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2014年6月19日(木)

期待の大作『ウォッチドッグス』を語り明かす座談会レビュー! 遊び尽くせぬ膨大なその魅力とは?

文:おしょう

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『ウォッチドッグス』は、CERO Z(18歳以上のみ対象)のソフトです。
※18歳未満の方は購入できません。
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 6月26日の発売日が間近に迫る、ユービーアイソフトの期待のオープンワールドアクション『ウォッチドッグス』 。実際にプレイしてわかった本作のスゴさとはなんなのか? 2本目のレビューは、電撃PlayStation副編集長・おしょうが、同誌の担当編集・ヒビキタケルと、担当ライター・アツゴロウとの座談会で、その魅力をとっぷり語ります。

『ウォッチドッグス』

→電撃PlayStation副編集長・佐藤の1本目レビューはこちら

■無数の楽しみが詰め込まれた、名実ともに“近未来のオープンワールドアクション”

おしょう:発売まであと1週間となった『ウォッチドッグス』ですが、もうたくさん情報が出ていて、おそらくゲームファンで、オープンワールドアクションが好きなユーザーは、間違いなくチェックしているでしょうな。

ヒビキタケル:してるでしょうね。

おしょう:そういう人たちって、たぶん我々がオススメしなくても、もう「買う」って決めていると思うんですよ。やっぱり最新の据え置き機で、これだけのクオリティのオープンワールドのゲームが出るわけだから。ゲーマーだったら「やらずにいられるか!」って感じで。

 その一方で、最近は昔と違って「海外のゲームはコアなゲーマーしかやらない」というイメージがかなり払拭されてきて、比較的ライトなゲームファンにとっても、単純に「すごい予算をかけたすごいクオリティのゲーム」という認識になってきていると思うんです。そういう意味で今回は、「一般層のゲーマーが『ウォッチドックス』を見たときの注目ポイントはどこだろう」ということを中心に、イロイロ話していきたいなと。

アツゴロウ:まずは、やっぱり“ハッキングを使っていろいろできる”というアクションゲーム自体がこれまでなかったから、そういうところが注目点になると思います。

『ウォッチドッグス』 『ウォッチドッグス』

おしょう:アニメとか小説の世界ならあるだろうけど、ゲームでここまで自由に、かつオープンワールドの世界でハッキングできる、というものはこれまでなかったよね。

ヒビキタケル:他人の個人情報が見られて、直接ゲームに関係ないこともバンバン見られますしね。

おしょう:そうそう、プレイして真っ先におもしろいなと思ったのはそこ。一般的なオープンワールドのアクションゲームにおける通行人って、基本は雑踏のリアルさを出すために配置されているモブキャラで、たとえ攻撃を加えたりできたとしても、大概はいるだけの存在に過ぎない。でも『ウォッチドッグス』だと名前だけでなく“ソーシャルゲームにはまっている”とか“最近○○○した”とか、そういうものが全部設定されていて、しかもATMにアクセスして個人の預金額とかもわかっちゃう。本当、よくここまで細かく設定してあるな~と。

ヒビキタケル:“パパラッチのアルバイト”とか“素人のポルノ雑誌を読んでいる”とか、こいつ見た目に反してこんなことやってるのか、という感じで。数もすごく多くて、しかもプレイした感じ、かぶっている人がまったくいない。プレイしていてすごいな、と思うところですよね。

『ウォッチドッグス』 『ウォッチドッグス』

おしょう:話はズレるけど、昔、電撃ドリームキャストって雑誌で『シェンムー』の記事を作っていたときに、担当者が何を思ったのか、街の通行人全員の姿を撮影して、どんな行動をしているのかを掲載したことがあったのね。あれは見ていて超たいへんだった(笑)。

 ただ、あの作品の場合はオープンワールドゲームの始祖みたいなもので、通行人のプロフィールとかがわかるわけじゃなかったし、今思えば数も膨大というわけじゃなかった。でも『ウォッチドッグス』は膨大な数+全部プロフィールが設定されているわけで。これをリスト化して記事でまとめようと思ったら、気が遠くなる(笑)。

アツゴロウ:ほんと、100人どころの話じゃないですからね、設定されている人数は。

おしょう:だから街を探索する楽しみは、おそらくこれまでのオープンワールドのゲーム以上に、いろいろあると思いますね。自分でハッキングして関与できる対象がたくさんあるし、人によっては犯罪にかかわっていて、追跡することで犯罪を防止したりもできるし。ちなみに、基本は善人的なプレイをしたほうがいいのかな?

