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2014年6月11日(水)

『仮面ライダー バトライド・ウォー2』ではコーカサスを武蔵さんが熱演。変身ポーズやアクションシーンへのこだわりについて語る

文:電撃オンライン

 バンダイナムコゲームスより、6月26日に発売されるPS3/Wii Uソフト『仮面ライダー バトライド・ウォーII』。本作に登場する仮面ライダーコーカサスを演じた武蔵さんへのインタビューを掲載する。

『仮面ライダー バトライド・ウォーII』

 『仮面ライダー バトライド・ウォーII』は、歴代の平成仮面ライダーが登場する“バイク&ヒーローアクションゲーム”の第2弾タイトル。多彩な仮面ライダーを操り、広大なフィールドをバイクで駆け抜けながら大量の敵とのバトルを繰り広げていく。最新のライダーである仮面ライダー鎧武が参戦している他、究極フォームや映画にスポットを当てたストーリーなど、多数の新要素が用意されている。

 キャストインタビューの第3回では、『劇場版 仮面ライダーカブト GOD SPEED LOVE』にて最強の仮面ライダーコーカサスを演じた武蔵さんにインタビューを実施。こちらは、『電撃PlayStation Vol.565』(KADOKAWA刊)に掲載されたものに、誌面の都合上、掲載できなかったトークを加えた“完全版”となっている。

【武蔵プロフィール】

『仮面ライダー バトライド・ウォーII』

 元K-1選手で格闘家。“日本のエース”の異名を持ち、独自のファイティングスタイルで世界の強豪と戦ってきた。現在は俳優としてやバラエティ番組出演など、多方面で活やくしている。

■強さの原点はヒーローへのあこがれ

――まず、武蔵さんの『仮面ライダー』にまつわるお話をお聞かせください。

 仮面ライダーシリーズは、『スカイライダー』や『仮面ライダースーパー1』をリアルタイムで見ていました。昭和ライダーのバトルは、平成ライダーのようにスタイリッシュな空手技ではなく、西部劇のケンカに近いものでしたよね。でも、逆にその無骨さがカッコイイなと思っていました。

――やはり、仮面ライダーは強さの憧れだったのでしょうか?

 はい。昔から強いモノに憧れていて、仮面ライダーはその代表でした。他にもヒーローはいましたけれど、その中でもより人間らしく等身大のヒーローでしたから。

――子どものころには“仮面ライダーごっこ”はされましたか?

 やってました。みんな自分がやりたいライダーを取り合ってやってましたね(笑)。僕はアウトドア派で自然が大好きでしたから、主にアマゾン役をやってました。当時の子どもはカッコイイものに影響を受けやすかったですからね。ただ、さすがにショッカーとか悪役になろうっていう友だちはいなかったので、いつもライダー対ライダーになってましたが(笑)。

――格闘家になられた後、同じ“戦う者”としての目線で仮面ライダーの見方は変わりましたか?

 アクションスターに憧れていた時代があったことと格闘家としての職業病かもしれませんが、「キレイな蹴りをするな」とか「アクションのキレがあるな」とか、全体的な動きに目線がいくようになりました。

――仮面ライダーコーカサスはカブトムシがモチーフですが、子どものころに昆虫採集などはされていましたか?

『仮面ライダー バトライド・ウォーII』

 僕、昆虫がめちゃめちゃ好きなんですよ。カブト、クワガタは夏になったら取りに行ってましたし。毎朝カナブン取りにいって虫カゴを一杯にしてましたよ、くっさかったですけどね(笑)。

――子どもは、見つけて獲るという行為がおもしろいですからね。

 狙いはカブトやクワガタでしたが、手ぶらで帰るのはイヤだったので何かしら虫カゴには入れてましたね。水生生物も好きだったので、ザリガニやカメを捕まえに行ったり……。もう1年中外で遊んでましたよ。

――ちなみにカブトムシとクワガタならどちらが好きですか?

 子どものころはクワガタのほうが好きでしたね(笑)。クワガタは、スジクワ、コクワ、ヒラタ、ミヤマ、オオクワ、ノコギリなどがいて種類が豊富なところが好きです。オオクワはまずいないので、ヒラタが捕まえられたらその日は万々歳でしたね。

 もちろん、カブトムシも大好きなんですよ! 実は、つい最近までカブトムシを飼っていたんです。後輩とご飯を食べに行った帰りにメスのカブトムシを偶然見つけて、それを持って帰って飼うことになりました。カゴと、そこに入れる土や植物、それからつがいになるオスのカブトムシも一緒に買いました。

 そしたら、そのカップルが卵を産んで、卵が幼虫から成虫になり……そんな生命の営みを数年繰り返しました。最終的に逃がしちゃいましたけどね(笑)。

■格闘家としてこだわったコーカサスのアクションシーン

――『劇場版 仮面ライダーカブト GOD SPEED LOVE』に出演されるというお話が来た時、どのようなお気持ちでしたか?

