~どさんのおっしゃる通りで、ゲームの回転がすごく早いという印象が強いです。15対15の戦場だと、味方をアシストしたり、囮になったりで、決して上手ではないプレイヤーなりに活躍の機会があって。それが面白くて、気づいたら徹夜で遊んでいました。

ヘルキャット軍曹:私は日本のサービスが始まる前に、北米のサーバーでプレイしていた、にゃ。当時から戦車が好きだったので始めた、にゃ。

田中:僕はミリタリーゲームって「どうせリアルじゃないなんだろうな」と馬鹿にしてしまう傾向があるんです。ところが、『WoT』の日本サービスが始まったら周囲の人たちが一斉にプレイしていて。それでプレイしてみたら、驚くほどよくできているのでビックリ。ちょうど『WoT』を始める前に『艦隊これくしょん~艦これ~』にもハマっていて、それ以降は人生が『WoT』と『艦これ』ばかりになりました。

チョロ松:誰も『ガールズ&パンツァー』って言わないんですね(笑)。自分は『ガルパン』がキッカケです。普段はあまりテレビを見ないんですが、『ガルパン』が4話くらいで話題になって、友人が録画していたものを見せてもらったら一気にハマってしまいました。その頃から『ガルパン』の話が出るたびに『WoT』という名前を聞いていたのですが、実際にプレイを始めたのは日本サービスが始まった時からです。

小笠原:皆さんは普段、『WoT』でどんな戦車に乗っているんですか?

ふ~ど:僕はまず、周りから作った方がいいと言われている戦車を教わって。例えば【KV-1】ですが、それを目指して研究・開発を進めていました。でも、『WoT』を始めるにあたって仲間を『WoT』に呼んだところ、彼らと一緒に遊んで手伝う機会が増えて、【KV-1】以外にもいろんな戦車に乗るようになりました。今は【KV-1S】をメインにしていますが、それ以外にもTier Vの戦車が3両くらい持っていて、満遍なくプレイしてます。次は【M18 Hellcat】を作ろうと頑張っています。

『World of Tanks』 『World of Tanks』
▲プレイヤーの間で強いと言われることの多いソビエトの重戦車【KV-1】。【KV-1S】はその発展型。▲アメリカの駆逐戦車【M18 Hellcat】も人気の車両。ただしTier VIなので開発は大変!

大用:ゲーマー的なチョイスですね。“強戦車”と言われる車両以外だと、どうしても性能的に恵まれていない戦車もあって、それを使って経験値をためようとすると結構苦労します。

田中:味方に混ざっていると、ブーイングが飛んでくる戦車もありますからね(笑)。

『World of Tanks』

小笠原:そんな戦車があるんですか?

チョロ松:ちょっと性能的に劣っていると言われる戦車がいくつかあって、それが自分のチームにいると不利になると思われるんです。

小笠原:編成の段階でそんなことに……。

『World of Tanks』

大用:僕は軽戦車を使うことが多いです。『WoT』を始めたばかりの頃は軽戦車しか選べないということもあるんですが、開幕からカッ飛んでいって偵察して、あとは生き残ることに集中するタイプです。

ヘルキャット軍曹:私は駆逐戦車が好きだ、にゃ。【Hetzer】や【M18 Hellcat】を使うことが多い、にゃ。普通じゃないとよく言われるけど、駆逐戦車でどんどん攻めていくのが好きだ、にゃ。

『World of Tanks』
▲ドイツの駆逐戦車【Hetzer】は、丸いフォルムでかわいいと評判。攻撃力もかなり優秀で、『ガルパン』でも生徒会チームが乗り込んで活躍を見せました。

田中:僕は深夜1時になったら、エリートになっていない戦車を日本からアメリカまで順番にプレイしているという感じ。使っていて面白いのは、軽戦車と駆逐戦車です。どちらも、茂みにずっと隠れていて偵察したり、待ち伏せしたりと、姑息なプレイが楽しい(笑)。

チョロ松:私は重戦車が一番成績がいいと思うんですが、移動が遅いのは好きではなくて……。位置をちょこちょこと変えて敵を驚かすが好きなので、中戦車を使うことが多いです。【Pz.Kpfw. IV】の10榴で敵を一撃で吹き飛ばすのが特に好きですね。

小笠原:自分が好きな1両を使い続けるというよりは、戦況とかで使う戦車を変えていくという感じなんですか?