『ウォッチドッグス』 『ウォッチドッグス』 『ウォッチドッグス』

アツゴロウ:メリットはありますね。それでエイデンの評判も上がり、器物破損とかをやらかしても、通行人に通報されることが少なくなります。逆に評判が低いと、ただ街を歩いているだけで通報されることもありますよ。

ヒビキタケル:もちろんいくら評判が高くても、銃を構えたり犯罪行為を行うと通報されます。通報しようとする人を殴って止めるっていう方法もありますけどね(笑)。

おしょう:あと、ホントに序盤から街を自由に動き回れるのがすごい。いきなりメニューとか、ミニゲーム的なものも全開放されて。

ヒビキタケル:何をやってもいいゲームになりますよね。

アツゴロウ:そのおかげで、全然本編が進まないです(笑)。

おしょう:ゲーム中に難易度設定ができるのもいいね。

アツゴロウ:車関連のアクションとか、自分的には難易度が高いものもありましたから、そういったところをプレイするときには、難易度を下げてクリアしました。

ヒビキタケル:個人的には、車を運転する要素のあるアクションゲームの経験があれば、それほど難しくないと感じたけどね。桟橋を飛び越える映画的なハデなアクションとかもできますし。カーアクションとしても十分楽しめますね。

アツゴロウ:普通のアクションはもちろん、カーアクションもできるし、他にステルスアクションも楽しめたりと、内容は盛りだくさんです。

『ウォッチドッグス』 『ウォッチドッグス』

おしょう:とにかくホント要素が多いよね。一番驚いたのは“デジタル・トリップ”かな。エイデンがでっかい花から花へ飛ぶ“サイケデリック”とか。もうゲームがぜんぜん違う(笑)。

ヒビキタケル:クモ型のタンクを操作する“スパイダータンク”も楽しいですね。タンクで追ってくるパトカーを壊したりとか、ビルに張り付いて縦横無尽に移動したりとか。

おしょう:それで思ったんだけど、従来のオープンワールドのゲームって、自由度は高いけれど、わりと“リアルに縛られる”イメージが強いじゃないですか。そういった中で、最近はそこから一歩踏み出したゲームも認知され始めてきていると思うんです。たとえば超能力を駆使する『inFAMOUS』とか。この『ウォッチドッグス』も、ハッキングで街のいろいろなものに干渉できるし、“デジタル・トリップ”で現実ではありえないような遊びもできたりする。世界観的にもまさに“近未来のオープンワールドアクション”って感じだよね。

ヒビキタケル:発売前はあまり伝わりにくいかもですが、ローカライズがしっかりできているのも大きいですよね。『アサシン クリード』シリーズとか見ても、ユービーアイソフトはこのあたりの注力がすごくて、日本語吹き替えもほとんど違和感なく聞けるし、没入感がすごいというか、日本で作ったものといっても納得できるくらいのレベルです。

おしょう:あと、単純にシカゴ街の作りというか、生活感がスゴい。建造物のリアルさもそうだけど、いきなり道端で嘔吐している人がいたりとか(笑)。わりと行動に生活感があふれているのが楽しかったなあ。

アツゴロウ:電話の盗聴をして、日常の会話とかも聞けますしね。内容はゲーム本編にまったくないものばかりですが、それが楽しい。

おしょう:そういった部分も含めて、データ量はハンパじゃないよね。だからある意味、何をしたらいいか途方にくれるユーザーもいるかもしれない。でもそれは受動的にゲームをプレイした場合のことで、能動的にプレイを楽しめる人には、このうえなくおもしろくなるゲームだと思います。

