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2014年5月6日(火)

“ゲーム業界プロデューサートークイベント”がマチ★アソビで開催。4メーカー6人のゲームプロデューサーが集結して自らの仕事を語る!

文:イトヤン

 徳島県・徳島市にて3日間に渡って開催されたイベント“マチ★アソビ Vol.12”。その最終日である5月5日には、両国橋南公園ステージで“ゲーム業界プロデューサートークイベント”が開催された。

マチ★アソビ
▲左から松山洋さん、森利道さん、内藤新二郎さん、富澤祐介さん、馬場英雄さん、小林裕幸さん。

 サイバーコネクトツー代表取締役社長で、『NARUTO -疾風伝- ナルティメット』シリーズなどのプロデューサーである松山洋さんによる司会進行のもと、出演者がステージに登場。

 アークシステムワークスで『ブレイブルー』シリーズのプロデューサーを務める森利道さん、『CV~キャスティングボイス~』が初プロデュースとなるバンダイナムコゲームスの内藤新二郎さん、同じくバンダイナムコゲームスで『ゴッドイーター』シリーズなどのプロデューサーを務める富澤祐介さん、バンダイナムコスタジオで『テイルズ オブ』シリーズのブランドマネージャー兼プロデューサーを務める馬場英雄さん、カプコンで『戦国BASARA』シリーズなどのプロデューサーを務める小林裕幸さんと、総勢6名の豪華なメンバーが集結した。

マチ★アソビ
▲小雨が降る中での野外イベントとなったが、それでも会場には多数の聴衆が詰めかけて、熱心にトークを聞いていた。

 まずは「プロデューサーの仕事、どこまでやってますか?」というテーマで、トークが開始された。これはゲーム制作において、どこまでがプロデューサーの役割なのかを、各自に語ってもらうというものだ。

 森さんはもともとイラストレーターでもあるため、キャラクターのイラストからゲームのシナリオまで、なんでも自分でやるという。一方、小林さんは最初の企画立案に注力した後は、アニメや舞台といった他メディアでの展開のほうに時間を割くという。

 内藤さんは、会社の先輩である富澤さんが立案した『CV~キャスティングボイス~』の企画を任されることで、初めてプロデューサーとなった経緯を語った。すると馬場さんからは、『ゴッドイーター』の第1作も、もともとは馬場さんが進めていた企画を仕切り直す際に富澤さんに委ねたという話が飛び出して、バンダイナムコ社内の意外な人間関係(?)がかいま見える形となった。

マチ★アソビ

 続いて「ゲームを作る時、アニメやメディア展開を意識しますか?」というテーマに移った。これについて馬場さんは、ゲームを企画する当初から意識している場合もあるが、アニメ会社や出版社などの都合もあり、実際にはゲームを制作しながら並行して考えることが多いと説明した。

 また小林さんは『戦国BASARA』はアニメ化したいという希望はあったが具体的な計画などはなかったため、ゲームの人気が盛り上がることによってようやくTVアニメ化が実現したと語った。

 森さんによると『ブレイブルー』も当初からあらゆるメディア展開を意図していたものの、なかなか相手にしてくれなかったという。小説化やコミック化などで協力してくれる企業が少しずつ集まることにより、アニメ化にまで至ったそうだ。一方、富澤さんは、ゲームのプロデューサーは直接関係している作品以外でアニメ業界の人たちと会う機会があまりないだけに、マチ★アソビのような場は大きなチャンスだと語った。

マチ★アソビ

 マチ★アソビの話題が出たところで、次のテーマは「東京と地方イベント、違いはありますか?」というものに。『戦国BASARA』は日本全国で実在した戦国武将を題材にしているため、小林さんは各地を積極的に回ったところ、それぞれの場所で非常に喜ばれたという。すると森さんは、小林さんが日本中を飛び回っているのをお手本にして、『ブレイブルー』も日本全国でキャンペーンを行ったことを明かした。

 また、馬場さんは日本全国でも『テイルズ オブ』シリーズの体験会を行っているが、それだけでなく海外でも多数のイベントに参加している。現地のファンと直接触れ合った結果、海外での『テイルズ オブ』シリーズの人気が、大きくアップしたことを語った。

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 最後は、2014年度の各自のキーワードを、紙に書いて掲げるというもの。森さんは次回作に向けての「充電」を、小林さんは自分の体調を考えて「無理しない」を、それぞれ紙に書いていた。一方、馬場さんは『テイルズ オブ』シリーズの節目となる「20周年」を、富澤さんは今後に向けた態勢を強化するための「チームワーク」を、それぞれキーワードに選んでいた。

 内藤さんのキーワードはなんと「サインを考えておく」というもの。マチ★アソビの会場で寄せ書きのサインをスラスラと書いていた富澤さんから、ゲームがヒットすればいろいろな機会でサインを求められるようになると聞かされたため、『CV~キャスティングボイス~』のヒットを祈願する意味を込めて、このキーワードを選んだのだという。

 以上で、このステージは終了。通常のゲームイベントでは聞けないような、ユニークな内容のトークが多数飛び出して、非常に中身の濃いイベントとなっていた。

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▲イベントの最後に森さんは、追加のキーワードとして「スタッフに感謝」という紙を掲げていた。

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