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2014年4月25日(金)

上坂すみれさん本人がロシア語パートを演出!? 『WoT』で実装されるプラウダ高校・ノンナのボイスパックにちなんだ緊急インタビュー!!

文:電撃オンライン

 全世界のゲームファンが熱狂しているオンライン戦車ゲーム『World of Tanks(ワールド オブ タンクス)』(以下、『WoT』)。日本では人気アニメ『ガールズ&パンツァー』とのコラボレーション企画として、西住みほをはじめとする美少女たちがプレイ状況に応じたセリフをしゃべってくれる“キャラクターボイスパック”が続々と配信されています(現在は、第1弾の西住みほパックと第2弾の秋山優花里パックが配信中)。

 今回は、プラウダ高校の副隊長を務めるノンナ役の声優・上坂すみれさんの収録現場を直撃して、特別にお話を伺ってきました。隊長のカチューシャを全力でサポートするノンナが『WoT』でどんなセリフを聞かせてくれるのか、大いに期待したいところです。ノンナのボイスパックは近日中に配信予定とのことなので、まずはこのインタビューをチェックしておいてください!

『World of Tanks』 『World of Tanks』

■ノンナを演じるのは久しぶり!

――普段のアニメの収録と違って1人で台本を読んでいくスタイルの収録でしたが、やってみていかがでしたか?

上坂すみれさん(以下、上坂):ゲーム収録は何度か経験があったので、戸惑うことなく収録できました。ノンナさんはそれほど感情の変化がなく、淡々と「撃ちました」といった報告をしていくので、システムボイスを収録しているみたいな感じがしました。そんなノンナさんだからこそ、逆にやりやすかったです。

『World of Tanks』

――やられた時のセリフが非常に多かったと思うのですが、クールなノンナのイメージとのギャップで、演じるのが大変ではなかったですか?

上坂:ノンナさんを演じること自体が久しぶりだったので、最初は「どんな感じだったかな?」って思い出す必要がありました。でも基本的には、いつもの冷静な、次の一手を考えてるノンナさん。負けた時も「私たちの負けですね」と淡々とした感じの、全然くやしそうではないセリフでした。個人的には、「プレイヤーの方のせいで負けた」みたいな雰囲気に感じてしまって、すごくションボリしてしまうかなって思いました。

――ロシア語のセリフもあったとお聞きしました。

上坂:ありましたね。パリッとしたネイティブのロシア語のガイド音声をいただいて、それを私のできる範囲で表現してみました。『ガルパン』のアニメでも少しロシア語のセリフがありましたけれど、あれはひと言ずつのセリフだったので難しくはなかったです。でも今回は、かなり長文がありました。日本語で言うと「敵の装甲が○○○○」というセリフもロシア語で言うとすごく長くて、私の発音もネイティブではないので聴き取るのは難しいかもしれません(笑)。

――やはり、ロシア語の長いセリフは難しかったですか?

上坂:言い慣れない単語が多くて。特に、ミリタリー系のロシア語ってひとつひとつが長いんですよ。「装填が完了しました」って言うだけでも、すごく労力を使うんです。ロシア語って、普段よく使う単語は短くて、あまり使わない専門用語になると本当に長いんです。短い単語だと、勝った時は「ура(ウラー)!」。負けた時は「чёрт(チョールト)!」って、「くそー!」みたいなロシア語があるんですが、それは台本になかったので急きょ入れてもらいました(笑)。

『World of Tanks』

――隊長のカチューシャを心配するようなセリフもあったそうですね。

上坂:ノンナさんはカチューシャのために生きてるようなところがあるので、そこは人間らしいというか、普通の人のテンションでやりました。ずっと通して収録していると「カチューシャ!」っていうところだけテンションが上がって、他の操縦手とか装填手がやられた時はどうでもいいらしくて、テンションが下がるんです。その態度の違いが面白かったですね(笑)。ぜひ聞いてほしいです。

――特に頑張ったところ、注意したところなどはありましたか?

