2014年6月27日(金)
こんにちは。『Days』シリーズにはある種のトラウマを持つライター・さくたろうです。さっそくですが、7月3日にクロンから発売される3DS『IslandDays』のレビューをお届けしていきます。悲しみの向こうへとたどり着けるのでしょうか……!?
本作は、PCゲームやアニメなどでさまざまな話題を呼んだ『School Days』のスピンオフ作品となっています。この『School Days』がどんな作品なのかというと、優柔不断な少年・伊藤誠と、桂言葉や西園寺世界たちヒロインとの愛憎劇が描かれていく……というものです。
が、『School Days』の怖い……もとい、おもしろいところは、同時に何人ものヒロインと付き合うことで、プレイヤーや視聴者が思わず頭を抱えてしまうほど、ドロドロで取り返しのつかない方向に物語が進んでいくということ……。知っている人は知っていると思いますが、愛憎劇なんて言葉じゃ足りないくらいハードな展開が待っています。ゲームを進めるのがつらくなって途中でプレイを止めてみるのですが、気になって気になってついついまた遊んじゃうんですよね。
……おっと、なんだか話の流れが『School Days』のレビューになりかけたので、軌道修正意しますね。『School Days』がどんなゲームなのか原作に興味を持った方は、ぜひ自己責任で調べてみてください!
▲脚本はオーバーフローのメイザーズぬまきちさん。これだけで『Days』シリーズのファンであれば“ある種の期待”をせずにはいられないと思います。 |
さっそくゲームのレビューをしていきたいと思いますが、まずは本作のオープニング映像をご覧ください。
メロディはそこそこ明るいのですが、歌詞がスゴいです。開始12秒の時点でもう怖いよ! 殺る気マンマンじゃないっすか! ある意味でドキドキが止まらないこの物語は、こんな形で始まります。
■『IslandDays』ストーリー
高校2年生を目前にした春休みのこと。
平凡な日常を送っていた高校生・伊藤誠は、クルーザーのデッキで目を覚ました。同乗していたクラスメイトたちの話によると、無人島ツアーの途上らしい。
しかし、クルーザーの運転をしていたはずの父親の姿はなく、気付いた時には岩場へと一直線! かろうじて無人島にはたどり着いたものの、クルーザーは沈没してしまう。
思わぬトラブルから始まった無人島生活、はたしてその行方は……?
クルーザーを運転していたはずの父親がいなくなるなど、冒頭から波乱含みの展開ですね。ともかく、誠とヒロインたちは不慮の事故で無人島に流れ着きます。ここで彼らは、食糧を探したり島を探索したりしながら、島からの脱出を目指すことになります。
ここで簡単に、本作に登場するキャラクターの紹介をしておきましょう。
伊藤誠 | 西園寺世界 | 桂言葉 | ||
▲眠っている間に父親に無理やりツアーに参加させられてしまう。少し、空気の読めないところがある。 | ▲誠のクラスメイト。明るい性格でクラスのムードメーカーで、誠のことが好き。 | ▲おとなしい性格の少女で、世界の仲介によって、好意を抱いていた誠と仲よくなった。 |
清浦刹那 | 加藤乙女 | 桂心 | ||
▲誠のクラスメイトで世界の幼なじみで、普段は口数が少なくクール。密かに誠のことが好き。 | ▲誠とは中学時代からの親友。誠のことが気になっているが、なかなか素直になれない。 | ▲言葉の妹。活発で好奇心が旺盛。誠に興味を持っており、言葉と彼をくっつけようとしたこともある。 |
黒田光 | 山県愛 | 加藤可憐 | ||
▲誠のクラスメイト。誠とは相性が悪く、よく口ゲンカをしている。 | ▲誠や乙女とは中学時代からの付き合い。性格はおっとりとした天然系。かつては誠と相思相愛だった。 | ▲乙女の妹。積極的な性格で、誠と姉の仲を応援しつつも、彼のことが気になっている。 |
注目するべきは、ほとんどのヒロインが誠のことを好きor興味を抱いている点。これはもうドロドロになるしかない人間関係ですね。こんな彼女たちと誠が一緒に無人島にいたら、何も起こらないわけがありません。
続いて、ゲームの進行について紹介していきましょう。ゲームは2つのパートで構成されています。1つは、島内を探索しつつ、ヒロインとのエピソードが展開していく“ストーリーパート”。そしてもう1つは、食糧を求めて襲いかかる動物たちと戦う“バトルパート”。これが1日に1回ずつ発生し、28日が経過するとゲームクリアとなります。
▲父親のせいで、ヒロインたちと無人島生活を送ることになった誠。ちなみに最初の選択肢で「面倒だし、寝よう」を選択し、その後「起きない」を選び続けると、某キャラのファンがうれしくなるようなシーンが(笑)。 |
ストーリーパートでは、ヒロインと一緒にコテージや島を探索したり食糧を捜したりすることになります。表示された選択肢の中から行動を1つ選び、それを2回繰り返すとバトルパートに進んでいきます。
ちなみに、ストーリーパートの選択肢は、8人のヒロインにかかわるものが均等に登場するわけではありません。どのヒロインと仲よくするのか考えながら行動を選択しましょう。
▲コテージや島を探索すると、バトルパートで役立つ武器が手に入ることもあります。武器を見つけた刹那のセリフがこちら。他のゲームならともかく、『Days』シリーズでは冗談ではすまない場合がよくあるので、身体の一部がヒュンッとなりますね! |