 「まさか、自分が仮面ライダーになれるとは!」という気持ちでしたね。子どものころは、本気で仮面ライダーになりたいと思っていましたが、年齢が上がるにつれてそれは無理だということを知り、夢をあきらめていたので(笑)。夢が叶いましたよ。

『仮面ライダー バトライド・ウォーII』

――最初から仮面ライダーコーカサスの役としての出演だったのでしょうか?

 はい。敵役の仮面ライダーとして出演するというお話をいただきました。しかも、歴代の中でも最強のライダーになる話を聞いたときは震えましたね。仮面ライダーになれること自体が名誉なことなのに、“最強”という文字がついているので、緊張感と身の引き締まる思いがしました。

――変身前の黒崎一誠というキャラクター設定を見た時、どのような印象でしたか?

 正直ビックリしました。フィッティングの時に見た衣装にも驚かされたなぁ(笑)。黒崎ってバラを片手にキザなセリフをいうキャラクターですからね。セリフを読む時、「こんなことをオレが言って似合うかな?」と思って緊張しましたよ。

――黒崎というキャラクターを作り上げる際に、武蔵さんから提案したアイデアはありますか?

 僕が出したアイデアは変身のポーズになります。撮影の時に監督から「武蔵さんがやってみたい変身ポーズがありましたら、やってください」って言われまして……。

――あの変身ポーズは、その日に即興で完成させたものだったんですね。

『仮面ライダー バトライド・ウォーII』 『仮面ライダー バトライド・ウォーII』

 はい。自分が仮面ライダーの変身ポーズを編み出していいのかと思うことはありましたが、実際それが形になればそれは名誉なことですから、その場で知恵を絞って考えて、空手の型の動きを加えたポーズを考えてました。“セイエンチン”という受けの型がありまして、その中の動きをモチーフにして、少しアレンジを加えたポーズになります。

――アクションシーンの撮影でのエピソードをお聞かせください。

 アクションシーンを撮影している時にいつもの調子で動いていたら、アクション監督に「魅せるアクションをお願いします」と言われたのが印象に残ってますね。僕は格闘家なので、打ちや蹴りという動きを日常の練習でやっていますが、それは“いかに相手にわからないように攻撃する”という、いわば相手を倒すための動きです。

 実際の試合で平成ライダーのようなモーションの大きいアクションをしたら動きを読まれてカウンターを狙われるので、本能的にそう動いてしまったんですよ(笑)。

――確かに、実戦ではありえない動きですからね。

 はい。でも、その後に監督から「突きや蹴りも迫力のある動きなので、それを大きくハデに魅せるかってことができたらスゴイアクションになりますよ!」と教えられてすごい納得しましたね。いつも自分がしている動きは魅せるアクションとしては伝わりにくいから、もっとアレンジしていこうと思いました。そういう意味で撮影はものすごい勉強になりましたよ。

――魅せるアクションにアレンジをする中で、心がけたことはなんでしょう?

『仮面ライダー バトライド・ウォーII』

 体の大きさや動きによる迫力が伝わらなければ、別に僕が演じなくてもいいことになります。なので、K-1選手・武蔵をコーカサスとして選んでいただいた以上、自分にしかできない迫力とスピードを兼ね備えたアクションを心がけました。

――作品になったものをご覧になられた時に、どのような印象を受けられましたか?

 今でもたまに見直すことがあるのですが、アクションシーンは映像のチカラも相まって、自分自身が思い描いていた以上のスピード感や迫力が出ていると思います。ただ、監督に教えられた魅せる動きに関しては、もっと改良できるんじゃないかとも思えました。あと、キザなセリフは今聞いてもやっぱり照れちゃいますね(笑)。

――衣装には帽子やマントがありましたが、動きにくくはなかったのでしょうか?

 意外と動きやすい服だったのですが、マントは少し……。試合で入場する際にマントをつけて登場する選手はいますが、着けたまま試合する人は絶対にいませんからね(笑)。もちろん、マントを着用したアクションも初めてでしたから、なびいたマントで動きが隠れないように意識しながらやりました。

――マントの動きに合わせた、カッコイイアクションだったと思います。

 ありがとうございます。衣装の特徴を生かしたアクションというのは、自分の中でも参考になりましたね。

――アクションシーンで武蔵さんが注文したことはありますか?

 監督に攻撃の流れについての提案はさせてもらいました。コンビネーションと言われる動きなのですが、例えば「Aという攻撃から急にCという攻撃になるのはおかしいです。よりナチュラルなコンビネーションにするなら、間にBという攻撃を入れましょう」といった感じですね。

――そういった動きは格闘技のプロフェッショナルにしかわからないことですね。

 スムーズにつながる攻撃を優先しました。ただ実戦では、そのコンビネーションをいかに相手に伝わらないようにするかが、大事なんですけどね(笑)。

■ファンの中でも人気のあのセリフを再演

――前作『バトライド・ウォー』はプレイされましたか?