チョロ松:好きな戦車を使っていてやられてしまうと、その戦闘が終わるまでは使えないので、別の戦場に出撃する場合は他の戦車を使うことになるんです。

『World of Tanks』

小笠原:いろんな戦車をどんどん使っていくから、皆さんいろんな戦車を持っていらっしゃるんですね。

大用:そうですね。それと、自分が欲しい戦車があっても、その前段階としていろんな戦車を経由して開発していく必要があるんです。

小笠原:カーヴェーに乗りたくても、いきなり乗ることはできないんですね。

田中:僕はカーヴェーに行くまでに半年くらいかかりました。

ふ~ど:カーヴェーってTierいくつの戦車なんですか?

チョロ松:ソビエトのTier Vです。

ふ~ど:……ああ、【KV-1】のことなんですね。僕は戦車自体には詳しくなくて。

田中:そのまま英語で読めばケーブイですもんね。戦車によって、呼び方がいろいろあるんです。例えば【Tiger】はティーガー、タイガー、ティーゲル、ティガーとか。もっと言うと、【ELC AMX】は“ゴキブリ”と呼ばれたりしますし。

『World of Tanks』
▲【ELC AMX】は、Tier Vで登場するフランスの軽戦車。最高速度が65km/hと非常に速く、強行偵察を敢行するプレイヤーが非常に多いのです。

ふ~ど:それは『WoT』でのニックネームですよね(笑)。軽戦車も好きでよく使っていたんですが、小隊を組む時には上位Tierとマッチングされてしまうので、他のメンバーのことを考えると使いづらいですね。1人でやっている分にはいいんですが、3人で小隊組んでいる時に軽戦車が混ざっていると、他のプレイヤーに怒られたりしますよ。だから折角【ELC AMX】を作ったのに、小隊を組む時は「黙って【KV-1】でしょ」という雰囲気に……。

小笠原:そうなんですね。

ふ~ど:Tier Vの戦車を作ったら、それ以前の戦車はいらないのかというと、実はそんなことはなくて。各Tierに1両ずつ強い戦車を持っていると、友だちと遊ぶ時に便利なんです。

『World of Tanks』

■好みの戦車も戦い方も千差万別!?

小笠原:『WoT』をプレイしていて、一番楽しいのはどんな時でしょう。

大用:勲章を獲れた時が最高に楽しいですね。自分なりにいい戦果を残せた時ってあるじゃないですか。そういう時こそ、いろんな勲章が獲れることが多いので。

チョロ松:調子がいい時、途中から特定の勲章を狙ったりします?

大用:狙うと、しょんぼりな結果になることが多くて……。あとは、強い味方がいる時が楽しいですね。

『World of Tanks』

ふ~ど:友だちと一緒に【KV-1S】と【KV-1】で入って、その2両がトップTierになった時はマジ面白いですね。その戦場で一番強い状態だと、自分たちの動きが戦況を左右しますから。15人中の2人なのに、十分に戦況を変えられる力があって、自分たち次第で勝つか負けるかが決まりますから。

 逆に、【KV-1S】に乗ってTier VIIIの戦場に放り込まれると、ダメだこりゃって(笑)。マッチング次第で自分の身の丈にあった戦い方を要求されるので、自分から何かをやるというよりも、敵と味方の戦車の強さを確認して、自分に何の役割を求められているかを見極めないといけないんです。

『World of Tanks』
▲【KV-1】をベースに機動力を改善した【KV-1S】は、ソビエトツリーのTier VIで登場。重戦車にもかかわらず、中戦車のような感覚で使用できる。

小笠原:マッチングに合わせて、瞬時に作戦を考える力が必要なんですね。

チョロ松:戦車の能力の他に、マップの構造といった要素もあるので、考えることが多いんです。田中さんはマップごとに動き方を変えてますか?

田中:人が少ない方に行きます(笑)。後ろから撃たれるのが嫌いなので、敵に回り込まれないように。でも、重戦車の群れなんかに出くわすと、SOSボタン(F7)を連打しても誰も来てくれないんです……。

『World of Tanks』

小笠原:そっちは恐いから行きたくないんですか?