▲ヒロインと仲よくなれば、恋愛イベントなどが発生することもあります。ただし、1人のヒロインだけにいい顔をしていると、修羅場的なイベントが発生して、悲しみの向こうへたどり着けないことも……。 |
続いて、バトルパートを紹介していきましょう。本作のバトルパートは、タワーディフェンスタイプのバトルが展開するものになっています。ちなみに“タワーディフェンス”というのは一種のリアルタイムストラテジーゲームで、敵の侵攻に合わせてキャラクターを配置し敵の侵入を防ぐといった、防衛を目的としたゲームのことです。
本作では、誠たちが持つ食糧(日数の経過でも減少)を狙ってさまざまな動物たちが出現し、誠やヒロインたちとその進路付近に配置して戦わせていくことになります。
▲薄茶色の道が動物たちの進路。この脇にキャラクターを配置すると、キャラクターの攻撃範囲に動物が侵入したときに自動でキャラクターが攻撃してくれます。また、キャラクターごとに攻撃範囲や攻撃スピードが異なっており、どの位置に誰を置くのかが重要。 |
▲動物は種類ごとに移動速度や体力などが設定。狼は攻撃されると一定時間移動速度が早くなる、カラスは“対空”を持っているキャラクターでないと攻撃できないなど、動物によっては特殊な能力を持つものもいます。 |
バトルパートでは、BP(バトルポイント)を消費してキャラクターを配置でき、さらにBPを使うことで強力な武器に変更したり、キャラクターのレベルをアップしたりできます。敵の侵攻に合わせてキャラクターを配置して攻撃。敵が出口にたどり着く前に倒すことができれば食糧は減りませんが、倒しきれなかった敵が出口に着くと、こちらの食糧が減少していきます。
この食糧が0になるとバトルパートは失敗。ただしリトライになるのではなく、次の日へと進みます(もしリトライしたい場合は、バトルパートが終了する前に、ポーズメニューからリトライを選べばOK)。食糧が動物に取られて0になった場合、翌日のストーリーパートはスキップされて、強制的に食糧を探すことになります。
最初の数日は押し寄せてくる敵の数が少ないですが、後半になっていくと出現する敵の数がかなり多くなります。敵を通過させないように全滅させるのは簡単じゃありません。
各キャラクターはHP、武器、攻撃速度、攻撃可能な範囲などが設定されていて、“武器チェンジ”で武器を変更したり、“レベルアップ”することで攻撃や速度、範囲が変化。他にも各キャラクターは“必殺技”を使うことができます。必殺技は、時間経過でゲージが満タンになると使用可能になります。
必殺技はキャラクターごとに性能が異なっており、“味方全体の攻撃範囲を一定時間アップする”や“範囲にいる敵に大ダメージを与える”などさまざまなものがあります。また、キャラクターを設置させる際にHPが一定値減少します(そのパートで設置しないと回復)。HPが0になると、その周回の間はキャラクターが使用できなくなるので要注意。
キャラクターは角地に配置すると、敵を攻撃しやすくてオススメ。攻撃範囲が広いキャラクターは重宝します。また、カラスなどの空を飛ぶ敵には“対空”を持つキャラクターの攻撃が有効です。
最大9人のキャラクターを配置できますが、先ほども説明したように、配置するだけでHPが減ってしまうので、次のバトルが厳しくなってしまいます。1度に配置するキャラクターは4~6人くらいを目安にするといいかも。
本作のタワーディフェンスは、かなり気合が入っています。でも、ストーリーパートのギスギス感が強くなってくると、むしろ息抜きのように感じてしまいました(笑)。
レビュー用にゲームを1周してみましたが、誰か1人に入れ込む形にしなかったところ、仲よしエンドに落ち着きました。というよりも、バトルパートで動物たちに食糧を取られてしまったため、ストーリーパートでヒロインたちと仲を深められなかったせいかもしれません。
食糧がなくなると強制的に食糧探しをするハメになってしまいます。こうなると探索で武器を見つけることができなくなり、さらにヒロインたちとのストーリーを進展させることも難しくなってしまいます。今回のプレイでは20日を経過したあたりから、キャラクターのHPも食糧もカツカツで、ジリ貧の展開に……。
みんな仲よしって、ある意味では理想なのかもしれませんが、『Days』シリーズであることを考えると、やっぱり物足りないと感じてしまうのですよね(笑)。でも、あまりレビューでその部分を書いてしまうと楽しみが半減してしまいますので、『Days』シリーズらしいエンディングは、ぜひ皆さん自身が体験してください。
インタビューで、メイザーズぬまきちさんが「三角関係をちゃんときっちりやっている」とおっしゃっていたり、河原木さんの口から「シナリオが進むと、やっぱりみんなの様子がおかしくなってくるわけですよ」という言葉が飛び出しているので、ドロドロでグッチャグッチャな展開を望んでいる人も、期待していてくださいね。
▲仲よしエンドでしたが、途中ではドロドロ展開を予想させるシーンを楽しめました。こちらの世界を抱きしめるシーン、実はそばに言葉さんがいます。誠に思わず「“伝わった?”じゃねーよ!」って、ツッコんでしまいました。 |
今回レビューをお届けした『IslandDays』のソフト(河原木志穂さんと岡嶋妙さんのサイン入り)を2名の方にプレゼントします! 欲しいという人は、下の応募フォームに必要事項を記入の上、応募してくださいね。締め切りは7月1日 24時とさせていただきます。皆さんからの応募、お待ちしております!
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