上坂:やはりロシア語のところですね。普段言わないような本格的な軍事用語や長文が多くて、日本語に訳すと「履帯が完全に破壊されました、動けません」っていうセリフも、ロシア語だと台本上で2行もあるんですよ(笑)。

 普通の日本のアニメでは、長文のロシア語をしゃべることってあまりないので、きっと面白いと思います。もしロシア語がお得意な方がいたら、ロシア語で応酬してあげてください。

――プレイしている最中に、ノンナから日本語とロシア語混じりで指示が飛んでくるんですね。

上坂:「敵です、注意を!」っていうセリフをロシア語で言われても、わからないじゃないですか(笑)。敵が来ていることに気づかず死亡、みたいなこともあるかもしれないので、気をつけてください!

――今回の収録では、ロシア語については演出が不可能ということで、すべて上坂さんの責任で録られたそうですね(笑)。

上坂:なので、間違っていたら録り直しに来ます(笑)。

――今回の収録にはなかったけれど、「このセリフを入れてみたかった!」といったものはありますか?

上坂:特定のセリフというわけではないのですが、個人的にはカチューシャのボイスパックもあったらいいなって思います。さらに、カチューシャとノンナの会話があったらすごく楽しいんじゃないかな。

『World of Tanks』

――『ガルパン』のアニメでも『カチューシャ』の歌をロシア語で歌われましたが、苦労などはありましたか?

上坂:特に苦労はなかったです。大学1年生の時に研修で2週間ロシアへ行って、現地の方に『カチューシャ』や『モスクワの夕べ』などの色んな民謡を教えていただきました。だから、その時の思い出がよみがえってきて、特に思い入れがあります。『カチューシャ』は実は軍歌ですけれど(笑)。

――ロシアには何度か行かれていると思うのですが、特に印象に残っていることは?

上坂:すべてが印象に残る国だったので、どれを言えばいいか……。酔っ払いと野良犬が、道端で仲良く寝ているとか(笑)。しかも、野良犬が日本の犬の1.5倍ぐらいの大きさなんですよ。凶暴だって聞いてたんですけれど、酔っぱらってるのか、おとなしかったです(笑)。あとは、スーパーに行ったらお酒のつまみに困らなかったことですね。ハムコーナーとチーズコーナーがすごく広くて。

 それから、地下鉄の駅が宮殿みたいで、マルクス像とか赤軍兵士のレリーフなどのソ連時代のモチーフがたくさんあったり、シェルターみたいに地下深いエスカレーターがあったり。通称“ギロチンドア”って呼ばれる、駆け込めないドアの閉まり方も印象的で。すべておいてスケールが大きいので、ロシアに行くと「私たちは何を細かいことを気にしていたんだろう?」っていう、おおらかな気持ちになれると思います。なので、オススメです(笑)。

■上坂さんが好きなのは“鉄の棺桶”的な戦車!?

――今までに『WoT』をプレイする機会ってありましたか?

上坂:オンラインゲームは不慣れなんですが、『WoT』のイベントに1度参加させていただいて、そこで初めてプレイしました。私がなぜ戦車ゲームなどのミリタリー系のゲームが苦手かというと、戦車がどんどん傷ついていくのがもう悲しくて悲しくて! 履帯が動かなくなった時点で、「もうダメだ」ってなってしまうんです(笑)。

――特に『WoT』は、敵に撃たれて自分の戦車がどんどん壊れていきますからね。

上坂:あの壊れ方のリアルさは、胸が痛みます。

――そのイベントでも縁もあって、ノンナのボイスパック配信が決まったのでしょうか。

上坂:『WoT』のイベントに出させていただいてから、「いつかゲームのほうにも参加したいです」とずっとお願いしていました。ノンナのボイスパックの配信が決まって、すごく楽しみにしていました。ただ、『WoT』ってすごく硬派なゲームだと思うので、そこに“戦車道”の要素が入ることで、みほさんたち大洗女子学園のキャラクターたちがガチの戦場に行ってるような気分にもなってしまいます。でも、それはそれで。戦車道世界大会みたいな気分になってですね、ノンナさんにも辣腕(らつわん)を振るっていただきたいなと思っています。

――特に思い入れのあるロシアの戦車って、ありますか?