ふ~ど:やっぱり戦車なので、動くのが遅くて間に合わないというのもあります。『WoT』のいいところの1つに、自分が死ぬのが計算できるというのがあると思うんです。「絶対に死ぬから、残された時間で何をしよう」と考えることで、さらに戦略性が増すので。

チョロ松:自分が進んでいった方に敵の大群がいると、「ああ、死ぬな」ってわかりますね。

小笠原:それ嫌ですね(笑)。

チョロ松:でもそんな時は、敵をどれだけ長く足止めできるかを考えるんです。そうすれば、時間を稼いでいるうちに別の場所で味方が戦線を突破してくれたりします。

ふ~ど:初心者は味方が多い方についていった方がいいですよ。あと、各マップにホットスポットというのがあって、人が多いところは大概そういう場所なんです。で、そこを押さえると一気に有利な展開に。見晴らしが良くて撃ち放題だったりしますが、取った時にその意味が分かることも。人が多い所に行くと得るものがありますね。

チョロ松:他のプレイヤーを観察して、その人がいる場所を覚えておいて、次は自分がそこに行くとか。

大用:自分が死んだあとは、仲間の戦車に視点を移せますからね。

小笠原:そんなことができるんですか。

大用:他の人のプレイを見ると、こんな所に隠れてるんだとか、こんな道があるんだとか、いろんな発見があります。

小笠原:勉強になりますね。

チョロ松:最近、とあるマップで新しい道を発見しました。どんどん進んでいっても全然敵に出会わなくて、相手の拠点の後ろに回りこんで自走砲を狩り放題!

小笠原:そういう発見があると楽しいですね。

チョロ松:大体、どのマップにも3つくらいの進行ルートがあるんですが、まれに他の道があって、そのルートを誰も意識していないと一気に形勢逆転なんてことが起こります。

ふ~ど:片方のルートに敵と味方の戦力が集中しちゃって、2両くらいの味方が裏道から進攻して、そのまま敵陣を占領しちゃったこともありました。

『World of Tanks』

チョロ松:ヘルキャット軍曹はどんな時が楽しいですか?

ヘルキャット軍曹:やっぱり、自分の読みが当たった時、にゃ。アクションゲームなんだけど、ボードゲームみたいなところがあるので、敵の動きに合わせて味方の動きを考えないといけないのにゃ。なので、自分の中で予想して組み立てた作戦がズバリ当たった時は楽しいにゃ。

チョロ松:なるほど。私も『WoT』がどんなゲームなのかを説明する時に、アクションに見えるけど、将棋みたいなゲームだと言っています。

ヘルキャット軍曹:そうにゃ! 2手、3手先を読むといいのにゃ。

チョロ松:ただ、プレイヤーは棋士ではなくて駒の1つなので、なかなかうまくいかないんですが(笑)。

ふ~ど:ああ! それは僕も考えたことがあります。格ゲーもそういうところがあって、戦略が重要なんです。ただ、それが非常に速いだけ。将棋は1手に数分から数十分を掛けますが、格ゲーはその間に試合が終わってしまいます。でも速度が違うだけで、やってることは一緒なんです。最善の行動を常にとり続けて、負けたら仕方ないと考える。その最善手を考えることが、『WoT』でも大事です。

チョロ松:敵と撃ち合っている瞬間に、「ここにいて撃っている自分は正しいのか?」と考えることはありますね。

田中:複数の戦車同士でぶつかるという状況であれば、その瞬間に自分がそこにいる必要はあまりなかったりしますから、側面に回り込めればより有利になりますね。実際は、回り込んだら後ろに敵がいて撃たれたりするんですけど。

小笠原:なるほど、奥が深い……。皆さんは、どこの国の戦車がお好きですか?

大用:やはり、『ガルパン』の戦車が欲しかったので、ドイツ戦車が好きですね。あとソビエト戦車も。

ふ~ど:特にこだわりはないんですが、「この戦車が面白いな」というのはあります。【KV-1】のルートはどの戦車も楽しいですし、ドイツの【Pz.Kpfw. I Ausf.C】もとにかく速くていいですね。速い戦車は面白いです。逆に、フランスの【AMX 38】なんかは足が遅すぎて、戦場に着くまでに勝敗が決してたりしますから。僕には合わないですね。

『World of Tanks』 『World of Tanks』
▲【Pz.Kpfw. I Ausf.C】は、Tier IIIで登場するドイツの軽戦車。最高速度は79km/h!▲軽戦車にもかかわらず最高速度は25km/hという【AMX 38】。高い防御力が特徴です。

田中:戦車の種類だったりTierだったりで変わりますが、イギリスの軽戦車は意外と攻撃力が高くて、優秀なスコアを稼げることがあります。また、アメリカだと駆逐戦車の攻撃力が高かったり、ソビエトは足が速くて強力な戦車が多かったり。フランスはやたら弾くイメージです。