『ウォッチドッグス』 『ウォッチドッグス』

ヒビキタケル:オンライン要素もいろいろありますしね。これまでのゲームだとオンラインとオフラインが完全に分かれているものが多かったですが、『ウォッチドッグス』だとプレイ中に他のユーザーが介入してきて、ハッキング合戦や協力対戦が楽しめます。街のスポットにチェックインすることでプレイにフィードバックされる要素もありますしね。

おしょう:要素が多いだけに、購入に迷っている人は、PS4で見られるSHARE配信のプレイ動画をチェックしてみるのもいいかも。海外ではもう発売されていて、ちょっとチェックしてみたけど、ゴツい武器を撃ちまくったり、車止めで華麗に追撃を振り切ったりとか、見ているだけで楽しくて。「こんなことができるんだ!」みたいな発見が、必ずあるはず。

ヒビキタケル:本当にいろいろな要素が入り混じったタイトルだと思います。そのわりに、操作系もかなりやりやすくまとまっているのがいいですね。ハッキングは□ボタン1つでできるし、遮蔽物から遮蔽物への移動も、視点を合わせて×ボタンでOKです。

おしょう:スキルもいろいろあって楽しいよね。習得に必要なポイントも、ミッションをプレイしていればすぐたまるし、好きなものから手当たりしだいに覚えていけばいい感じ。

アツゴロウ:メインのストーリーもかなりおもしろいですよ。家族を本当に大切に考えて、復讐の道をたどるエイデンの姿とか、シカゴの裏社会に潜む秘密とか、グイグイ惹きつけられます。エイデンの殺された家族が姪だったのは意外でしたが。

『ウォッチドッグス』

おしょう:日本だったら絶対に娘だよね。そういうところはアメリカ的なストーリーなのかもしれない。なんにせよ、本編だけでボリュームたっぷりだし、プレイを始めたらそうとう長い間楽しめることは間違いないです。たぶん、この規模のゲームは年に何度も出るものじゃないから、そういう意味でもぜひプレイしておきたいタイトルだと思います。あと、やるならぜひPS4で!

ヒビキタケル:PS3版もプレイしてみましたが、やっぱりPS4版のクオリティは段違いですね。グラフィックにせよ、アクションのスムーズさにせよ。

アツゴロウ:ユービーアイソフトが3年以上かけた大作ですし、いちファンとしてはそれだけでプレイする価値は十分です。

おしょう:コアゲーマーの人はもちろんだけど、前情報のない人がプレイしたら、相当な衝撃を受けるゲームだと思います。「これが次世代のオープンワールドゲームだ!」というところを、ぜひ体験してもらいたいですね。

(C)2013 Ubisoft Entertainment. All Rights Reserved. Watch Dogs, Ubisoft and the Ubisoft logo are trademarks of Ubisoft Entertainment in the U.S. and/or other countries.

データ

▼『ウォッチドッグス デラックス版』
■メーカー:ユービーアイソフト
■対応機種:PS4/PS3(ダウンロード専用)
■ジャンル:アクション
■発売日:2014年6月26日
■希望小売価格:9,000円+税
▼『ウォッチドッグス』
■メーカー:ユービーアイソフト
■対応機種:PC(ダウンロード専用)
■ジャンル:アクション
■発売日:2014年6月26日
■希望小売価格:6,600円+税
 
■『ウォッチドッグス』の購入はこちら
Amazon.co.jp
▼『ウォッチドッグス デラックス版』
■メーカー:ユービーアイソフト
■対応機種:PC(ダウンロード専用)
■ジャンル:アクション
■発売日:2014年6月26日
■希望小売価格:9,000円+税
 
■『ウォッチドッグス デラックス版』の購入はこちら
Amazon.co.jp

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