『仮面ライダー バトライド・ウォーII』

 ごめんなさい、プレイしていないです。子どものころはゲームセンターの大型筐体の体感型ゲームで遊んでいたので、決してゲームが嫌いなわけじゃないんですが、いかんせん下手なんですよね(笑)。

――今回、約7年ぶりに仮面ライダーコーカサスと再会したわけですが、その時のお気持ちは?

 コーカサスとして再び出演できることはうれしかったし、光栄でした。撮影していた時のことが、つい最近のように思い出されてきましたね。僕自身は変身するまでの登場なので、出演時間はそれほど長くはなかったのですが、子どものころの夢である仮面ライダーになれたという記憶は、強烈でしたからね。自分の中でこれほど名誉なことはないと思ってます。

――先ほど「キザなセリフは恥ずかしかった」とおっしゃっていましたが、今回あらためてキザなセリフを収録したときはどのような感じでしたか?

 逆に、今のほうがあまり恥ずかしくなく言えました。撮影当時は現役選手だったので、そんなキザなことを言う余裕もなく必死で戦ってましたから。自分にはないキャラクターだったので恥ずかしかったんですよね。

――現在は、俳優として役に臨めるという点で楽だったのでしょうか?

 はい、今の僕は「なんでもこい!」っていうスタンスですから(笑)。

――ゲームのアテレコで苦労なされたことはありますか?

 苦労は特にありませんでしたね。当時よりもっとよく演じたいなと思っていたので、劇場版のことや試合のことを思い出しながら演じました。収録中は、役にのめり込んでいたらしく自然と体が動いていたようですが、スタッフの方に「迫力がありましたよ!」と言ってもらえたので、気が楽になりました(笑)。

――今回収録したセリフの中で、特に印象深いものを教えてください

『仮面ライダー バトライド・ウォーII』

 「私のバラに彩りを加えましょう、裏切り者の赤い血と屈辱の涙を!」ですね。これはキザでしょう(笑)。最強のライダーという立場だからこそ出てくる、コーカサスを象徴するセリフだと思います。

――今のセリフは、ファンの間でも人気が高いみたいですね。

 そうなんですか? ありがたいことです。ちなみにゲーム中でこのセリフは、コーカサスの登場シーンに挿入されるセリフなので、ぜひ聞いてみてください。日常生活においては、死ぬまで言うことのないセリフでしょうね(笑)。でも、僕の黒崎一誠のように、キザなセリフが似合う男になりたいです!

――実際にゲームの画面はご覧になりましたでしょうか?

 少し見させていただきました。演出がすごくって、ゲームというよりは映画に近い印象を受けましたね。より深くライダーの世界に入り込めるので、自分がライダーになった気持ちで遊ぶことができるでしょう。

『仮面ライダー バトライド・ウォーII』

――コーカサスは敵キャラクターとして登場するので、武蔵さんがプレイするとコーカサスを倒すことになりますが……。

 う~ん……それは複雑ですね。やっぱり自分が演じたライダーなので、負けてほしくないので。ファンの方たちから「コーカサスが強すぎる!」というクレームが出るくらい、最強のライダーらしい戦いをしてほしいです。まあ僕はゲームが下手なので、そもそもたどり着けるか疑問ですが(苦笑)。難易度を簡単にできるみたいなので、練習してコーカサスに会えるようにします。

――少年時代にゴッコ遊びで繰り広げたものが、ゲームで再現されてるのをご覧になっていかがですか?

 普段はそろうことのないヒーローたちが集まるのは、少年時代にはそれこそ映画や特番しかなかったものなのでお祭り感覚でした。それは、今の子どもたちもきっと同じ気持ちだとおもいます。このゲームをやれば一年中お祭り気分を味わえるわけですから、今の子どもたちがうらやましいですよ(笑)。

――武蔵さんにとってヒーローとはどんな存在ですか?

『仮面ライダー バトライド・ウォーII』

 僕にとって永遠の憧れですね。僕らが子どものころみた仮面ライダーは、今もなんら変わらずヒーローであり続けている。キャラクターや話は変わっていますが、そのヒーロー像は変わっていませんからね。それこそが永遠の存在だとおもいます

――では、仮面ライダーコーカサスはどのような存在でしょうか?

 「仮面ライダーになる」という子どものころの夢が叶ったわけですから、僕の人生において誇りに思える存在です。人それぞれイロイロな夢があるかと思いますが、それを持ち続けていれば何かしらの形になる。思った夢がそっくりそのまま叶うわけではないにしても、目指したことやがんばったことが人生にいい方向に行くはずです。

 もしタイムスリップできたとしたら、小さいころの自分に「オレ、仮面ライダーになったんだぜ!」教えたいですよ。でも、きっと「ウソこけー!」って突っ込まれちゃうんでしょうけど(笑)。

――では、最後に発売を待ち望んでいるファンの皆さんに一言お願いします。

 仮面ライダーカブト以外にも、ライダーファンがこのゲームをプレイされるかとおもいますがファンの期待は決して裏切らない素晴らしい内容になっています。自分が仮面ライダーになったつもりで遊べるゲームなので、ぜひ触ってみてほしいです。

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