ヘルキャット軍曹:ソビエトは大口径が多くて、アメリカはバランスがよくて、フランスは装甲がない代わりに、瞬間火力の高い自動装填装置を搭載していたり、機動力が高かったりする、にゃ。ドイツは玄人向けのイメージで、強くも弱くもないけど、一部にとがった性能がある、にゃ。どの国も特徴があるし、低Tierでも中Tierでも、高Tierでも特徴が変わるのが面白いところ、にゃ。だから「この国が好き」というのは難しい、にゃ。ただ、初めて遊ぶ時は攻撃力の高いソビエトか、バランスの取れたアメリカがオススメ、にゃ。

チョロ松:私たちの世代ではドイツ戦車が人気なんですが、私自身はひねくれ者でソビエト戦車が好き(笑)。最初は『ガルパン』から入ったので、『WoT』では最初にドイツ戦車を開発して、そのあとでソビエトに行って。今度はクセの強いイギリス戦車を作ろうと思っています。

ふ~ど:日本戦車はどうです?

田中:日本戦車はとにかく装甲が薄いんです。撃ち合いに向かないので、期待されると活躍できませんが、期待されない時には活躍する印象が強いですね。

チョロ松:日本戦車は今後のアップデートで、重戦車とかも実装されるらしいです。

ふ~ど:今は2ルートしかないですもんね。

チョロ松:『ガルパン』にも登場した八九式中戦車は既に実装が決定していますから、今後は随時増えていくんじゃないでしょうか。

大用:八九式はぜひ使いたいですね。『ガルパン』での活躍を見てしまったので、あんな風に動かしたいです。

小笠原:現在はそれぞれどんなプレイスタイルで、今後はどんなところを目標にしていきたいですか?

ふ~ど:やはり大会での勝利を目指しているので、いろいろな戦車に乗ろうと思っています。『ガンスリンガーストラトス』の時もそうだったんですが、一緒に組む人の戦車がどんな特性を持っているかが分からないと嫌なんです。言い訳された時に言い返せないので。自走砲はほとんど使ってませんが、大会ではどうなんですかね。自走砲を使う人っているのかな?

ヘルキャット軍曹:大会ではほとんど見かけない、にゃ。7対7の戦いなので、攻め手の手数が減るのと、守る時に役に立てないので使われない、にゃ。自走砲が活躍するのは、15対15ならではのバランスなのにゃ。

『World of Tanks』

田中:ランダム戦では、たまに1つのチームで自走砲が5両ぐらいいる時があります(笑)。

ふ~ど:そういう時は楽しいですね。僕としては狩り放題だし(笑)。ちなみに、オススメの自走砲ってありますか?

ヘルキャット軍曹:低Tierだと、アメリカの自走砲は射撃範囲が広くて使いやすい、にゃ。高Tierだとソビエトの自走砲が命中精度が高くなる、にゃ。それからアメリカとイギリスは口径が大きくなるので、至近弾でもダメージを与えられるようになる、にゃ。

ふ~ど:至近弾って、最初に聞いた時に“チキン弾”だと思ってました。面白い表現だなと思ってたんですが(笑)。なんだか、装甲に当たった時に「チキン!」っていう感じの音がするじゃないですか。

チョロ松:チキン弾(笑)。大用さんの目標は?

大用:まだTier Vとかで戦っているので、研究・開発を進めて上位Tierの戦車を開拓していくことですよね。今のところ問題ないんですが、プレミアムアカウントでないと、この先は赤字だらけになると脅されていて(笑)。

チョロ松:戦車の開発がはかどるし、何よりクレジットが赤字になることがないので、新しく『WoT』を始める友人にはプレミアムアカウントをオススメしてます。

田中:でも、プレミアムアカウントでも赤字になることが結構ありますよ(笑)。【Tiger(P)】とか、【KV-1S】とか。大口径砲は弾が高いので、無駄弾を撃ってると驚くような請求が来たりします。

『World of Tanks』
▲ドイツの試作型戦車【Tiger(P)】。Tier VIIの重戦車で、ポルシェタイガーの愛称で知られています。8.8cm砲を積むと、砲弾は1発252クレジット!

ふ~ど:Tier Xの人なんかはどうしているんでしょうね。

チョロ松:Tier Xの戦車を持っていても、資金稼ぎのためにTier Vくらいの戦車を使い続ける人は多いですよね。

ふ~ど:稼ぎやすいのはTier Vくらいなんですか?