上坂:好きな戦車はBTシリーズです。BT-2もBT-5も、BT-7も全部好きですね。ロシアの戦車なら、どちらかというとクラシカルな、T-34やその周辺の系列の戦車も好きです。最近の「リアクティブアーマーがめっちゃついてる」とか、「ネットワーク機能を搭載している」とか、「スラロームがすごく速い」とか、そういうのよりも“鉄の棺桶”的な戦車が好きなので、独ソ戦前後の戦車をひいきしていますね。

『World of Tanks』 『World of Tanks』
▲『WoT』ではTier IIIで登場する【BT-7】。史実では、履帯を外して100km/h以上で走行できたという快速の軽戦車。▲第二次世界大戦でソビエトの主力となった中戦車【T-34】。傾斜装甲などの先端技術が取り入れられている。

――例えば、T-34のどんなところが好きですか?

上坂:T-34は独特なハッチの形状で“ミッキーマウス”とも呼ばれる戦車ですし、スタンダードかつ優秀なので、人間に例えるとクラスの学級委員的なポジションになると思うんです。ソビエトの戦車ってわりとポンコツがいっぱいで、その中に突然傑作が現われることが多い気がするんですけれど、そんな中で学級委員のT-34は、さぞかし苦労してるんじゃないかって思います(笑)。

――今年の3月で大学を卒業されまして、何か変わったことはありますか?

上坂:4年生になっても取らなければいけない授業があったので、平日は週に3日も大学に通っていたんです。それがなくなってお仕事1本になると、趣味の時間が本当に多くなったなって思いますね。

 私が専攻していたロシア語学科は課題も多くて、“地獄のロシア”ってあだ名がついているほど。別にロシア語学科を糾弾しているわけではないんですけど(笑)。確かに地獄の進級率でしたね。最近はロシア以外についての知識も開拓できて、すごく充実してるなって思います。

『World of Tanks』

――上坂さんは『ガルパン』の舞台となっている大洗町に行かれたことがありますか?

上坂:実はまだ、1度もないんです。カチューシャやノンナのパネルがあることは、よくTwitterのリプライで「見ましたよ」って知らせていただいていますし、アンツィオ高校のアンチョビさんも好きなので、ぜひ彼女たちのパネルを見に行ってみたいなって思っています。

――それでは、ノンナのボイスパックで『WoT』をプレイするのを楽しみにしている皆さんに、メッセージをお願いします。

上坂:まさかのノンナさん登場ということで、大洗女子学園の生徒ではないキャラクターでプレイできるようになります。ノンナさんのボイスでプレイするにあたって、ひと言。彼女は“ブリザードのノンナ”なので、すごく冷たいです(笑)。

 負けたらすごく悲しくなると思うし、とてもくやしいと思うし、勝ってもそんなにほめてくれないので、「もう何だよ、このぶっきらぼうな奴!」って怒らないでください(笑)。ノンナさんはそういう人ですけど、とても優秀なので、プラウダ高校の生徒になった気持ちでノンナさんの指示に従ってですね、ぜひ勝利を収めていただきたいなと思います。

――そういう風にしかられるのが大好きな方も少なくないと思います(笑)。

上坂:レベルが高いですね(笑)。負けると本当に、「残念です……」だけとか、軽蔑するような感じで言われるので、「もうやんないぞー」っていう気持ちになっちゃうかもしれません(笑)。

――本日はありがとうございました。

『World of Tanks』

(C) Wargaming.net
(C) GIRLS und PANZER Projekt

データ

▼『World of Tanks(ワールド オブ タンクス)』
■メーカー:ウォーゲーミングジャパン
■対応機種:PC
■ジャンル:ACT
■配信日:2013年9月5日
■価格:無料(アイテム課金)

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