田中:そうですね。Tier Vの戦車は大口径砲を積めることが多いので、一発逆転が狙いやすいです。腕に自信のある人なら、より多くのクレジットを稼げるかもしれません。それと、Tier IVの駆逐戦車はTier Vの砲を積めることが多いので、クレジット稼ぎに関してはオススメだと思います。

小笠原:高いTierの戦車って、とっておきの時に使う感じなんですか?

ふ~ど:そうだと思いますよ。お金がないと使えないので。

チョロ松:自分の成績って気にするほうですか? 私は勝率が49%くらいなので、ぜひ50%を超えたいです。自分のチームが勝つのが一番楽しいと思うので。

ふ~ど:僕は44%とかですよ(笑)。ゲームの中で、自分の使った戦車のそれぞれの勝率が見られるじゃないですか。この間、それを見ていたら、フランスの戦車で勝率17%の奴があって、衝撃を受けました。しかも、20戦くらい出撃していて。15対15で戦っているので、自分の貢献度なんてたか高が知れているのに、どれだけの悪さをしたのかと(笑)。何人分の足引っ張んだろう? 何もしなくても、3分の1くらいは勝てるはずなんですよ。

チョロ松:『WoT』って、各プレイヤーのデータを細かく記録しているので、後でチェックするとなかなか参考になるんです。さらに外部サイトでは貢献度なんかも独自に解析していたりするんですが、いろんな成績が徐々に上がってはいるものの、劇的には上がらないので、それをもっと上げていきたいなと思いますね。

ふ~ど:そういえば、MODって入れてもいいんですか?

ヘルキャット軍曹:公式に禁止されているものもあるけど、基本的にはプレイヤーの自己責任で入れてもいい、にゃ。

ふ~ど:とにかく覚えることが多いゲームで。今でこそ弱点を狙いますが、最初は戦車に当たれば勝手にダメージになるんだろうって、“自分ルール”で考えていて。本当はもっと細かくて、ちゃんと考えてやらないといけないんだなって後で気づきました。深すぎますよね。

『World of Tanks』

ヘルキャット軍曹:ゲームでありながら、歴史の再現にもなっているのにゃ。各戦車の性能が違うし、弱点も違うし、これで戦車や軍史に興味を持ってくれるとうれしい、にゃ。ただ『WoT』はゲームなので、リアルばかりでは面白くなくなってしまう、にゃ。リアルとゲームのバランスを取るのが難しいのにゃ。

ふ~ど:歴史的に強い戦車は、ゲームの中でも強いんですか。

ヘルキャット軍曹:そうなのにゃ。

田中:ドイツはちょっと不遇ですね。史実の【Tiger】は、登場時に敵なしと言われた戦車ですが、『WoT』ではマッチングのせいで結構あっさりやられますし。

ヘルキャット軍曹:そこはゲームなので、【Tiger】だけが強すぎるわけにはいかないのにゃ。それと、先日のアップデートで実装されたヒストリカルバトルは歴史を再現するモードなので、【Tiger】が強かった戦場を条件付けで選べる、にゃ。装備品も史実に沿っているのにゃ。さらに、1両の【Tiger】に5両の【M4 Sherman】で対抗するのが当たり前だった戦場もあるので、人数も均一ではなくて、各戦車の強さによってチームの人数にも差が出る、にゃ。

『World of Tanks』
▲4月18日に導入された“UPDATE 9.0”で新たに実装されたヒストリカルバトル。クルスクの戦い、春の目覚め作戦、バルジの戦いの3つの戦場が、史実に沿って再現される。

ふ~ど:6対7とか、3対5とかということですよね。それはなぜなんですか?

ヘルキャット軍曹:戦車の強さのバランス調整と、歴史的に同数の戦闘はないということで、そうなっているのにゃ。

ふ~ど:格ゲーのレシオみたいですね。

小笠原:実際の歴史と同じように動くとかできて、楽しいですね。戦車と歴史に対して興味が持てて面白い!

ふ~ど:旧日本軍の場合、あまり戦車のイメージってないじゃないですか。海軍がメインだったので。

チョロ松:そうですね。『WoT』から戦車に興味を持って、自分で調べられる方もいらっしゃるんじゃないですか?

ふ~ど:日本の戦車って、実際はどこで戦っていたんですか?

田中:主に中国です。でも、ほとんど戦車戦はしてませんね。

チョロ松:『WoT』での日本ツリーでは、実戦を経験していない戦車も多いですね。写真しか残っていなくて、詳細が全然わからないなんてことも。

ふ~ど:史実でも「作ってみた」っていう感じなんですかね。

■周辺機器などのプレイ環境にもこだわりたい!

小笠原:プレイする時のこだわりの環境って、ありますか?

田中:そこは僕も聞きたくて。僕が弱いのは環境が悪いからではないかと、自分のPCのせいにしています(笑)。

ふ~ど:僕はプロゲーマーとしてRazerに所属しているんですが、Razerは世界的に有名なPC周辺機器メーカーで、海外に行くと「Razerじゃん、スゲー!」って言われることもあります。そんな縁で『WoT』のスタッフとも仲良くさせていただいているんですが、その方はRazerの“DeathAdder”というゲーミングマウスがオススメって言ってました。

田中:使い比べてみました?

ふ~ど:今、自分用のゲームPCがなくて、ゲームセンターの一角にレンタルPCが置いてあるところでプレイしているんですよ。もうすぐ自分のゲームPCが来るんですが、いろいろ比較してみたいですね。

チョロ松:この間の『WoT』世界大会でも、周辺機器はすべてRazerでした。

ヘルキャット軍曹:海外では『WoT』とRazerが協力して、マウスとマウスパッドをセットにした『WoT』専用のパッケージを売っているのにゃ。それが近々、日本にも入ってくる、にゃ。

田中:それを使うと、ゲームで有利になったりするんですか?

ヘルキャット軍曹:有利に……なるような、ならないような……。でも特別なボーナスコードが付いていて、『WoT』の特典がもらえたりするのにゃ。

ふ~ど:それ、僕ももらえるんですかね?

全員:(笑)。

ふ~ど:一応、『WoT』はキーボードを多用するゲームなので、Razerのメカニカル・ゲーミングキーボード“BlackWidow”シリーズをオススメしておきます。4月22日に発売された最新モデルには、完全新設計のメカニカルスイッチが搭載されていて、応答速度がかなり早いです。耐久性もバツグンなので、よろしくお願いします(笑)。

『World of Tanks』
『World of Tanks』
『World of Tanks』 『World of Tanks』

●BlackWidow 2014(英語版、日本語版):13,200円(税別)
・キー荷重50g Razerオリジナルメカニカルスイッチ(緑軸)
・1,000Hz Ultrapolling / 応答速度 1ms
・6,000万キーストロークの耐久寿命
・リアルタイムにマクロ登録可能なフルプログラマブルキー
・10キーロールオーバーアンチゴースト機能
・Razer Synapse 2.0対応
・ゲーミングモードオプション
・5個の追加マクロキー
・オーディオ出力とマイク入力ジャック
・USBパススルーコネクタ
・編組皮膜ケーブル
・サイズ:475mm(長)×171mm(幅)×20mm(高)
・重量:約1,500g

●BlackWidow Ultimate 2014(英語版、日本語版):17,900円(税別)
・キー荷重50g Razerオリジナルメカニカルスイッチ(緑軸)
・1,000Hz Ultrapolling / 応答速度 1ms
・6,000万キーストロークの耐久寿命
・すべてのキーにマクロ登録が可能
・全キー対応のアンチゴースト
・Razer Synapse 2.0対応
・ゲーミングモードオプション
・5個の追加マクロキー
・オーディオ出力とマイク入力ジャック
・USBパススルーコネクタ
・編組皮膜ケーブル
・サイズ:475mm(長)×171mm(幅)×20mm(高)
・重量:約1,500g

●BlackWidow Tournament Edition 2014(英語版、日本語版):9,500円(税別)
・キー荷重50g Razerオリジナルメカニカルスイッチ(緑軸)
・6,000万キーストロークの耐久寿命
・1,000Hz Ultrapolling / 応答速度 1ms
・リアルタイムにマクロ登録可能なフルプログラマブルキー
・Windowsのキー機能を無効にできるゲーミングモードオプション
・20個のソフトウェアプロファイルがカスタマイズ、瞬時に切り替え可能
・通常で6キー、ゲーミングモードでは10キーロールオーバーを可能にするアンチゴースト機能
・ベルクロストラップ付きの脱着可能な編み組みUSBケーブル
・Razer Synapse 2.0対応
・保護スリーブバッグ付属
・サイズ:366mm(長)×154mm(幅)×30mm(高)
・重量:約950g

●BlackWidow 2014 Stealth(英語版):13,200円(税抜)
・キー荷重45g Razerオリジナルスイッチ(橙軸)
・1,000Hz Ultrapolling / 応答速度 1ms
・6,000万回キーストロークの耐久寿命
・すべてのキーにマクロ登録が可能
・全キー対応のアンチゴースト
・Razer Synapse 2.0対応
・ゲーミングモードオプション
・5 個の追加マクロキー(m1~m5)
・オーディオ出力とマイク入力ジャック
・USBパススルーコネクタ
・編組皮膜ケーブル
・サイズ:475mm(長)×171mm(幅)×20mm(高)
・重量:約1,500g

●BlackWidow Ultimate 2014 Stealth(英語版、日本語版):17,900円(税抜)
・キー荷重45g Razerオリジナルスイッチ(橙軸)
・1,000Hz Ultrapolling / 応答速度 1ms
・6,000万回キーストロークの耐久寿命
・すべてのキーにマクロ登録が可能
・全キー対応のアンチゴースト
・Razer Synapse 2.0対応
・ゲーミングモードオプション
・5個の追加マクロキー(m1~m5)
・オーディオ出力とマイク入力ジャック
・USBパススルーコネクタ
・編組皮膜ケーブル
・サイズ:475mm(長)×171mm(幅)×20mm(高)
・重量:約1,500g

●BlackWidow Tournament Edition 2014 Stealth(英語版):9,500円(税抜)
・キー荷重45g Razerオリジナルスイッチ(橙軸)
・6,000万回キーストロークの耐久寿命
・1,000Hz Ultrapolling / 応答速度 1ms
・リアルタイムにマクロ登録可能なフルプログラマブルキー
・Windows のキー機能を無効にできるゲーミングモードオプション
・20個のソフトウェアプロファイルがカスタマイズ、瞬時に切り替え可能
・通常で6キー、ゲーミングモードでは10キーロールオーバーを可能にするアンチゴースト機能
・ベルクロストラップ付きの脱着可能な編み組みUSBケーブル
・Razer Synapse 2.0 対応
・保護スリーブバッグ付属
・サイズ:366mm(長)×154mm(幅)×30mm(高)
・製品重量: 約950g

チョロ松:砲弾の切り替えとか、無意識にできますか?

田中:ろくに切り替えしてないです(笑)。

ふ~ど:自分より強い戦車が相手の場合は、3を押してます。

ヘルキャット軍曹:3は榴弾なのにゃ。榴弾は爆発でダメージを与えるので、装甲を貫通しなくてもダメージが入る、にゃ。

ふ~ど:え、あれは貫通してないんですか? 僕は貫通しているからダメージが入るんだと思っていました。

ヘルキャット軍曹:貫通していたら、もっとすごいダメージが入る、にゃ。

ふ~ど:爆発なんていうシステム、初めて知りました(笑)。じゃあ、地面に撃って爆風が当たれば“チキン弾”になるんですか?

ヘルキャット軍曹:爆発の範囲に入れば至近弾でダメージが発生する、にゃ。

田中:それと、榴弾は跳弾しないんですよね。

ヘルキャット軍曹:ほとんど跳弾しないけど、まれに跳弾することもある、にゃ。

ふ~ど:跳弾って何ですか?

田中:砲弾が弾かれて、別のところへ飛んでいくことです。

ふ~ど:おお、自分がダメージを受けたりするんですか?

大用:撃ったほうに跳ね返ってくることはないようです。

チョロ松:でも、跳弾が近くの戦車に当たってダメージになることはありますね。

ヘルキャット軍曹:それはあるのにゃ。それと、砲塔に弾かれた跳弾が下に向かって跳ねて、車体にダメージを与えることもある、にゃ。

大用:榴弾は山なりの弾道ですよね。

ヘルキャット軍曹:弾速によって弾道が変わるのにゃ。砲身が短い砲は弾速が遅いので、弾道が山なりになるのにゃ。ただし、『WoT』では低進性(弾がまっすぐ飛ぶ)が高くても低くても、狙った目標に当たるように自動で調整されている、にゃ。

小笠原:それは私にもうれしいです(笑)。下手なので、高さも合わせなきゃいけないと言われたら、どうしようかと思いました。

『World of Tanks』

ふ~ど:便利機能として、マウスの右クリックでロックオンする仕組みもありますね。

ヘルキャット軍曹:ただ、ロックオン(自動照準)だと戦車の装甲が厚いところを狙ってしまうことが多い、にゃ。それと、動いている目標には当たりづらいのにゃ。でも、自分が移動していて狙いづらいといった状況で使うと、敵の背後に回り込んで射撃ができたりする、にゃ。

ふ~ど:【Pz.Kpfw. I Ausf.C】で走り回っていて、ロックオンを使って適当に弾をばらまくと、結構当たります。

ヘルキャット軍曹:そういう使い方が理想的なのにゃ。

■そして語られる『ガルパン』収録秘話!

チョロ松:せっかく小笠原さんがいらしているので、『ガルパン』のニーナを演じた際の収録秘話を伺いたいのですが。

小笠原:収録秘話ですか……。OVAだけの出演だったので、私が演じたシーンでは戦車に乗って戦っていないんですよ。プラウダ高校の作戦をポロっと漏らしちゃう役だったんです。秋山殿のことをプラウダの先輩だと思って。

大用:東北なまりのしゃべり方が印象的でした。

小笠原:プラウダ高校は北のほうの学校なんですが、私は青森出身なので、「じゃあ、なまってみよう!」って言われて。

田中:それは、収録の現場で決まったんですか?

小笠原:もともと、最後のセリフだけはなまるという感じだったんです。先輩と話す時はちゃんと普通のイントネーションの敬語でしゃべって、仲間と話す時はちょっとなまるという感じで。でも現場で、全部なまった感じでいこうとなりまして。全編を通してなまりました(笑)。

『World of Tanks』

 私もそこで、カーヴェーという読みかたを知ったんですよ。台本にはKV-2って書いてあったんですが、「『ガルパン』ではカーヴェーって読むんだよ」って言われて。他の戦車も、独特な読み方があるじゃないですか。この作品で初めて知りました。戦車のことはまったくわからなくて、『WoT』を遊ぶならやっぱり『ガルパン』戦車で始めたいと思っていたのですが、『ガルパン』戦車にとらわれず、いろんな戦車に触って作戦を立てるのがいいんだと勉強しました!

ふ~ど:結果的に、いろんな戦車に触ることになると思いますよ(笑)。カーヴェーに行くなら、カーヴェーだけでもいいかもしれませんが。

田中:プラウダのソビエト戦車はどれも強いのでオススメです。逆に、大洗女子学園の戦車はどれもクセが強いので、あまりオススメできないと言いますか(笑)。

小笠原:でも皆さんのお話を聞いてて、最初は『ガルパン』からという気持ちではいたんですが、歴史のお話を伺って、そういうのも夢中になっちゃうのがわかる気がします。アニメに出てきた戦車だからじゃなくて、実際にその戦車がどんな戦車だったか、どんな戦い方をしていたか、ゲームの中でも追体験できるっておっしゃっていたので、私もどんどん興味がわいてきました。

大用:ヒストリカルバトルのシステムを使って、『ガルパン』の戦いを再現というのはできないんでしょうか(笑)。

ヘルキャット軍曹:そこはベラルーシの本社にお願いしないとダメなのにゃ。でも『WoT』にはトレーニングモードがあって、そこで『ガルパン』の戦いを再現した方はいると聞いている、にゃ。個々のプレイヤーで工夫して、いろいろと遊んでほしい、にゃ。

ふ~ど:僕もレースとかやりましたよ。皆で速い戦車をえらんで、それでマップを1周するっていうの。

チョロ松:他にも、体当たりだけで敵を倒すとか。あとは勝手にフラッグ車を設定して、それがやられたら負けとか。

小笠原:ミリタリーゲームって敷居が高い印象ですが、面白いですね。

ふ~ど:スポーツゲーム感覚でも遊べるのが、『WoT』の懐の広いところなんですよ。

『World of Tanks』 『World of Tanks』
▲座談会の終了後、ふ~どさんの手ほどきを受けて初めて『WoT』に挑戦した小笠原さん。『ガルパン』でニーナが乗っていたのは【KV-2】ですが、今回は【T-34】に乗り込んで【Pz.Kpfw. IV】を見事に撃破!
『World of Tanks』

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データ

▼『World of Tanks(ワールド オブ タンクス)』
■メーカー:ウォーゲーミングジャパン
■対応機種:PC
■ジャンル:ACT
■配信日:2013年9月5日
■価格:無料(アイテム課金)

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